0208植物の科名いろいろ [ヤ]〜[ヨ]
 
                      参考:小学館発行「万有百科大事典」
 
[ヤ]
ヤドリギ科 双子葉植物離弁花類
 低木で、他の木本植物の枝又は幹に寄生し、吸根で養分を採るが、葉緑もある半寄生
 植物である。葉は普通対生し、全縁である。花は両性又は単性で、穂状、集散状又は
 束状に着く。花被は4〜8個が離生又は合生する。子房は下位、液果は粘質の果肉が
 あり、1個の種子がある。熱帯に多いが、温帯に亘って30属1500種が分布する。わが
 国にはホザキヤドリギ属・ヒノキバヤドリギ属・マツグミ属・ヤドリギ属が自生する。
 
ヤナギ科 双子葉植物離弁花類
 高木又は低木。葉は互生、稀にやや対生し、托葉があり、単葉で縁に鋸歯があるか、
 又はない。雌雄異株。花は穂状花序をなして、葉の出る前、又は葉と共に開く。包だ
 けで花被がなく、雄蘂は1〜数個、子房は1室、柱頭は2〜4個で、ときに2裂する。
 果実は朔(草冠+朔)果で2〜4裂し、長い綿毛のある種子が多数ある。世界に数属
 450種あり、北半球の温帯、亜熱帯に多く見られ、わが国にはヤナギ属・ハコヤナギ属・
 ケショウヤナギ属・オオバヤナギ属が自生。
 
ヤブコウジ科 双子葉植物合弁花類
 多くは常緑性の低木又は小高木。葉は普通互生し、単純で全縁或いは鋸歯がある。花
 は多くは両性、腋生又は頂生の円錐花序或いは総状花序をなす。雄蘂は5個のものが
 多く、雌蘂は1個。果実は核果又は液果。世界に約25属1000種があり、主として熱帯、
 亜熱帯に産し、暖帯に少数が分布する。わが国にはヤブコウジ属・イズセンリョウ属・
 ツルマンリョウ属・タイミンタチバナ属が自生し、ヤブコウジ・カラタチバナ・マンリョ
 ウなどには多くの園芸品種がある。
 
ヤマゴボウ科
 多くは熱帯に分布し、世界に22属120種、わが国に1属2種がある。ヤマゴボウは北海
 道南西部から九州に分布する。近似種のヨウシュヤマゴボウは北アメリカ原産である。
 
ヤマノイモ科 単子葉植物
 茎は多くは蔓性で他植物に絡み付き、葉は全縁か又は手形状に分裂し、小脈は網状と
 なる。花は単性で小さく、6花被片を持つ。雄花には6個の雄蘂があり、ときには3
 個が退化する。雌花の子房は下位で3室を持ち、各室に2個の胚珠がある。果実は胞
 背裂開の朔(草冠+朔)果で、内乳のある平らな種子がある。熱帯に多く、世界に約
 10属650種程を産し、ヤマノイモ・ナガイモ・トコロ・ツルカメソウなどが含まれている。
 
ヤマモモ科 双子葉植物離弁花類
 常緑又は落葉性の高木或いは低木、葉は全縁か又は鋸歯があり、雌雄異株又は同株で
 穂状花序を着け、花には花被がなく、包や小包がある。雄花の雄蘂は2〜20個あるが、
 普通は4〜5個、雌花の子房は1室。核果は球形又は卵形、外果皮は肉質或いは多汁
 で、内果皮は堅い。全世界に分布するが、熱帯に多く産し、2属約35種があり、わが
 国にもヤマモモ属、ヤチヤナギ属が自生する。
 
[ユ]
ユキノシタ科 双子葉植物離弁花類
 草本又は木本で、葉は互生、或いは対生する。花は両性、ときに単性、萼は4,5個、
 花弁は萼片と同数か、又はこれを欠く。雄蘂は花弁と同数か、その倍数、或いは多数
 で、ときに仮雄蘂ユウズイがある。花盤は屡々よく発達する。子房は上位又は下位で、2
 〜5心皮からなり、心皮は殆ど離生するか、或いは癒合する。果実は朔(草冠+朔)
 果、ときに液果、種子は多数で胚乳がある。世界に110属1200種、主に北半球に多い。
 わが国には20属87種を産する。
 この科からウメバチソウ科や、アジサイ科を分けることがある。その場合、前者は花
 弁に対生する5個の仮雄蘂のあることが、後者は多くは木本で、心皮は3〜5個と数
 が多く、珠皮は常に1枚であることが分類の決め手となる。これに対し、狭義のユキ
 ノシタ科は、草本で心皮に2個、珠皮は常に2枚あるのが特徴である。
 
ユリ科 単子葉植物
 この科は大きな科で、約220属3500種があり、世界の各地に分布するが、特に温帯及び
 熱帯の山地に多い。系統上から最も基礎的な形状を持っているものと考えられ、ラン
 科、ヒガンバナ科などと共に花冠状の花被を持つ一群はツユクサ類、ハナイ類などか
 ら進化したものではないかと思われている。
 
 多年草の草本が主で、根茎、球茎、魂茎、鱗茎などを持つ。茎は稀に蔓性になって長
 く伸びるもの、花茎状となって葉がないか、鱗片葉を付けるものがある。小枝は稀に
 葉状となる。葉は根生又は茎生で、普通は互生し、ときに肉質となり、また鱗片状に
 退化する。一般に単葉で、平行脈があるが、ときに網状の小脈を備え、稀に葉柄に巻
 き髭が出来る。花はいろいろの花序をなし、単性又は両性で、普通は可成り大きく、
 有色で目立ち、放射、又は僅かに左右相称をなす。花被片は普通6個あって内外2輪
 列に並び、同形か、或いは外輪の3片は小形か緑色で、萼と花冠の区別があり、多く
 は離生であるが、6個が合生して花筒を作ることも多い。雄蘂は花被片と同数で、と
 きに花被片に着生し、葯は2室で、縦裂するのが普通。心皮は上位、稀に半下位又は
 下位で3個あり、原始的なものでは離生するが、普通は合着する。果実は液果又は朔
 (草冠+朔)果で、稀に心皮が早く剥げ落ち、未熟のときから種子を露出する。種子
 には内乳が多い。この科は多様な形態を持ち、以上の記述に合わないものもあり、と
 きには数個の科に分けられる。
 [詳細探訪(ユリと聖書とマドンナと)]
 
[ヨ]
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