≪F1界の構造(その6)≫

今年も残すところ、あとわずか4日となりましたが、皆さん、いかがお過ごしでしょ
うか?かくいう私は、仕事柄お正月は全くお休みなしなんですが、それでも明日は
今年最後の休日ということで、また性懲りもなく長文を書きにやって参りました(爆)。
今週は、このシリーズのバックナンバー公開やBakuさんの講座スタートなど、色々
な新しい動きがありましたが、基本的に気の向くままに書く私のスタイルに変わりは
ありません。「F1界の構造」は今年の最終回となりますが、これまでお付き合い頂
いた方には、来年もご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

さて、これまでの話はF1チームを予算と人員数で分類した上で、それぞれのチーム
の成り立ちや特徴について書いてきましたが、今回はチームの国籍・所在地に焦点を
当てて、改めて各チームの特徴を見直してみたいと思います。題して「チーム国籍編」、
と意気込んではみたものの、実は私自身、チーム国籍ってちゃんと分かって無かった
りします(笑)。なので、FIAに登録されている本当のチーム国籍については、こ
れまでにレスを頂いた豪華解説陣の皆さん(Qさん、Bakuさん、noiさん、のりおさ
ん、RA273さん、tenさんなどなど)にお教え頂くとして、私はその所在地について
知っている範囲で書いてみます。

☆イギリスチーム
マクラーレン、ウィリアムズ、ルノー、BAR、ジャガー、ジョーダン、アロウズ
(悲しいのでとりあえず入れておきます)が該当します。
何と全11チーム中7チーム。これを見ただけでも、F1は今でも基本的にイギリス
のものであることが分かって頂けると思います。イギリスには、F1インダストリー
と呼ばれるF1にしか使われないような特殊部品を製造する部品産業が存在し、これ
がF1チームをイギリスから離さない、あるいはイギリスに呼び寄せる大きな理由に
なっています。一方、エンジン製作拠点で言えば、マクラーレン(メルセデスという
よりイルモア)はイギリス、ウィリアムズ(BMW)はドイツ、ルノーはフランス、
BAR(ホンダ)は日本、ジャガー(フォード)はイギリスのはずですが、イルモア
とフォードはちょっと自信がない(涙)。

☆イタリアチーム
フェラーリ、ミナルディが該当します。実はごく最近まで、ミナルディはチームの
主要施設をイギリスに移しており、既にイギリスチームになっていると思っていまし
たが、最近読んだ雑誌で、まだ主要施設はイタリアにあることが判明しました。従っ
て、ここもイタリアチーム(笑)。但し、来期のエンジンはフォードコスワース
(たぶんイギリス(爆))です。フェラーリは、F1チームでは極めて少数派の
純・非イギリスチームなんですね。ちなみに、フェラーりはテストコースさえも所有
していますが、これももちろんイタリア・フィオラノにあります。

☆ドイツチーム
トヨタが該当します。皆さん、日本のチームと思われてるかも知れませんが、NHK
で放映された番組にも紹介された通り、シャシー、エンジンの開発も風洞実験も全て、
ドイツのケルンにある巨大なファクトリーで行われています。ここもフェラーリと同
じく、フランスのポールリカールにテストコースを所有(完全に買収したのかどうか
は不明)している超金持ちチームです。余談ですが、もしトヨタが勝った時には、
コンストラクターズ表彰でどこの国歌が流れるのかって話、ありましたよね。私は
真実を知りませんが、ドイツ国歌が流れたとしても、決して驚かないと思います。

☆スイスチーム
ザウバーが該当します。このシリーズでも書いたように、数少ない大陸側チーム同士
として、ここはフェラーリと密接な技術的連携を持っていますが、スイスに拠点を置
くとは本当に珍しいチームだと言えますね。ちなみに、ザウバーはフィオラノでテス
トしたりしてますので、弱小チームとしては本当に効率が良いですよね。確かに弱小
チームの一つのやり方だとは思うんですが、こういうチームがもっと増えると、F1
ってどうなっちゃうんでしょうね?台数だけは確実に増えるかも知れませんが・・・。

このように、チームの登録国籍はさておき、その実態は明らかにイギリス偏重であり、
大昔には隆盛を極めたドイツ勢(この辺り、これを読まれている”大先輩”に是非
解説頂きたい(笑))も、現在拠点を置いているのはトヨタのみという、ちょっと
面白いことになっています。

さて、今回も特に”落ち”がない話をダラダラと書きましたが、お楽しみ頂けたで
しょうか?
次回はいよいよ新年号、装いも新たに(大嘘)登場しますので、皆さんお楽しみに!

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