一攫千金(いっかくせんきん)。 解釈:一挙に大金を儲けること。大した苦労もせず、莫大な利益をものにす ること。 類義:一夜検校(けんぎょう)掴み取り。濡れ手に粟。 一気呵成(いっきかせい)。 解釈:物事を一気にし終えること。普通、文章や詩などを一息に書き上げる ことをいう。 一騎当千(いっきとうせん)。 解釈:一騎で千人の敵を相手に戦うことができるほどの強い者のこと。 類義:一人(いちにん)当千。 一挙両得(いっきょりょうとく)。 解釈:一つの行為をすることによって、二つの利益を得ること。 類義:一石二鳥。 反義:二兎を追う者は、一兎をも得ず。 一犬(いっけん)影に吠ゆれば、万犬(ばんけん)声に吠ゆ。 解釈:一匹の犬が何かの影を見て吠えだすと、他の犬たちも一緒になって吠 えたてることから、誰かが無責任な発言をすると、多くの人がよく確かめもせ ず言いふらしてしまうこと。 類義: 一人(いちにん)虚を伝うれば、万人実を伝う。一犬虚を吠ゆれば、 十犬実を伝う。 一口両舌(いっごうりょうぜつ)。 解釈:何だかんだといって決まらないこと。二枚舌。嘘をつくこと。 類義:二枚の舌を使う。 一刻千金(いっこくせんきん)。 解釈:わずかの時間が千金に値すること。大切な時や楽しい時間が、あまり に早く過ぎてしまうのを惜しんでいう言葉。 一災起これば二災起こる。 解釈:悪い事は重なるもので、災いに一度起こるとまた起こるものだ。 類語:一度ある事は二度ある。 一子相伝(いっしそうでん) 解釈:技や学術の極意を秘密にするためにわが子一人に伝えること。 一視同仁(いっしどうじん)。 解釈:親しい者、疎遠な者の差別をせずに全部同じように仁愛を施すこと。 一瀉千里(いっしゃせんり)。 解釈:川の流れが速くて、あっという間に千里も流れることから、物事がは かどることのたとえ。また、文章や弁舌が明快で淀みのないこと。 一将功成りて万骨(ばんこつ)枯る。 解釈:一人の将軍の功名の陰には、万人の兵卒のいたましい命の犠牲がある。 幹部の功績の陰の力となった多くの部下たちの苦労が顧みられないことを嘆く ときにいう。 一升徳利こけても三分(さんぶ)。 解釈:一升徳利が転がって中身が流れ出ても、元が大きいから三合くらいは 残っている。金持は多少無駄遣いしても、すっからかんにはならない。 一升徳利には二升は入らぬ。 類義:一升入る壺。 一升の餅に五升の取粉(とりこ)。 解釈:主になる物よりもそれに付随する物の方が沢山いること。「取粉」は 餅にまぶす米の粉。 類義:余って足らぬは餅の粉。 一升の餅にも粉(こ)がいる。 解釈:少しの餅を搗くにも意外に沢山の取粉(とりこ)を必要とするように、 物事はたとえ小事であっても、それに関連した様々な面倒が起こってくるたと え。 一升入る壺。 解釈:物事にはそれぞれ限度があり、事実は争えないたとえ。 類義:一升徳利には二升は入らぬ。一升入る瓢(ふくべ)は海へ行っても一 升。一升入る袋。 一所懸命(いっしょけんめい)。 解釈:一か所の領地に命をかけて、生活の頼みにすること。また、その領地。物事 を命がけでするという意味もある。 一心岩をも透す。 類義:石に立つ矢。 一炊(いっすい)の夢。 類義:邯鄲(かんたん)の夢。 一寸先は闇。 解釈:未来を予知することは不可能だ。一寸先は暗闇で、明日何が起こるか 分らない。 類義:面前に三尺の暗(やみ)有り。 一寸の光陰軽んずべからず。 解釈:わずかな時間でも無駄にしてはならない。 一寸延びれば尋(ひろ)延びる。 解釈:当面する困難をなんとか乗りきれば、その後は楽になる。 類義:一日のぶれば千日に向かう。一寸のびれば尺。一寸のぶれば尋となる。 一寸の虫にも五分(ごぶ)の魂(たましい)。 解釈:つまらぬと思える者にもそれ相当の意地や思慮があるから、侮っては いけないというたとえ。 類義:粉糠(こぬか)にも根性。蛞蝓(なめくじ)にも角。匹夫(ひっぷ) も志を奪う可からず。痩腕にも骨。 参考:Even a worm will turn.(虫けらさえも向き直って来る) 一銭を笑う者は一銭に泣く。 解釈:わずかな金だからといって粗末に扱えば、何時かそのわずかな金のた めに泣くときがある。 一知半解(いっちはんかい)。 解釈:物事の表面だけしか知らず、知識が十分に自分のものになっていない こと。なまかじり。 一籌(いっちゅう)を輸(ゆ)す。 解釈:「籌」は勝負の点数を数える竹の棒、「輸」は負けるの意味。勝負に 一度敗れた者は勝った者に点棒を一本渡すことから、少しだけ劣る、ひけをと ることをいう。 一張一弛(いっちょういっし)。 解釈:弦を強く張ったり緩めたりするように、精神も緊張状態がつづくのは よくないので、しばしば休ませることが大事だ。 一朝一夕(いっちょういっせき)の故(こ)に非(あら)ず。 解釈:一日や二日でできたものではなく、長い年月をかけて徐々に成立した ものであるという意。 一丁(いってい)字を識(し)らず。 解釈:[一丁」は「一个(いっこ、一個)」の意で、一個の文字も知らないという こと。無学文盲。 一擲(いってき)乾坤(けんこん)を賭(と)す。 解釈:「乾坤」は天地、「擲」は投げるの意。さいころを投げて、天が出る か地が出るか賭けること。天下を取るか失うかの大勝負や仕事をすること。 類義:一か八(ばち)か。乾坤一擲。のるかそるか。 一頭(いっとう)地を抜く。 解釈:人々の上に頭をぐっと出しているという意で、群を抜くと同意。 一刀両断(いっとうりょうだん)。 解釈:一太刀(ひとたち)で真っ二つに斬ること。決断が速やかで、断固と して処置をする意。 一敗地に塗(まみ)れる。 解釈:再起できないくらい徹底的に負けること。大失敗をしたときなどにい う。 一髪千鈞(いっぱつせんきん)を引く。 解釈:一筋の髪の毛で千鈞の重量の物を引っ張る。大変危険なことのたとえ。 参考:「一鈞」は30斤(約6.68s) 一斑(いっぱん)を見て全豹(ぜんびょう)を卜(ぼく)す。 解釈:「斑」は、ぶち・まだらの意で、豹の皮の一つの斑模様から、豹全体 を推し量ること。物事の一部を見てその全体を推察することの意。 類義:一事が万事(ばんじ)。舵首(だしゅ)を見て長短を知る。 一匹の鯨に七浦(ななうら)賑わう。 解釈:獲物が鯨のように大きいと、何らかの形で利益を得る者が多くなる。 「七浦」は七浜で、多くの漁村の意。 類義:鯨一本とれば七浦浮かぶ。鯨一つ捕れば七浦うるおう。 一片(いっぺん)の雲も日を蔽(おお)う。 解釈:一片の雲でも太陽を覆うことがあるように、どんな小さな物にも侮り 難い一面がある。 類義:一指目を蔽えば、大山も見えず。 何時迄もあると思うな親と金(かね)。 解釈:親はいつまでも生きていて子供の面倒をみてくれるわけではないし、 金も使えば減ってなくなるということ。自ら独立心を持ち倹約を心掛けておか ないと必ず困る時がくる。 参考:何時迄も無いと思うな運と災難。 何時も月夜に米の飯(めし)。 解釈:月夜と米の飯が毎日続けば大層目出度い。常にそうありたいと思って もなかなか思うようにはいかないこと。また、どんなに長く続いても飽きない ことのたとえ。 類義:いつも月夜に常九月(じょうくがつ)。 何時も柳の下に泥鰌(どじょう)は居らぬ。 解釈:たまたま柳の下で泥鰌を捕ったからといって、何時もそこに泥鰌がい るとは限らない。一度味を占めたからといって、そう度々いい事にぶつかるも のでもない。 類義:柳の下の泥鰌。 参考:A fox is not caught twice in the same snare.(狐は同じワナで二 度は捕れない) 佚(いつ)を以て労を待つ。 解釈:中国の孫子(そんし)及び呉子(ごし)が教えた戦場のおける必勝法。 休養して鋭気を養いつつ、遠方から攻めてくる敵を迎え撃つ。つまり敵の疲労 に乗じて戦うこと。 井戸から火の出たよう。 解釈:この世ではまずあり得ないことのたとえ。非常に慌てる様。 従兄弟同士は鴨の味。 解釈:従兄弟同士の夫婦は情愛が深く、まるで鴨の味のように好ましいもの だ。 類義:従兄弟同士は鴨の吸物。従兄弟は鴨の味。 井戸の端(はた)の童(わらべ)。 解釈:危険なことのたとえ。 類義:井の縁の茶碗。子供川端火の用心。 |