Vol.22 1998年09月13日Sunday
ほぼ2カ月ぶりにメールを開けてみると、たくさんの、そして多種多様な文面を確認することができました。特に目だったのが『ドラえもん最終回』ですね。この『Dis-Com』でも2本掲載してみましたが、どれも高レベルかつ、感情移入する程の出来映えに驚きました。私も単行本を28巻まで買い揃えた経験があります(あまり関係ないですが)。中国発のメールでは、江南の水害の様子を伝えてくれました。ホームページで被害状況を確認してみると、尋常でない数字が深刻さを物語っておりました。北朝鮮建国50周年の企画としてのミサイル発射試験が日本列島をターゲットにされた恐ろしいニュースは英国でも報じられておりました。
そんな日本の状況をほとんど知らなかった私の独り言ですが、ようやく1カ月における"Basement Flat(=地下室)"の生活に終止符を打ちました。大家に引き渡す9月1日(火)までに大掃除し、私が借りる以前の状態よりはるかに磨きをかけておきました(笑)。さすがに大家さんのKenも感激(?)し、NSCまでの荷物運搬を引き受けてくれました。タクシー代£5.50(=\1,375)が浮いたっ!!
朝10:30に懐かしのNSCに戻り、Chapel Flat No.1に入りました。わぁー、壁の塗装が奇麗になってる!! ベッドのマットレスが新品になっている(しかもやや堅め)!! 壁のヒビがセメントで埋められている!! ドアに部屋番号がついた…等です。Manor Houseに預けてあった私のダンボール箱いっぱいの荷物を取りだし、以前の部屋の装いに戻りました。カップラーメンで昼食を済ませた後、スタッフの一人が布団を運び込んできて、そのついでなのか私に全6室のカーテン取り付け作業を依頼してきました。新ボランティアが着く前の下準備を私が請け負うことに…一足早い仕事復帰でした(トホホ・・・)。
夜、シャワーを浴びようとしたら、昨年まで1シャワー1風呂だったのが、その風呂にシャワーが新設されていました。おおっ!今年の受け入れ体制は昨年より素晴らいではないか!! 旧ボランティア全員にこの事実をメールで報告しなければ!!
翌日、スタッフの軽トラックで街まで便乗し、郵便局でポスターを送付しました。日本でお馴染の『第三郵便』に値する『Printed Paper』で郵送、半額以下の£4.95(=\1,238)で済みました。マックのハンバーガ(£1.38=\345)2ヶでお昼を済ませ、散髪屋へ。実は今回が初めての散髪屋利用でして、どのように切られるのかドキドキしていたら、短髪希望いうこともあって、20分で全て終了。時間の70%がバリカンで占められていたかなぁ。洗髪なしでした。今まで友人に散髪してもらっていたので、£6.00がとても痛く感じられました(笑)。ちなみに近くの散髪屋では£3.50(=\875)で請け負ってくれますが、評判はいまいちのようです(スタッフ曰く)。
3日(木)の早朝、前日に予約しておいたStar Line(タクシー)でCoach Stationに下り、Londonに行ってきました。25kgのダンボールと共にです。Piccadillyのロンドン三越にクロネコカウンターがあり、他社より比較的格安に船便で郵送ができるのです。ダンボールの運搬、LondonのVictoria Corch Stationまでは楽だったのですが、そこからバス停まで10分ほど歩かなければならなく、その区間が私の両腕をしびれさせました。おかげで、クロネコカウンターで書類作成の際の腕の震えに泣かされました(笑)。とにかく£51.50(=\12,875)を支払って終了。
その後、Piccadillyの『Royal Academy of Arts』で先月から『Chagall[シャガール展]』が催されていましたので、行ってきました(£4.00(学割=\1000))。彼の作品の半分がモスクワの美術館出品で、残りはパリ、ニューヨークが占めていたかな。彼の独特かつ不思議な作風が私の『好み』。…今年2月のベルギーでのボッシュやルーベンス系の作風が好きな私に改めて実感する今回の渡英でもあります…。
そこから日本大使館、Green Park、Backingham宮殿を通り抜けてVictoria駅へ。…東京新宿や上野、池袋といった大都市の駅で格安の食料を調達するのって結構苦労しますよね。車内でつまむ食料を私はいつもコンビニで購入し、少しでも出費を抑えていました…。それは英国でも同じこと。Victoria周辺はやはり新宿や上野のような環境であり、しかも日本のようにコンビニが到る所にあるわけでもありません。この大きな『課題』を抱え込んで約10カ月(多分)、やっと見つけました。駅から徒歩5分ほどにあった大型スーパー『J Sainsbury's[センズベリー]』がビジネス街にありました。このスーパーはTESCOのライバル会社(?)で、やはり格安な食料を提供してくれる消費者の味方なのです。気持ち、日本食に長けているでしょうか。即席麺や米も売られています。今回Cheltenhamに到着する時間帯は他のスーパーが閉店している時なので、ついでに食材も購入、やや重い荷物となりましたが一安心。
タクシーでNSCに戻ったのが22:00。センズベリーで購入した食材を調理していたら、突然キッチンのドアがぎぃ〜っと開きました。えっ!? と振り返ると「Hiro?」と訪ねられました。どうやら、一足先に新しいボランティアが到着していたようで、スタッフに私のことを聞いていたようです。3人のエクアドル男性の登場!! というわけで、お世話になります。
翌日の4日(金)から本格的にスタッフのトレーニングが始まり、私も参加させられるハメに。「Hiro、なぜあなたがまだNSCにいるの?」とたくさんのスタッフが私の残留に驚いていました(笑)。少しの間ですがよろしくお願いします。
私のトレーニング参加中に続々と新しいボランティアが到着してきました。今回はデンマーク4人、ドイツ4人、カナダ1人、エクアドル3人、イタリア2人、日本人5人、チェコ2人(来月1人追加)、トルコ1人、コルシカ1人と、昨年より国際色豊かとなりました。ちなみにブルガリア人はドタキャンのようです(笑)。21:07日(月)からボランティア研修が始まりました(私はほとんど待機のみでしたが)。『Work Shop(身体障害者に対するケアー方法、言語障害を引き起こす原因、インターネット事情等)』を大学の講義のように各々選択し、2日間を費やしてトレーニングを重ね、続いて身障者の実践的なケアー方法、ジムでのリハビリ、筋力増強等を学びました。…今年の『組織化』されたNSCに驚くのは私とスタッフでした(笑)。昨年はこんなに本格的なプログラムなんぞ存在しなかったしなぁ(笑)。
13日(日)に私の初仕事。トルコ人の彼の教育を任された私、私自身も新入生がどのようなハンディキャップを持っているのか理解するのに苦労しています。一例を挙げてみると、何度連れていってもトイレの場所を覚えない生徒。「物覚えの悪い」と決めつけるのか、「脳の記憶システムの損傷」とするのか、といった具合です。特に後者の場合はスタッフが下手に苛々するとかえって生徒を萎縮させてしまうので、時間をかけて、ゆっくりリハビリさせなければならないのです。私も昨年の今頃は生徒に対して苛つきを覚えたことがあります。その経験をトルコ人に教えて…はいますが、やはり理解には苦しむようです。
こんな感じで新たな環境となったNSCで生活する私。そんな私もそろそろ英国を去る時が訪れました。昨年にVISA問題を抱えた私、どういう事情か3カ月のボーナス付VISAを所持することとなったのですが、そのボーナスも残りわずかとなりました。今となっては過去の思い出が走馬灯のように思い出され、毎晩枕を濡らしています(寝汗かな?)。とにかくあと4週間、頑張りますかっ!!