投票審査時、自分以外の評価者中、13人中8人が挙げた欠点が「レックウザあっさり捕まりすぎ!」だったんですが、本人、これを提出用に書き上げた時点では、そんな大穴があいてるとは夢にも思ってませんでした(爆)
(実はこの話、「ちょっとLV上げに行った(だけのはずの)空の柱でひでー目にあった」という体験をふくらましたもので(^^;) ……だからたぶん、レックウザあっさりすぎ、というのは、実際のプレイの時に、レックウザよりも「崩れる床」のほうがよっぽど無茶苦茶凶悪に手強い敵だった、という深層心理が影響しているのではないかと思われます(笑)
ちなみにその日(2005.3.17)の分の実際のプレイ日記はこちら。……改めて見返すと、小説が、細かいところを妙に忠実に再現しているのが笑えます(^^;))
しかし言われてみれば、ものすご〜くごもっともな話で(^^;)
・一か八かの作戦で大ダメージを喰わせてから捕獲とか
・タイマーボールで相手を捕らえるための決死の時間稼ぎの描写を入れるなど
・もうひとつふたつ仕掛けを作るか、徹底的にタイマーボールを「凄い!」と思わせる工夫をする
↑等のヒントもいただいたことだし、どんな物語でも、主人公が苦労したほうが面白いというもの。
評価をいただいた時点では、掲載されるかどうかはまだ不明でしたが、せっかくいただいた助言を無駄にしないためにも、「可愛い主人公には工夫&苦労をさせよ」と、緊迫感+冷汗のてんこ盛りめざし、推敲を開始。 その後、なんと無事に掲載決定の通知をいただき、全力で書き直しを開始しました(^^;)
まずは、前半のバトル。
・レックウザと主人公ポケモン勢とのバトルをほぼ丸々省略しているのは非常にもったいない
・レックウザの戦いぶりを描写するシーンがほとんどなかったことが残念
・主人公がよりはっきりと「生命の危機」を意識するような描写などがあるといい
等のご意見をいただいたので、あえて描写を省いてしまった(後半のドラマに絞りたかったのと、回想部分があまり多くなると、バランスが悪くなると思ったため)前半のバトル部分に、主人公のポケモンがボコボコにされ、主人公が恐怖のズンドコ、もといドンゾコに叩き落される描写を追加して、極悪非道に強くて怖くて容赦のないレックウザの凶悪っぷりを、これでもかこれでもかと演出。
推敲時にうっかり最初ライボルトを倒す技を「しんそく」にしちゃって、「これではジュカインの立場がない!」と、あわてて(本来ならこのLVでは使えないけど)「はかいこうせん」に変更したり、主人公の脱出手段(テレポート)を完璧に絶とうという意図もあり、サーナイトを思い切り瀕死にしてたり。 ま、そのへんに関しては「あなぬけのひも」含め、読者が忘れててくれればいいことですけどね(^^;)
そして、メインとなるべき後半のバトル。
タイマーボール使用のアイデアは生かしたかったので、そこから発想していったら、バトルの核になる、「時間稼ぎ+攻撃回避=目隠し+連携攻撃」アイデア自体はほとんどそのままポコン、と出てきました(^^;) 主人公と同じように、瞬時に&一気にひっからまって出てきたので、どっからどう思いついたのか思い出せないんですが、「力の差は大きい→とにかく攻撃を食らえば最後→攻撃を受けないようにするには?→目隠し」というルートではなかったかと。
ちなみにこのアイデア、「釣りキチ三平」で、巨大鯉を釣り上げるときに「鯉は目隠しされるとおとなしくなる」というのを聞いた主人公が、釣った鯉の背に飛び乗り、手ぬぐいで目隠しをして捕獲、というのが元ネタで(^^;) 「マトマで目潰し」はポケスペがネタだったり(^^;)
主人公が飛び乗って目隠し、とすることで、ポケモンたちへの攻撃をさせない、だけでなく、「主人公に苦労させる+主人公への攻撃もなるべく回避させる(爪が届かないかどうかは、実際問題、ギリギリですが(^^;))という一石三鳥な効果が上げられるし。
んで、後はこれをいかに手持ちのポケモン+トレーナーが普通に持ってそうなアイテムでなんとかするか(^^;)。
目隠しは上着にロープ(+マトマ)でなんとかさせるとして、出てくる子はすべて、愛着のある実際のパーティメンバーなので、ストーリー上の都合で変える気はさらさらないし(^^;) 結局、初稿に登場してなかった6匹目のビブラーバ(実際のプレイ時はすでにフライゴンに進化してましたが)に「いやなおと」&「あなをほる」を使わせることで解決しました。
さらに、意地でもこんどは「あっけなさすぎ」と言われぬよう、タイマーキター!→と思ったらボール落っことした!本人も吹っ飛ばされて大ダメージ!目隠しもはずれてもうダメか!→と思ったらマトマの仕掛けが効いてた!やりぃ!→と思ったらハイパーボールに入んねーっ!!→と思ったら……ってな感じで、どんでん返しを再三仕掛けるネタを、思いつくままガンガン追加!!
ちなみに「対象の行動パターンを多く記録するほど捕獲率が上がっていく」というタイマーボールの設定は、本編最後の謝辞のとおり「かけるのページ!」を参考にさせていただきました。
なお、「30ターンで捕獲期待値が最高に達する」というのも「マスターボール以外のいかなるボールをも凌ぐ性能」というのも、調べた範囲では(紅碧時点のゲーム内で)本当です(笑) ただし、最高アップ時でモンスターボールの4倍=ハイパーボールの倍、程度だそうですが(笑)。 解析サイトをあちこち回っているうちに見つけたデータをネタにさせていただきました。
んでもって最後に、オチ。(^^;)
実はコレ、提出直前になって、ギャグ系作品が少ない、というのを聞いて、迷ったあげく、書こうかどうか迷っていたギャグな落ちとその伏線を急遽書き足したものだったり。 概ね好評ではあったんですが……
・手紙の内容を全部とは言わないまでも、「ちょwwwwww お前どさくさにまぎれて何書いちゃってるんだよwww」くらいのものが伝わる程度に公開してみてはどうか。
・ミオが手紙に書かれてあるクサいセリフの数々を大笑いしながら読み上げていくが、最後に「俺実は君のことが……」とか書かれているのを読んで真っ赤になるとか希望(笑)
というような「オチ補強希望」が;;;
しかしこればっかりは絶対ムリ!(^^;) 想像できんし、きっと、みなさんが脳内で補完していただいた中身のほうが絶対コッぱずかしい代物になると思ったので、そのままの形とし、とりあえず中身(&その後)は各人のご想像におまかせしました;;;
投票審査時や、その後の校正期間中には、他にもいろいろご意見をいただきましたが、対処したものあり、できなかったものあり。
・冒頭の緊迫したシーンが最初ののんびりした雰囲気や爽快な描写を殺しているように思えた。いっそ作中の時間経過と同じ順番で物語ってもいいような気がする。
書き出しや構成は気に入っているし、方針が「緊迫感てんこ盛り」に固まったので、基本的に緊張感そのままで行きました。
・ポケモン周辺の描写が足りない
上の2つのバトルで描写が増えたので、結果的にOK。
・ミオ(少女)との接点をもう少し詳しく書いてほしい
本編では、彼女とのやりとりを思い出したことがヒントになってレックウザ攻略がひらめく、という形になりました。 でも、バトルより彼女とのかかわりを書き足すほうに結構時間がかかったりして。
・ひとつの文章が長すぎる箇所や、読点の数が過剰な箇所が目立ち、あまりこなれていない様に思える
・文章が長すぎる、セリフが説明的
頁数制限との兼ね合いもありましたが、なるべく行開けは詰め、文章は小まめに切り、説明調の台詞は変更しました。
・(タイトルの)空の柱「の上で」はただでさえ上空にあるところなのに少々くどいように感じられた。
いろいろ考えましたが、結局のところ、最初の案に落ち着きました。
関係ないですが、本人が一番気に入ってる案は「vsレックウザ! そらのはしらのたいけつ!」(無印アニメタイトル風)だったり(笑)
・ジュナがかっこよかったです!
……という意見を審査時にいただいていたんですが、コレはちと困惑しました(^^;) 初稿は、ジュナの「かっこよさ」を十分に発揮できた描写とは言いがたかったからです。ていうかほとんど描写ないしー。(−−;)
なもんで、校正稿ではガンガン活躍させまくりました。おかげさまで、健気な活躍がかなり好評を得たようです。(^^)
実はさらに、最後、レックウザから逃れるところで「シッポ切り」をやらかそうかという案もあったり。 ……ジュカインのシッポって、なんとなく取れそうに見えませんか?(^^;) しかし、いくらなんでもやりすぎかとも思い、結果的には今の形となりました。
・タイマーボールを隠し持ってることはギリギリまで隠したほうが面白い
最後まで、とはいきませんでしたが、実際使用しようとする寸前までは隠しました。
お気づきかと思いますが、初稿で出ていた人名、および外見描写が、最終稿にはまったく出てきていません。
実はそもそも応募直前まで、主人公の少年と少女の固有名は出ていませんでした。伝説の勇者が世界を救う、みたいな「特別な誰か」の話じゃなく、あの世界のトレーナーなら、誰でも遭遇する可能性のある……誰にでもありうる物語、(現実世界で例えるなら「山に行ったらクマにバッタリ!さあどうする?!」みたいな)というのを書きたかった、という理由からです。(いやまあ、他にも理由はありますが……(^^;))
ただ、(ミオはもう、待ち合わせた場所に着いてるだろうか)という部分だけ、どうも名前を入れないとすわりが悪いかなぁ、と気になったので、悩んだあげく投稿直前に固有名を入れることにし、あわせて主人公の名前も入れた、と。 しかし、そこも代名詞でもいいのでは、というご意見をいただいたもので、嬉々として戻しました(笑)
そして、「赤い上着に帽子、くしゃくしゃの黒髪……」という初稿での主人公の外見描写についても、以下のような意見が。
・彼の服装・容姿は初代赤緑の主人公? 世界はルビサファなので若干違和感が。むしろ服装や髪の色の描写はなくても問題なさそう
・あえて容姿は語らないほうが読者が好きに妄想できるという利点も
なもので、名前と同様の理由から、容姿の描写も削り、読者のご想像に任せることとしました。
結果、少年の方はかなりプレーンになって良かったと思いますが、女の子がちょっと;;; かなりキャラクターに癖があるのに、ストーリーに絡んでくるため性格は直せないので、髪の色だけ削っても意味がなかったかもしれません(^^;)
もひとつ裏話。
実は少年の服装の元ネタは、「紅碧主人公♀の服を男の子用に仕立て直し(^^;)」というのが真相です(笑) そもそも、少女の方の「紅碧主人公♂の格好(含む銀髪)の女の子」のイメージの方が、ウチの主人公としては先に確立しちゃってたので、男の子主人公の服装は、当然余りの「紅碧主人公♀」用に……(笑)
ただ、途中でだんだんイメージが変動してまして、時々ポケモンレンジャー(キャプチャしてミッションするアレにあらず(^^;)紅碧のゲーム内トレーナーの方)の風になったり、金銀主人公風になったり。
ちなみに下は、「空の柱の上で」コミック版をお描きいただいたときに、岡崎和連さんにお送りした設定資料です。
上着と靴だけ「紅碧主人公♀」用のおもかげが残ってます(笑) 長い丈のズボンだとレンジャー風になるんですが、この半ズボンだと金銀主人公風っぽいシルエットですな。あと、この上着だとレックウザの目隠しには小さそうだ(笑)
以上、投票審査時のいろいろな批評、および校正中のご意見を参考に、こてこてとバトルシーン他を書き足した結果、初稿13pがなんと第4稿では最大24pにまで膨張。まあ、バトル書き足しにより、増えることは想定内だし、出来上がった後でまとめて削る予定だったとはいえ、いくらなんでも増えすぎなので、推敲しながらこまごまあちこちを削り、第5稿、19pまでダイエット(^^;) さらに、岡崎和連氏に試しに17pまで削っていただいたバージョンを参考に、ギリギリのところまで削りまくり、やっとこすっとこ17pまで落とし、(ページ組みの関係で、奇数ページに減らさなければ意味がないのです)その後も期間ギリギリまで推敲を続けて「COMPASS」掲載稿は完成しました。
そしてその後もちまちまと推敲を続けたもの(+横書きネット公開にあわせた行空けを追加)が、今回アップされたバージョンですが、今後も、不出来な点が見つかるかぎり訂正は続けるつもりです。
2006.6.30 MAP2作品投稿締め切り
7.1 スタッフ・作者・スポンサーによる投票審査開始
(この間、要請した作者には「自分の作品に対する評価」が通知された)
7.15 投票審査締め切り
7.16 最終選考会議 (後日、最終選考のチャットログ、及びそれをまとめた会議録が公開された)
7.17 合否通知・校正作業期間開始(〜9.30が10.9まで延長)
校正作業は、作品をアップし、それを読んだスタッフや他の作者の方の指摘等をフィードバックし、完成原稿を目指す、という形式で、校正専用掲示板上にて行われた。
(「投票審査の結果のうち、掲載決定作品の結果のみ掲載決定者全員に公開するすることを検討中」とのことだったが、結局コレは行われず。見たかったかも〜(^^;))
7.21 校正第1稿(前半の8pのみ)アップ。 前半のバトルを追加。
7.24 校正第2稿。 レックウザの技を変更、第1稿に対する指摘部分を書き直す。中間部分は再構成中のためバラバラなので、アップしたp数は変わらず。
8.7 ラストバトル部分はおおむね固まる。修飾語が大分過剰でp数も増えまくるが、最終段階で削るつもりでがさがさ書き足す。タイトルに悩む。
8.15 進行状況把握の要求があり、第3稿をアップ。ただし、中間部分が再構成中でバラバラのため、形になったところまで。ジュカインの命令拒否部分の後まで(完成稿で7p)で12pに達する。
9.6 第4稿。一応ストーリーは出来上がるも、目標の19p以下をはるかにオーバー、24pに達する。バトル部分をあまりにもコテコテ伸ばしすぎたか?と、ストーリーラインに大きな不安を抱えながら、地獄のダイエット開始!(笑)
9.9 第5稿。こまごまあちこちを削り、なんとか自前で19pまで落とすのに成功。
9.19 岡崎和連氏に試しに17pまで削っていただいたバージョンを参考に、ギリギリのところまで削りまくり、キャラの外見描写、固有名詞等を削除他、いろいろといただいた提言を参考に推敲、第6稿アップ。ほぼ完成稿に近くなる。依然、タイトルで悩む。
9.29 いろいろ悩んだあげく、タイトルはそのまま。あちこち推敲し、最終稿ということで第7稿アップ。
10.7以降 サイト掲載用あらすじと作者コメントをアップ。
作者としての仕事はここまででほぼ終了。その後のスタッフの皆様の尽力により、「COMPASS」は無事完成いたしました。
☆
以上で裏話は終了ですが、ごらんのとおり、今回の作品は、多くの皆様のご助力のたまものです。 あらためて、御礼申し上げます。