「土木学会誌8月号」に執筆しました、もう一つの「熊本県道28号線」は  こちらをご覧ください。


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通称:県道「熊本〜高森線」
熊本県道28号線 ドライブしましょう。
熊本市内から
久木野村へ
 
熊本県の「県道28号線」は、熊本市内から益城町〜西原村〜南阿蘇村久木野地区〜高森町への幹線道路です。
 熊本市内から南阿蘇に通じる県道ですが、田舎を通りぬける味のある道路です。
 道路網が整備されつつある昨今、昔ながらの道路をもう一度ゆっくり走ってみませんか。
サウンドを設定しています。
いつもこの曲を聴きながら運転します。
再生ボタンを押してご一緒にどうぞ。
green green grass of home

まず起点からご案内致します。

 県道28号線の起点は熊本市の西、小島下町です。左の写真は熊本港からの道路で信号を熊本市内方面へ右折したところからが起点になります。右は熊本市内より来た道路で突き当たりの信号からが起点になり手前に県道28号線の始まりです

 熊本市の起点はどこだろうかと思っていましたが、熊本市の西、小島下町の交差点が起点なんですね。初めて知りました。

 そこから田崎市場前〜熊本駅前から細工町〜中央郵便局前〜交通センター裏から電車通りに出て、市役所前〜水道町〜水前寺〜健軍終点へ。
熊本市内の電車道は県道28号線です。

 さらに28号線は、健軍から東に一直線益城町を縦断。そのまま西原村に入り〜役場前を通り抜けて交差点を俵山方面に右折。俵山バイパスを抜けて久木野村へ。

久木野村を縦断し白水村両併小学校前を通って
高森町で終点。これが「熊本県道28号線」です。

熊本市の東、健軍界隈です。
 単身赴任の地、久木野村から自宅の健軍へは、月に2〜3回帰りますが、最近はよくこの道路を利用します。
俵山トンネルが開通して随分走りやすくなり時間も短縮されましたが、その分のんびり走れる県道も、また味なものです。
 高速道路やバイパスでは車の流れに乗り遅れまいと、必死にハンドルを握りしめ、ただひたすらに走るだけですが、一般道路では、走る道路の路肩の草花に元気付けられ、そこで暮らす人々の声が聞こえてきますし、季節の香りが味わえます。



   
『益城町』
県道28号線を一緒に走ってみましょう!

 今日も自宅近くの健軍から、県道28号線を利用して久木野村に帰る事にしました。電車通りの健軍終点から益城町に入ると道が狭くなりますが、10分程で町中を通り抜け広い交差点に出ます。左へは第二空港道路へ。右は飯野経由で御船町へ。

 県道28号線はそのまま直進します。左手は高遊原台地と道路の間に民家が点在し、右手の畑の向こうに木山中学校。その先には船野山が望めるのどかな田園風景です。

熊本市方面を見る。益城町寺迫付近

 やがて木山川を隔てた右手に津森小学校が
見えます。その先の交差点を左に行くと
熊本空港へ。
県道28号線はそのまま直進します。
こんな道路標識は田舎でなければお目にかかれません。

 ・解除です。
 ・制限速度40km
 ・追い越し禁止
 ・駐車禁止

益城町杉堂付近

 しばらくして道路は右に大きくカーブして山の手の上り坂にかかりますが、かってこの付近の道路は狭くてカーブが多い難所でした。今は快適な片側一車線の広い道路に整備されています。右下はやや深めの谷に木山川が流れます。
峠を越えると西原村に入ります。
 面白い光景に出会いました。先を走る路線バスが坂道の途中で左折し狭い道路に入りました。アレなんでこんな狭い道路に入ったんだろうと思いましたが、100m程先の新道に再びひょっこり現れました。わざわざ狭い道を通らなくても思いましたが、後で調べてみますと、バスが通った狭い道が「県道28号線」だったのです。県道の標識もあり「杉堂」のバス停が一つありました。その先で、ばったり路線バスと鉢合わせ、こちらは軽自動車ですが離合も出来ません。仕方なくバックして道を譲りました。150m程の狭い道をわざわざ迂回しなくてもと思いましたが、車を運転出来ない高齢者の方達の為にも、今まで通りの路を通ります。
『西原村』
 峠を越えたあたりに西原村の看板があります。
こじんまりした集落に出ました。西原村河原地区です。
右手に立派な河原小学校が見えます。

小学校の方へ右折し坂道を上って(やがて左折して「白糸の滝」へ)
そのまま「グランドチャンピオンゴルフクラブ」〜「みるく牧場」
〜地蔵峠〜久木野村のグリーンロードです。
 工事中だった道路も今では綺麗に整備されています。
 右折したい所ですが、
今日は28号線を直進します。

西原村河原地区 〜俵山が見えてきました。

 県道28号線はそのまま直進。やがて真っ直ぐな坂を上り下ると西原村布田小森地区の西原役場・西原中学校前を通ります。そのすぐ先は久しぶりの信号交差点です。                  
 左からの交差点への進入路が第二空港線からの道路です。県道28号線は信号を俵山方面へ右折します。写真→


 「萌の里」の横を通り、俵山の中腹を上り始めますが、やがて奇妙な橋梁が現れます。
 熊本県が誇る?×(ペケ)な橋梁。
これが空港付近からもはっきり目立つのですから残念です。

 熊本県条例「南阿蘇景観地域指定」
 熊本県では、昭和62年3月に地域の特性が生かされた景観の保全と創造を図り、緑と水が豊かで、県民にとって愛着のもてる県土の醸成に資する事を目的として、熊本県景観条例を公布しました。条例では、地域の個性を生かし景観形成を図るため、一定の行為について届けを義務付け、指導、助言又は要請を行う「景観形成地域」を知事が指定できる事を定めています。

県道28号線の汚点ポイント。
「桑鶴大橋」
 ここ西原村は南阿蘇地域ではありません。だから行政は自然豊かな西原村でも、不自然とも言える×印の橋を渡すのに何も抵抗が無かったのでしょうか。自然との調和を取り違えたような物体。この橋を渡る度に残念な思いをするのは私だけでしょうか。構造的な問題とは全く無関係です。 大自然に乏しい大都会では似合うかもしれませんが。
 人が自然に対する畏敬の念が薄れたときに、人は無意識に自然を壊します。俵山バイパスのすぐ上に、西原村が誘致した10基の巨大な風力発電機が今年(05)の春から稼働を始めました。俵山の裾野を風車が覆い尽くす様は、「桑鶴大橋」の白いX橋塔とは、比べようもない環境破壊です。環境破壊とクリーンなエネルギー。私達は今後どちらを選ぶべきなのでしょうか。あの唐突に突き出た白いX橋塔は、今は遠くから眺めると、周りの風車に溶け込みあまり目立たなくなりました。
 「X君あんたも仲間よ」と風車が語りかけているようにみえ、何とも皮肉な光景です。
無意味な構築物は、結局は景観を壊すことになりますし、
景観が壊れることは、その自然に溶け込んできた人の心に痛みを与えます。

「西原カントリークラブ」の前を通り抜けると道路は緩やかに左にカーブします。
28号線自慢の「俵山バイパス」です。平成15年10月に開通し「全建賞」をも受賞しました。

←『旧県道28号線』
 右に小さな道路が上に延びていますが、これが昨年までの県道28号線です。現在は村道に格下げになりましたが、かっては俵山越えの難所でした。景色は西に熊本平野が、有明海の遠くに雲仙普賢岳が一望出来、峠を越えると南郷谷が一望できる素晴らしい観光ルートでしたが、何しろ雨の日はガスがかかりやすく、雪の日は通行止めになるやらで幹線道路にしては難所の一つでした。天気が良い日はのんびり峠を越えるのもいいかもしれません。

「俵山バイパス」

 左に緩やかにカーブした新しい道路が二つのトンネルを持つ俵山バイパスです。延長6km、草原の山肌をぬって走る快適なバイパスです。
 すぐ左に展望駐車場があり、旧県道から眺める展望と等しく、一休憩にはいい場所です。 スッキリ晴れた日には、遠く宇土半島、有明海、雲仙普賢岳が望めます。      → 展望駐車場

クリーンエネルギーと環境破壊

 展望駐車場を過ぎるといよいよトンネルに入ります。綺麗な「俵山トンネル(2057m)」「南阿蘇トンネル(781m)」を抜けると久木野村に入ります。

 ← トンネル入り口付近です。度肝を抜かれるような巨大な風力発電の風車は、古来より受け継がれた阿蘇特有の原野を、あざ笑うようにそびえ立っています。私は見ないで通り過ぎます。中腹の道路は峠への旧道です。

 脇見運転注意!!




いよいよ『久木野村』です “久木野路は ゆっくり走ろう のんびりと ”(詠み人:グリーン グラス)
 トンネルを抜けると南阿蘇久木野路です。
この日は雨でしたが旧道の俵山峠は霧。
前方に南阿蘇の南郷谷が広がります。
県道28号線は高森に向けて久木野地区を縦断します。久木野は故郷の景観です。ゆっくり走って、
何処ででも車を止めてご休憩ください。
そして村人と話してみてください。
 昨年開通した俵山トンネルを開通前に皆んなで歩きました。
(トンネルウオーク H15..9.28)
乳母車の赤ちゃんから
ご年輩の御夫婦まで、楽しい一日を過ごしました。
 久木野村には信号が二箇所しかありません。最初の信号は役場付近。
次の信号は白水村中松への分岐点ですが、県道28号線はそのまま直進。久石地区を通ります。
「この道を体験せずして久木野村は語るな」は私の口癖です。
 二つ目の信号の先に「四季の森温泉」があります。村民の福利施設としての温泉ですが、南阿蘇では一番の「いい湯」の折り紙付きの温泉です。
二つ目の「新村」の信号です。直進!
左は白水村中松、右はグリーンピア南阿蘇
  観光で来られた好奇心旺盛な方は、何かを期待して直進されますが、出会いは私が名付けた
「久木野ロマン街道」です。道路は狭くなりますが、
今でも残る、懐かしい日本の原風景を思い浮かべられる久木野地区の田舎の道です。

この付近の道路は昭和30年代に開通したと聞いています。
 数年後にはこの道路も拡張される予定です。「この道だけはそのままにしてちょうだい!」とは私のエゴですね。

「春の水仙街道」 「秋の彼岸花街道」
久木野村を縦断する県道28号線は、各地区のみんなで管理します。水仙や彼岸花は老人会で植えたました。
 県道はそのまま白水村両併地区へ。ここ付近も相変わらずのどかな里山が広がります。両併小学校から200mほど先は緩やかな登り坂のカーブです。登り切ったところで唐突にしてT字型で細い村道に突き当たります。県道は右に曲がりますが、湧水トンネル入り口まで、何と狭い県道でしょうか。途中軽自動車でも離合できない箇所もあります。

 手前のT字交差点からそのまま湧水トンネル付近まで直進する拡張工事が行われていましたが、古墳が発見されましたので工事は中断されたままです。

 高森町の蘇陽方面への旧国道325号線と交わって28号線は終点になります。

事我が家の「りんどう花房」に到着!
県道28号線は、熊本市の健軍から我が家のアトリエまで結ばれていました。
「俵山バイパス」の開通で、距離は40km弱。時間にして40〜45分です。
「第二空港線のバイパス」を利用しても、距離時間とも、ほとんど変わりませんでした。

身近な道路をもう一度見直しましょう。そこには人の営みと、豊かな自然とのふれ合いが感じとれます。そんな人に優しい道路のドライブを楽しみませんか。


秋らしくなった早朝、私達がいつも利用する県道28号線を久石地区の皆さん総出で清掃をしました。
全くの奉仕作業です。A班が草刈機で刈った後をB班が掃いて行きます。