F英国福祉日記


Vol.14 1998年03月22日Sunday
 アロハ、おぇ〜。最近、英国は生意気にも春になりました。「寒い寒い寒い…さ・む・いっ!」と騒いでいたのに、3月18日(水)に陽気の到来で一変。私の鼻の、ラジエーター水がタラタラ流れ出ていた『トラブル』も、この日でピタリと止まりました。激辛ラーメン食べた後の『鼻通り』のようです(笑)。

 K.A.同窓会楽しかったようですね?皆さん各方面にて活躍されているようで。友人の一人はキューバ日本大使館行きですか?ご健勝をお祈りします。Y.T.テープ同様にFD届きました。今回は無事に開けることができました。本当、世の中にはいろいろな規格が存在するのですね。『Soft Windows for Mac』というのも所有しているようで。互換性があるのかは分かりませんが、実験するよい機会かも知れませんね。N.O.K市の採用者名簿に登録され、おめでとうございます。念願の職に就けるまでの過程では色々な苦労がありましたが、その困難を乗り越えて勝ち取った「勝利」は心から祝福してあげたいです(私が同じ状況下に置かれていたら、きっと逃げ出していたでしょう)。T.N.『T.D.L.』へのJustドライブin midnight はどうでしたか?私も若い頃(今も十分に若いけれど)はキミと数度行きましたよね。でも一度も入園したことがないからあら不思議(笑)。まぁ、要するに『心』だよね?(何の?)。K.S.公私ともに多忙のようですね。T.K.ストレスが発散できないでいるとか。異国での仕事だけにちょっと気がかりです。こんなときに皆でワーッと飲みに行けたらなぁ…(すぐ飲みの話になる私)。H.Y.何かと多忙な3月、体調を壊さないでね。H.H.テニスに精を出しているようですね。N.Y.と始めたようですが、テニス歴はどのくらいなのでしょうか?ちなみに私は一度もしたことがありません(笑)。

 3月3日(火)のひな祭りで桜餅を召し上がりましたか?きちんと葉っぱまで食べてくださいね(笑)。女性ら諸君は、現在もひな壇を展開しているのでしょうか?私事ですが、自宅には曾[かつ]て、鯉のぼりと兜人形がありまして、毎年の端午の節句にお目にかかれました。さすがに中学に上がる頃に、親も面倒くさいためなのか、まったく見かけなくなりました(笑)。ちなみに鯉のぼりは知人に譲ったそうです。もったいない…。私は『飾り物』が好きで、クリスマスツリーは毎年欠かさずセットしています。ただ、装飾品を20年以上昔から使っているので、そろそろバージョンアップを図らねばなりません(笑)。ところで『潮汁[うしおしる]』とは何なのでしょうか?私の記憶にないのが悲しいところです。

 先日、NSCの授業に私が借り出されました。『諸外国の事情』というような内容の授業で、私が英語で日本を紹介する『ゼミ形式』で展開されました。事前に下調べ(というより単語調べ)しておいた資料をフル活用いたしました。生徒の目下の注目先は『食文化』で、箸の存在(どのくらいの頻度で使われているか等)、生の魚が主流か?といった典型的な内容でした。まぁ、私のインチキ講義で生徒が少しは日本に興味を抱いてくれたでしょうか(笑)。

 8日(日)…英国の日曜というのが実に退屈させられる日であります。お店は全て閉まってしまうし、大方の公共交通手段も運休となってしまうので、ただ部屋にこもってテレビをみているだけの生活を強いられてしまうからです。でも今回の日曜日は幸運にも仕事メンバーと共にイベント事に参加できました。Cheltenhamには有名な障害物競馬場があり、その敷地内で毎週日曜日8:00〜14:00にSunday Marketが催されているのです(『地球のハマり方』にも載っていない原住民のみゾ知る情報)。今回は生徒とスタッフとで行ってきました。私はちょうどセッケンを切らしてしまったので、それをゲット!!(それだけなのが実に私らしい(笑))。ここには生活洋品、衣類、靴、食品、カーペット、怪しい電化製品等の店が軒を連ねていました(中国のバザーの、少しヒンが入った程度)。

 昼に一度施設に戻り、夕刻に恒例となった『Glos.Cinema』に同行、『Kiss The Girls』というサスペンス刑事モノを見てきました。Morgan Freeman主演の3月6日封切りの116分作品です。女性を対象にした奇怪な誘拐事件が相次ぐ中、凄腕の刑事の調査をもとに事件を解決していくストーリーなのですが、一箇所にも笑いのネタがなく、とても重い展開でした。映像で『緊張感』を表現している典型的な作品で、私的に楽しむことができました。ただ、もう一回見ようという気分にはなれませんでしたが(笑)。

 そして懲りずに月曜日が始まりました。私はこの日もoffで、『Glos.CAT[グロスカット]』と親しまれている学園街に行ってきました。そこにはCheltenhamの誇る(?)大学やカレッジが集まっており、様々な国籍の学生(日本人含む…と思います)が在籍しております(NSCの生徒もそこに通っている方がいます)。今回は、ちょっと情けないですが、昼食を取るのが目的でした。ピザにブロッコリーをつけて£1.46(=\292)とは安い!さすが学食!!思わず日本の大学を連想してしまいました。英国における外食は、日本や諸外国と比較にならないほど高価で、だからといって味も比例するかと言えばそうでもない‥実に厄介です(笑)。そのような中で、今回利用しだ学食は味も価格も比例してしました(笑)。食事のついでにキャンパス散策もしてきました。そこはまったく日本の大学のようでした。喫茶店あり、旅行会社あり、ディスコあり…日本の大学は諸外国の大学のキャンパスを真似たのかも知れませんね(根拠はありませんが『キャンパス』と呼ぶぐらいだからね)。

 先日3月12日は全国的(多分)に木曜日で、久しぶりのLondonに行ってきました。お昼過ぎに到着し、Tate[テイト]ギャラリーに行きました。今回が私にとって初めての訪問でした。が、まったく絵画や彫刻に目もくれず、ダイレクトにショプへGo! 私の友人の友人が欲しがっていた特大ポスターをゲット!! ものの10分で切り上げたのでした(笑)。

 Londonに訪れた時の恒例イベントがオリエンタル・シティ(旧ヤオハン)歴訪(!?)です。そして久々の情報収集(別名立ち読み)…あれ!? 週刊誌がない!!?? どうやら日本からの週刊誌が途絶えているようでした。やっぱりヤオハンじゃなくなってしまったからねぇ。

 Londonでは、日本女子高生の修学旅行らしき4人組を見かけました。といっても別に声をかけたわけではありませんよ(笑)。彼女らがルーズソックスを履いていたから一目見て分かっただけなのです(笑)。ただ、噂の通り、色は従来の汚れかかった白ではなく紺でした。だからといって全員が同じソックスを履かなくてもいいのにねぇ。『日本の制服は靴下まで統一しているのか』と外国人に思われちゃいますよ(笑)。

 再び中心に戻り、20:00開演のイッセー尾形の一人芝居を鑑賞してきました。彼は国から表彰(S59、文化庁芸術選奨文部大臣新人賞大衆芸術部門)された経験を持つ方で、'93年からは海外ツアーも始めております。英国は今回が2度目、そして今回がウェストエンド(オペラ座やシアターが集中している英国版ブロードウェイ)初デビューなのでした。本日は木曜日だというのに満席でした。イッセーさんが日本語でプレイし、英国人はヘッドホンから流れる同時通訳で堪能していました。彼のパントマイムはさすがのもので、常時拍手喝采。あっという間の2時間でした。

 3月27日(金)から始まるイースターホリデー、これを区切りとして去っていく同士も数人います。ドイツ人のMartinと日本人のM.O.もその一人。その送別会を兼ねて、パーティーが催されました。3月17日(火)20:00~23:00、会場は施設内の室内プール。…えっ?水着着用!?…ということで私は短パンとTシャツで参加しました。実はこの日も依然として風邪をコジらせていたので、ちょっと湯船(?)は避けたいなぁなんて思っていたからです。プールにカヌーや浮き袋等のグッズをいっぱい浮かばせて、脱衣所で「乾杯!!」。そのあと、一人、また一人と『会場』に飛び込んでいきました。先に飛び込んだメンバーは、後から来る『まだ着替えていない』組を次々とプールに放り込む『お約束事』を見事に実行、最後には私までもが餌食に(苦笑)。お陰様で今は元気になりました(何のこっちゃ!?)。こういうような『イベント』はドイツでは頻繁に催されているようです。プールでの『水着パーティー』をはじめ、仮装パーティー等もメジャーだそうです。もし仮に日本にてそのような企画をたてた時、どれほどの参加人数が募るのでしょうか?(試しに企画してみましょうか?)

 3月20日(金)はoffでした。今日は隣町のGlocester[グロスター]に行ってきました。そこは確かに隣町ではありますが、offの日に真面に訪れたのは今回が初めて。91バスで32分、£1.7(往復、\340)。この街は以前、川沿いの倉庫業として賑わいを見せておりましたが、今は当時の名残りを漂わせる博物館やドックが一般に開放され、各種ヨットの為のマリーナと化していました。ここから北の方角には大きなカセドラル(教会)があります。この教会は、過去に誰かしらの処刑の際の収益(!?)によって建てられたものだそうで。恐ろし〜!

 3月21日(土)14:00。洗濯を終え、情報処理室でE-mail処理したあと、スタッフのMarcusにつれられて会員制のPubへ。ここは年会費£5(=\1,000)で毎回格安のお酒が楽しめるといったもの。1パイント(約500ml)のビール英国平均£2(=\400)が£1.25(=\250)に。この日は2軒ハシゴしました。Pubのテレビでは障害物競馬の中継があり、『カミカゼ…』は二着でゴールイン。人気馬でした。

 その夜、久しぶりのRocn'n Roll Party in YMCAでした。offにも関わらず経費で参加できるっていいですね(役得[^_^])!! '50s Rock'n Rollのナンバーに合わせて、ロカビリー調の装いをした男女のツイストダンス…渋くてクール!! 今度は7月に参加予定の私なのでした。

 私の仕事は通常朝7時から始まります。その仕事前にシャワーを浴びて『さわやか安ちゃん』になりたいが為に、もう少し早い時間に起床となるのです。といって6:30にシャワーに行くと、たまに同僚の女性らが列をなしているのです。あらら…。そういうわけで私の起床時間は『先の先を考えて』の5:30。5:30!?私も「シルバー」の域に入ってしまったのだろうか?

 部屋はシェアなので、5:30の起床は非常に気マズイ!!(別にお互い気にしていませんが(笑))。部屋の照明を点けるわけにもいかないので、どこに私の「垢スリ」があるのか体で覚えていないと困ってしまうのでした(笑)。でも最近、この時間にも関わらず、窓からうっすら明かりが入るようになりました。もう3月です。陽も日に日に長くなってきています。話のついでに、手元に面白い資料がありますので載せておきます。

●'98年版 ロンドン隔週土曜の日出・日入データ●
※3月29日〜10月26日はサマータイム施行(+1h)
  日付   日出  日入   日付   日出  日入
1月3日(土) 08:06 16:04   7月4日(土) 04:50 21:20
1月17日(土) 07:58 16:24   7月18日(土) 05:04 21:19
2月7日(土) 07:30 17:01   8月1日(土) 05:24 20:49
2月21日(土) 07:03 17:26   8月15日(土) 05:46 20:24
3月7日(土) 06:33 17:51   9月5日(土) 06:19 19:39
3月21日(土) 06:02 18:15   9月19日(土) 06:41 19:07
4月4日(土) 06:30 19:39   10月3日(土) 07:04 18:24
4月18日(土) 05:59 20:02   10月17日(土) 07:28 18:04
5月2日(土) 05:21 20:25   11月7日(土) 07:04 16:24
5月16日(土) 05:08 20:47   11月21日(土) 07:28 16:04
6月6日(土) 04:46 21:13   12月5日(土) 07:49 15:53
6月20日(土) 04:43 21:21   12月26日(土) 08:05 15:57

 今回の『Dis-Com』は3月22日発信なので、英国での日の出は6時頃となります。1月は8時だったので、こんなに時間にズレが生じるなんてねぇ。こんなにズレが生じるから『サマータイム』が導入されているのだろうね。早速、3月29日(日)夜2時から施行されます。ということは、29日の深夜2時は自然と3時に繰り上がっちゃうから2時が存在しない…(何を言っているのか分からなくなっちゃいましたが)。そして、英国を初めとする西欧諸国は『イースター(キリスト復活祭)』期間に突入し、各種学校は3週間の休暇に入ります。もちろん私のところも。

 この期間もhalf term同様に、全ての郵便物、E-mailが手元に入らない事になりますが、どうかインターバルを置かないでくださいね。休暇終了後に受け取る手紙やE-mailの量が多ければ多いほど幸せを噛み締めることができるのですから(^。^)。…1通たりとも届いていなかったらどうしよう…。それでは、早めのゴールデンウィークの計画を立てましょうね。再見!!

トピックス

『副首相に不祥事疑惑』
−献金申告漏れと縁故びいき−
 プレスコット副首相が民間企業からの献金約£28,000(=\560万)を申告していなかった可能性が浮上し、国会議員規範委員会の査問を受けることになった。また、元公営住宅の開発をめぐり、副首相が息子の事業提携者に便宜を図った疑惑が浮かび上がった。プレスコット氏は、一連の不祥事報道を地元選挙区の政敵による中傷工作として、強い憤りを示した。
 95年と96年の二度に渡り、民間企業『ジョゼフ・ラウントリー・リフォーム・トラスト』から政治献金を受け取ったプレスコット氏は、95年には献金の事実を申告したが、96年に「匿名基金」に振り込まれた£27,750は申告しなかった。副首相は「申告義務を免れていると理解していた」と釈明していた。しかし、匿名基金に振り込まれる献金は、汚職を防ぐため贈り主の名が伏せられることになっている。
 一方、副首相の息子ジョナサンさんの事業提携者が副首相の選挙区ハンバーサイド県キングストン・アポン・ハルで、元公営住宅20軒を一軒当たり£5,000(=\100万)で買い取り、地元住民や当局の反発を招いていることが明らかになった。この取り引きは環境省の認可を得ており、環境・運輸・地方行政を管轄する副首相の関与が疑われている。
 副首相は、この取り引きには関知していないとして、この開発計画は地元選挙区の労働党の派閥抗争と関わりがあることから、この一件も含めて一連の不祥事騒動は地元選挙の政敵による中傷工作との見方を示した。
 プレスコット氏は10日付タイム紙で、昨夜自宅に何者かが侵入し、書類やゴミ箱が盗まれたことを明らかにした。

王室近代化に弾み』
−「殿下」は直属の王族だけに−
 王室改革の一環として、王室は今後、殿下[His Royal Highness]、妃殿下[Her Royal Highness]の称号を元首夫妻とその子供、更に皇位継承者の子供に限ることに同意した。HRHの現保持者18人のうち新しい定義に当てはまるのは8人だが、残り10人からHRHの称号を剥奪することに王室は反対している。
 王室改革は数年前のメジャー政権時代に着手され、女王が所得税を納めるようになったほか、王室費の受給対象者が大幅に削減された。エリザベス女王をはじめとする王室の主要メンバーは、王室のあり方を検討する会議を年二回行なっており、HRHの称号に関する改革も二週間前の会議で決められた。
 ブレア政権成立後は、王室近代化への政府の強い意向に加えて、ダイアナ妃死亡をめぐり王室に対する国民の不満が高まったこともあり、改革のペースが加速されている。
 ダイアナ妃死亡時に半旗を掲げなかったことへの批判を受けて、先週からバッキンガム宮殿では女王の不在時にも国旗が掲揚されることになった。また、女王へのお辞儀や会釈も、女王自身の意向を受けて廃止が検討されている。

『ロシア、ソロス氏に借金』
−年金支給の遣り繰りつかず−
 年金支払いの資金繰りに窮したロシア政府が昨年6月、国際的投資家ジョージ・ソロス氏から数億ドルのつなぎ融資を受けていたことがわかった。
 ソロス氏によると、ロシア政府は7月初めにユーロ債の代金$20億(約£12億1000万)を西側の銀行から受け取ることになっていたが、その一週間前に資金不足が限界に達した。ユーロ債の支払い繰り上げを頼んで問題を表沙汰にするのを避けるため、同氏に融資を依頼してきた。
 さらに、滞った公務員給料の支払いをエリツィン大統領が国民に約束した昨年12月にも、ロシア政府は融資を頼んできたが、ソロス氏はクセになると困ると断ったという。
 ロシア政府は昨年11月と12月、アジアの経済危機の余波をしのぐためと、未払いの給料を支払うために西側金融機関から$9億5000万を借りており、危機の度に融資で切り抜けるパターンが定着化しつつある。これらの融資の中には国際通貨基金(IMF)が把握していないものもあると見られており、ロシア政府には巨額の隠し債務があるのではないかとの懸念が西側投資家の間で広がっている。