F英国福祉日記


Merry Christmas in U.K.
−私の目の辺りにした数ヶ月間−
 半年前にさかのぼってみまして、私の渡英した7月…Londonの公園の木々が青々としていた頃です。西欧諸国の街では当たり前のように並ぶ「Greeting shop」いはく贈答カード専門店。中に入ると彩り鮮やかな各種カード…誕生日、結婚、そしてクリスマス…。「なぜ今頃、時期外れのカードがたくさん並べられているのだろう…」と疑問を抱いたのは私だけではないと思うな。

 そして月日流れて11月。私がhalf term後にLondonから戻ってきた頃、CheltenhamのHigh Street(レンガ敷きのショッピングストリート)にChristmasにまつわるモールが装飾され始めました。英国人の住む家庭の軒先や居間にはChristmas treeがきれいに輝き始めました。店頭に並ぶ商品もChristmasモードに突入し、流れるBGMはChristmas Song。「みんな気が早いなぁ。日本は『文化の日』が終わって『勤労感謝の日』待ちだぞ!」とまたまた素直になれない私が存在していました。

 11月の中旬からChristmasの名のついた催物が私にふりかかってきました。仕事中では、生徒の要求でChristmas colour(米英語color)のPubに出向き、サイダーで乾杯。週末は数人でChristmas shppingの引率。生徒等は親兄弟へのプレゼントを一生懸命探していました。Y.M.C.A.主催のRock'n Roll Partyにも引率がてら2時間程踊ってきました。心体共に満足できた一つでした。仕事offの時は、友達と部屋でpartyを開いたり…。

 12月5日の消灯前の私の住む「Chapel flat」の廊下には、全員の靴が置かれておりました。そして翌日の朝、その靴の中には、友達が事前に用意していたプレゼントが詰められていたのです。こうした「子供心」を大事にしている英国をはじめとする西欧諸国にとても感激してしまいました。ちなみに私は写真のフィルムを各自にあげました。日本で大量に購入していたのですが、英国では\700/本ほどするので重宝されました。

 仕事中にスタッフや生徒からたくさんのChristmas cardを頂きました。内容は…日本での年賀状に似ている内容で、悪い言い方をすれば「社交辞令」かな?みんな同じ内容でした。実は英国のスーパーなどで『50枚セット£3.00-(\690)』ほどで購入できる「量産可カード」(私曰く)なのでした。でも、「その中に私が含まれているんだ」といった喜びと感動を頂きました。

 施設で催されたいくつかの企画物。体育館に特設ステージを設営し、D.J.が音楽と照明を支配して5時間に及んだDisco Party。私も生徒や友達と共につきあいました。汗だくだくの5時間でした。そしてダイニングに生徒全員を介してのChristmas Dinner。ワインサービスやターキーを全員の前で火入れをするセレモニーなど、大々的なものでした。その後、スタッフ&ボランティアメンバーのそれが改めて行なわれました。7杯のワインは最高でした。

 私の足を運んでいる教会のpartyにも参加。各自で事前に購入したドリンクやフーズなどを拠り集め、ゲーム大会のあと、それらを食する、ほのぼのムードのpartyでした。そして一家族に招待された25日の本当のChristmas home party。おじいちゃん&おばあちゃんや親戚の方も集い、ターキーのDinnerを頂きました。この日の15時のITV(民放局)で、エリザベス二世のメッセージが10分間流れました。日本風に言えば、1月2日の天皇の新年挨拶のようなものです。今回のコメントはダイアナ妃訃報、ウィンザー城修繕、エディンバラ公挙式、マンデラ大統領訪英…等に関するものでした。

 英国におけるChristmasは絶対的なもので(?)、各種職業、交通、郵便などにも影響を与えてました。それらは24日の夕方から影響し出して、25日は全てがclosed。鉄道、バスといった公共機関も一部を除いてストップ。そして26日のBoxing Day(Boxとはプレゼントのこと。贈り物の日とでも訳しましょうか?)も25日同様でした。ちなみに通常は一時間ごとに走っているLondon−Cheltenhamのコーチ(中距離バス)もその日だけは一日計3本と大幅に削減されていました。

 このクリスマス期間によく口にしたのが「クリスマスプディング」というデザートです。黒い蒸しパンにレーズンがたくさん入っていて、カスタードをたくさんかけて頂くものなのですが、それがまたとっっっっっっても甘いのです。私がおじゃました家庭でもイヤイヤ食べてました。解かっているのなら、改良すればいいのに…不思議だなぁ。

 2日に渡るHolidayが終わった27日(土)のHigh Streetは大晦日の『アメヤ横町』のような人混み。この日は英国民が待ちに待ったsale's dayなのです。各種shopが競い合って値引き競争をする日で、多くは50%プライスと化するのです。私は『L』路線のバスで街に行きましたが、なんと、その交通費さえ値引き対象になっておりました。通常£1.25(往復、\287.5)が£0.9(往復、\207)に。Virgin MegaやHMVもCDを値引きしておりました…が、それでも日本のほうが安いから納得いかないのは私だけかな?(英国では1枚£13前後に値引きされていました)。

 今回、友達や知人と別れる際や店員らに、「Merry Christmas!」をお互いに言い交わしました。日本ではとてもじゃないが照れてしまうコメントですよね。それが英国では自然とスマートに言えるのです。老若男女問わず、サラリと言える西洋の文化が私にはとても素敵に映りました。本当に日本人って「too shy!」と痛感しました。まぁ、それがあって「日本人らしい」のかも知れませんね。

 街並はまだChristmasが続いている気配でした。StreetやChristmas Treeには已然デコレーションされておりました。とっても余韻の残る年末の英国でした。