NSL増刊 年齢に振り回されない学校選び



− 私立中学編 −


はじめに


 この本は、私立中学受験を考えている、次のような人のために作
られました。

(1)前年度以前に小学校を卒業した人(過年度卒業生)
 (1−a)既に中学校に(形だけでも)在学し、あるいは卒業し、
   高校等に入ったものの、来春私立中学に1年生として入学し
   たい人。
 (1−b)必ずしも入学する意思はないが、過年度卒業生ながら
   も私立中学に合格することで自信や達成感、同じ試験に合格
   した下級生との同胞意識を得たい人。
(2)受験時に小学5年以下(年度末に12才未満)の人
  入学は出来ないものの、上級生と同じ試験を受けて合格するこ
  とで自信や達成感、同じ試験に合格した上級生との同胞意識を
  得たい人。
(3)男子中を受験したい女子
  入学は出来ないものの、男子中の試験を受けて合格することで
  男子としての自信や、同じ試験に合格した男子との同胞意識を
  得たい人。
(4)女子中を受験したい男子
  入学は出来ないものの、女子中の試験を受けて合格することで
  女子としての自信や、同じ試験に合格した女子との同胞意識を
  得たい人。

 第一部では(1−a)、すなわち真に入学を望む場合について解
説します。第二部では(1−b)以降、いわゆる「記念受験」の場
合について解説します。

 中学校は義務教育で、小学校卒業後は何もしなければ居住区域に
従って公立中学に入学することになります。入学後は、法律上では
成績や出席日数が足りないと進級出来ないのですが、実際には成績
・出席日数、さらには本人の意思にも関わらず進級させ、卒業させ
ているのが現状です。その結果、中学卒に見合う学力が得られない
まま卒業することになります。長期欠席であれば十分な実体験もな
いまま「中卒」資格の責任を負うことになります。そのような生徒
が集まる「底辺校」と呼ばれる高校では、小学校レベルの授業をし
て、それで高校卒業資格を与えています。
 「このままではいけない」と思った場合、どういう方法があるで
しょうか?塾やフリースクール、夜間中学などもありますが、いろ
んな点で十分とは言えません。
 また、公立中学に通学・卒業し、それなりの成績を取っているけ
れど、それでは満足できない、という人もいるでしょう。「もっと
高いレベルの勉強がしたい」「意気投合出来る友達が欲しい」「女
の子らしい学校生活がしたい」等。もちろん塾・予備校や習い事で
実現することもできますが、学校生活の占める時間に比べたら小さ
なものです。また転校・編入という方法もありますが、公立では住
所を変えなければなりませんし、私立の編入は数が少なく実現は困
難です。
 そんな場合、私立中学に入学する、という方法もあります。先に
上げた問題点は全て解決します。
 ただし、過年度卒業生の入学を認めていない私立中学も多く、受
験校を選ぶのに大きな制約があります。その他にも多くの問題点が
ありますが、それらについてはこの本で解説していきます。

 また、入学自体は諦めるものの、ひとつの目標として中学受験を
目指して努力する、という方法もあります。この場合は選択肢が広
がります。通学不可能な中学、男子中・女子中、年齢による入学制
限など、あまり気にする必要はありません。もちろんその中学の三
年間の学校生活を送れないのは残念ですが、年齢や性別に関わらず
同じ試験に合格した同期としての意識を共有することが出来るでし
ょう。

 この本では、このような方法を選ぶに当たっての、具体的方法や
注意点について述べます。各中学の校風や入学試験の難易度、学費
などについては、小学6年生が受験する場合と同様に、各校の入学
案内や出版社が発行する総合的な学校案内、受験雑誌を参考にして
ください。


          FT情報部社会局教育システム系学校教育班



第一部 過年度卒業生編[31kB]
第二部 記念受験編[20kB]



次のふたつの一覧は平成9年度入試におけるデータです。
参考のために掲載しますが、 現状については最新の各校入試要項等で確認してください。

資料I  過年度卒業生可否一覧(平成9年度)[11kB]
資料II 調査書等不要一覧(平成9年度)[ 3kB]



発行日:平成8年12月29日(INET公開H10/6/30,追補H17/1/2)
 編集:FT情報部社会局教育システム系
 発行:売売新聞社

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