17a 梅
 
「ウメの育て方」
○性質と植え場所
 まず,日当たりや風通しのよいところを選んで下さい。ただし風当たりが強過ぎます
と害があります。土質は有機質に富む肥沃な壌土で,表土の深いところがよいでしょう。
表土が浅いときは,深耕してから植えて下さい。
○品種の選択
 花の観賞のほかに果実の収穫を望む場合は,選び方に注意して下さい。ウメには自家
結実しにくい性質がありますので,2本以上,それもなるべく違った品種の木を植える
ようにします。どうしても1本だけという場合は,甲州小梅,豊後などを選んで下さい。
○植え付け
 苗木の接ぎ口のビニールテープを解き,苗木は70p位に切り詰め,根も15〜20pに切
り詰めておきます。苗木は直径,深さとも60p程度の植え穴に植え,根を四方に広げま
す。接ぎ木の台木が地表に少し出る程度に,浅めに植えることが大切です。土に腐葉土
などの有機質を混ぜて埋め戻し,支柱で固定します。
○樹形作りと剪定
 1年目に伸びてきた新芽のうち,3方向3本を選び残して主枝とし,その先端1/2〜 
1/3を切り込んで下さい。翌年其処から亜主枝が出ますので,方向の良いものを選び残し
て切り詰め,次年の第2亜主枝へと繋いでいきます。こうして,どの枝にも陽光の当た
る開心自然形を完成させるとよいでしょう。
 「ウメ切らぬ馬鹿」と言われる程,ウメに剪定は付き物ですが,ウメは新しく伸びた
枝に花芽がつきますので,花ウメは花が終わったら直ぐ,花の咲いた枝を3芽程残して
剪定します。実ウメは落葉期の冬の間が剪定の適期ですが,とちらも長く伸び過ぎた元
気の良い枝には花芽はつきませんので切り詰めて下さい。
○施肥
 堆肥,化成肥料,油粕,骨粉,鶏糞などを中心に,元気のない木には窒素肥料を多く,
元気の良い木には花つきをよくするためにリン酸,カリ肥料を多めに与えます。
○鉢栽培の管理
 鉢は排水を重視して選び,底の穴の高いものは避けて下さい。若木は通気性のある駄
温鉢で仕立て,樹形が出来上がりましたら観賞鉢に替えるとよいでしょう。用土も排水
のよい赤玉土などを選び,腐葉土を混ぜて用います。
 水やりは乾燥気味に管理するのがよいですが,室内は乾燥し過ぎますので,乾ききっ
たら十分に潅水します。絶えず湿っている状態はよくありません。
 鉢替えは3月がよく,古い根を切り落として植え替えます。肥料は,生育期には油粕
の腐汁を,その後は油粕を主にした置き肥を与えます。
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○アンズ
 アンズ(杏)は別名カラモモといいます。アンズは植物学上,ホンアンズ,マンシュ
ウアンズ,モウコアンズの三つに分けられますが,一般にアンズといえばホンアンズの
栽培品種の総称です。アンズは落葉高木で,葉は卵形,鈍鋸歯ドンキョシがあり,花は白色,
萼は赤いです。果実は品種改良された結果,重さ25〜50g,ウメと異なり果肉と核がよく
離れます。果肉は淡橙黄色で,日本では主に長野県,東北地方(青森県)などで栽培さ
れていますように(秋田オオ実・山県3号など),冷涼な気候を好みます(ウメは暖地
向きです)。果実は生食にされるほか,ジャム,シロップ漬け,ジュースなどにも加工
されます。
 栽培:ウメに準じますが,繁殖は接ぎ木によります。

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