F英国福祉日記


Vol.03 1997年08月24日Sunday
 わざわさ連絡していただき、ありがとうございます。私もこのディスクにざっくばらんに打ち込むことにより、明日への活力に充てております。それにしても、自分のE-Mailアドレスを所有している人が調べたとき以上に増えていてびっくりしました。まるで携帯電話が普及したときのような現象にさえ映ります。こうなったら私も日本のメーカーに問い合わせてモデム一式を取り寄せざるを得ない状況になるかも!?現状だとどうしても電話ジャック等の規格が異なるため接続不可なのでした。

 A.S.、ベトナム旅行どうでした?現地の人と恋に墜ちませんでしたか(by「ドク」)?ここの都市はホーチミンでしたっけ?民族衣装の総称、ど忘れしちゃった。袈裟じゃなくて白装束でもなくてチマチョゴリでもなくて…。情報求む。今、円安ですが、物価はどうでしたか?食事はどうでしたか?おトイレをリザーブする羽目になりませんでしたか?あぁ、アジアが恋しい…。ところで仕事は順調ですか?

 K.S.、Pet Shop BoysやU2のスコアがたくさんあったぞ。だけど楽譜読めたっけ?ほかにもTシャツ等のアイテムがそろってました。でもさすがにHollweenのは何もなかったな。そんなにメジャーじゃないもんね。

 Y.T.&K.I.、ジクジクスパトニックの新たなCDを発見。前回に引き続いてまたもや怪しいジャケットでした。こんなので売れるのかな?でも、去年、布袋寅泰とジョイントしたしね。また購入しますか?

 もう8月の終わりになり、慣れ親しんできたロンドンともそろそろお別れとなりました。この街で様々の方と知り合い、また、ずいぶんとお世話になってきました。おかげで私はいまだに元気です。この前、実家に電話しました。どうやら私宛に暑中見舞いが来ていたらしく、予想もしてない喜びでした。早速全員に返事を送ったつもりでしたが、無事に届いたかな?私の住所は前回告知した通りになりますので、ロンドンには送らないでください。今度からはチェルトナムです。

 そのチェルトナムまでのコーチ(日本でいう中長距離バス)チケットを遂に購入しました。しかも直接行くのではなく、寄り道しての言わば小旅行感覚です。8月29日の夜にロンドンを発って翌朝に次の街、エディンバラに到着します。そこはロンドンからずっと北上した、スコットランドの首都です。そこにM.H.がいるので、会いに行くがてらの小旅行です。この街は8月中、「エディンバラ祭り」という大々的なイベントがあり、世界中から人が集まってくるくらいです。とても楽しみです。きっと日本でもテレビで報道されていることでしょう。

 8月の中旬に、図書館にあったリーフレットを見て、衝動的な日帰り旅行をしてきました。ロンドンから国鉄で1時間半くらいかな?そこには江ノ電のような小さな私鉄が走っており、現役で蒸気機関車が往来しております(それが売りなんだけれど)。そして、今回は夏期限定でゲストが来ておりまして、私はそれに会うのが目的でした。日本でもテレビや本で取り上げられている大物スターの「トーマス君」と「ジェームス君」が力走しているのです。私も実際乗ってきました。さすがに日本人は私だけでしたが、それにしても、お子ちゃま連れの家族で車内はごった返していまして、私一人だけがウイていました。駅の階段はベビーカーで渋滞しており、私も何度かかつがされたりしました。ただ、ここにはたくさんの「トーマス君」がいて、どれが本物なのか識別できませんでした。だってみんなが私に微笑みかけているんだもん。疑ったら失礼だよね? 日本の情報がまったく耳に入らない今日この頃です。大韓航空が墜落したことはこっちの新聞の一面で取り上げられていたが、実は日本がなくなっていたりして?北○鮮(実名は伏せておきます)に占領されていませんか?そしたら私の帰る国がなくなっしまう!?

 ちょっと勉強疲れ(?)が溜まり、気分転換に何かしたい、だけどお金を使いたくないし、あまり動きたくもない…とホストファミリーに尋ねたら「映画」を勧められました。ということで、ようやく映画を見に行きました。Ealing BroadwayのVirgin Cinemaで上映中の「Men in Black」です。平日のお昼だったので、£3で見れました。会話を聞き取るのは困難でしたが、映像と客の反応でおおよそ流れをつかむことができました。けっこう笑いのあった近未来映画でした。まあまあ良かったですよ。日本に戻ったらもう一回見なきゃ。

 私にイギリス在住の添乗員さんの知り合いがいます。イギリス入りし、「食事しよう」と誘われて早一カ月、今、旅行会社は一番多忙の季節のため、一度お会いして以来、まったく会えませんでした。が、ようやく貴重な時間を割いて招待してくれました。前日までスイスへ添乗で行っていて、翌日はアムステルダムへ飛ぶそうです。10日の日程で「シーボルトの所縁の地巡り」だとか。本人はシーボルトを存じてませんでしたが(明治に「シーボルト事件」ってあったよね?)。そして、やっと食べました。純粋の日本食を!散らし寿司、鶏の唐揚、ほうれん草のお浸し、トマト、鯖の薫製、食後にメロン、そしてラガービールとココナッツ風味のリキュールです(旦那様がイタリア人なのでそこの地酒(?)を飲ませていただきました)。自宅にはケーブルテレビが入っていましたが、プレミアムチャンネル(有料放送)はさすがに高いのでイタリア放送しか契約してないそうです(日本のJSTVは一カ月一万円ほどだそうです)。

 今日も図書館のいつもの椅子で勉強。でもお腹が空いて「えっと、今日の献立は…、さすがにセーフウェイ(スーパーマーケットの名、日本でいうダイエー&イトーヨーカドー。ここの惣菜等をランチに当ててました)も飽きたな…」と言うことで、久しぶりにパブへ行きました。最初は「飲まないぞ」と心に決めてマカロニチーズ(ポテト、キャロット、ビーン付き£3.25、\650)しか注文しなかったのに、食事が終わって気がつくと悪いクセ(?)が始まっていました。片手に辞書を持ってカリカリしていたのです。しばらくして「もういーや、飲んじゃおっと」と1パイントのラガーを頼んで長期決戦となりました。これってイギリス病の症状の一つなのかな?

 22日の夜、M.H.と電話で会話しました。8月から身障の施設でボランティアしている方で、まだ仕事がほとんどなくて暇すぎるのことです。レジデンツの会話の中に入っても、みんな標準レベルの英会話をするのでついていけないとか。結局、一番心を許してくれたのが言語障害の方で、M.H.が話しかけるとしばらく間が空いてしまいますが、一応会話になるそうです。エディンバラの言葉は、かなりのスコティッシュ・アクセントのため聞き取れないと言ってました。専用の会話テープが欲しいとか。あと、中古のマウンテンバイクを£80で買ったのことです。「クルマの免許がないから右折の仕方が分からない」と嘆いてました。こっちでは自転車は車道を走らなければならないので、納得です。

 こっちに来てさりげなくチェックしているクルマ。本当、日本車多いですね。T.N.、やっとサバンナRX-7を見つけました。あなたの一つ前のタイプでした。かっこいいですね。K.W.、君のクルマはウジャウジャいるね。しかも車名が日本と違ってました。T.I.、けっこうイギリスではオープンカーが流行っているようで、ロードスターもよく見かけます。K.S.、フェリオはまだ見てませんが、ハッチバックのシビックはごろごろしてます。こっちのクルマにはバックフォグが義務づけられています。だから古いタイプの日本車のようについていないクルマには後でネジで付けるんですね。交通ルールはすごく徹底されております。横断歩道に歩行者が立てば、どんなクルマでも停止してくれます。だから、うかつに横断歩道付近で立ち止まると迷惑そのものになります。これがホントの「歩行者天国(?)」。イギリスにも自動車学校がありますが、学校内にコースがないのである程度のレベルになるといきなり路上教習になるらしいのです(話で聞いただけで確認はしてません)。たまに、教習中のクルマを見かけます。クルマの屋根にでかい看板を付けて、マニュアルもしくはオートマチックと書いてありますので簡単に「近よらん方がいいな」と判断できます。話は変わりますが、日本のような頭の悪い渋滞はありませんね。また、こちらの高速道路は原則的に無料です。Motor Way(英)、Free way(米)、High Way(日)と、国によって表現も違います。High Wayは和製英語(Japlish)です。

 私は無宗教です。言い換えると、どの宗教でも(害を及ばさなければ)拒絶はしません。私にはお盆があって、ハロウィンがあって、クリスマスがあって、大晦日があって…。イギリスは多民族国家なので、さまざまな宗教に出会えます。プロテスタント、カトリック、イスラムなど。週末になると、各教会や施設でミサや催物が行なわれているので、私もちょくちょく足を運んでいます。私は一番シンプル(質素と言ったら失礼だもんね)であるプロテスタントのミサに、3回顔を出しました。そこの教会は、どちらかと言うと黒人系の教会で、ジャマイカン、ブラジリアン、アフリカンなどでにぎわっております。もちろん、日本人(黄色人種)は私だけですから、目立つのですね。みんな、私に近づいて、握手、自己紹介と進むのです。一瞬、自分が教祖になった気分になります。だって、にこにこ愛想を振りまくので精一杯だもん(細かい会話はまだムリだし)。おかげでアドレス増えました。手紙書くのが苦痛になりそう!?

 今日は日曜日、朝から洗濯をしなければならないのです。早速いつものコインランドリーへ。毎週のように出現する黄色人種に居ても立ってもいられないのか、店員が話しかけてきました。この方はアラビック系の方で、いろいろと質問してきました。この際、私もいろいろと聞き、「安保幸博」のアラビック語の書き方と50音みたいなものを教えてもらいました。さすがにこの文面で表示することができませんのであしからず。右から左に読むんですよ。慣れないなぁ。中国語の時のように、とっても難しい発音が2つほどありました。語学用テープ売っているかな?

 イギリス料理って何でしょうか?存じてますか?本来この国に、そのような料理はないそうです。植民地時代、各地からさまざまな文化を持ち帰っていたので、独自の文化など発展する要因がなかったのかも知れません。それを反省して、'90'sからモダンブリティッシュと言われる料理で見直されているようです。いままでの反省から発送を転換して、各地の料理をイギリス流にアレンジすることによって新たな料理を作るそうなのです。確かに、イギリス植民地時代の最盛期はすべての海を支配していたほどですから、もしそれが確立されたらすばらしいものになることでしょう。

 一番ポピュラーと言えば、フィッシュ&チップでしょうかね。白身魚のフライとフライドポテトのセットですと、たいていのお店で注文できます。それにビネガー(こっちのビネガーは比較的弱いので、まるでレモン味です)をかけるとたまらない味なのです。私が一番はまっているのがキッシュです。これって日本にもあるのかな?なんて表現したらいいのかわかりませんが、野菜等を使った卵焼き風味のパイとでも言いましょうか?私はあまり甘いものをとりませんが、スコーンは気に入っております。温かいうちにバターやジャムを塗って食べるとそれはもうサイコーです。私だけかも知れませんが、牛肉は一度も口にしたことありません。狂牛病で騒がれていたからでしょうに。

トピックス

『ポンド高の抑制を』
−産業界・労組が蔵相に警告−
 産業界と労組組合は、ポンド高に歯止めをかけなければ景気は後退に向かうと、ブラウン蔵相に強く警告した。
 消費ブームにより国内景気は好調だが、一方で、ポンド高により国内輸出企業の受注難は深刻さを増している。英国産業連盟(CBI)が発表した中小企業調査によると、91年の景気後退期を上回るペースで輸出企業の受注が減っているという。
 補正予算ではVAT・所得税の増税など具体的な消費抑制策はとられなかった。ハウ元蔵相は、利上げだけでインフレを抑え込もうとしていると、蔵相の経済政策を批判。結果的に金利の高い英国に資金が集まり、ポンド高は89年以来の水準に達している。
 CBIのターナ会長は、ポンド高による輸出不振は、失業増をもたらすと警告した。一般労働組合GMBのエドモンス書記長も、ポンド高があと半年以上続けば、深刻な不況に陥るとの懸念を表明した。
 一方、イングランド銀行は2.5%以下というインフレ率目標を達成するため、来月追加利上げに踏み切ると見られるが、それでも目標達成は困難との見方が強い。

『大学授業料が有料に』
−最高年間1000ポンド徴収へ−
 ブランケット教育・雇用相は、大学財政の危機を理由に、授業料有料化を打ち出した。
 現在、国内の学生は原則的に学費を免除され、生活費の補助金(グラント)も支給されている。35年に及ぶ無料高等教育制度の終わりを告げるこの決定は、大きな波紋を呼んでおり、野党保守党は反対の構え。与党議員からも批判の声が出ている。
 政府方針の基礎となったロン・デアリング上級教育顧問の報告は、大学の財政難打開策として授業料有料化のほか、受け入れ学生の定数廃止を提言。また、大学の学術的水準維持のため、各大学の研究・教育状況を審査する専門委員会の設置を提案した。
 報告は学生に一律年間1000ポンドの授業料を課すことを提案しているが、政府は世帯収入に応じたスライド制の導入を支持。年収34000ポンド以上の世帯の学生からは年間1000ポンドの授業料を徴収するが、年収16000ポンド未満の世帯の学生は無料とする。しかし、グラント制度が廃止されるため、低所得世帯の学生の負担が増すのは必至だ。

『ボーイングとマクダネル・ダグラス、欧州委が合併を承認』
−独占問題でボ社が譲歩−
 航空機製造最大手のボーイング社は、欧米間の貿易摩擦に発展する懸念のあった米マクダネル・ダグラス社との合併をめぐり、欧州委員会に譲歩を示し、大筋で合併への承認を得た。7/25日に行なわれた両社の株主総会では、それぞれ圧倒的多数で合併が承認され、新会社が誕生する見通しとなった。
 ボーイング社は米アメリカン、コンチネンタル、デルタの米航空会社三社と20年間の独占供給契約を結んでいたが、欧州委員会にこれらの契約を白紙に戻すことを申し出た。ボーイング社のこの譲渡により、欧州委員会が合併を認めたもの。
 同委員会は先に、ボーイング社の契約が、欧州の競合会社エアバス・インダストリーズとの競争を不当に損なうと指摘していた。競争政策を担当するファンミールト委員は、合併を認めない予備裁定を下し、同社の収益に最高10%の罰金を課すことも辞さない構えを示していた。ボーイング社とマクダネル・ダグラス社が合併すれば、旅客機分野での新会社の市場シェアは9割となる。
 米下院でも国内の商取引に対する欧州連合(EU)の「前代未聞の干渉」への抗議決議案を可決する動きが高まっていたこともあり、クリントン米大統領も同社の譲歩を評価した。

『世界の言語は1万以上』
−話す人が1人の言語も−
 英語が国際語といわれるようになって久しいが、世界中で1万以上の言語が健在であることが、ウェールズの言語学研究所作成の世界言語地図で分かった。
 母国語および第2言語として話す人の数が一番多い言語は中国語で、11億2300万人に達し、英語の4億7000万人を大きく引き離している。ただし英語が公用語の国の人口を加えれば、英語が17億3000万人でトップになる。一方、使用人数が最少の国語はアイスランド語(20万人)。ラトビアではフィンランド語から派生したリブ語(200人)が今
も健在。アフリカには話者が1人だけという言語もあるという。
 同研究所のデビッド・ダルビー所長は35年前から言語地図の作成を手がけており、「言語は個人・集団のアイデンティティーを伝えるもので、多言語を受け入れる文化こそが健全な社会。ルワンダやソマリアなど単一言語地域で深刻な地域紛争が発生したのは非常に興味深い」と指摘した。
 この言語地図は、英国の再加盟を記念して国連教育科学文化機関(UNESCO)に贈られた。これにより、コンピューターで言語集団データベースが作成される予定。

『バイリンガル司法官が不足』
−ブリュッセル−
 オランダ語とフランス語の二言語併用地域ブリュッセルで、蘭仏二ヵ国語で業務を行なえる司法官が不足し、問題となっている。
 1935年に制定された現行法では、ブリュッセルの全司法官の少なくとも3分の1がオランダ語、3分の1がフランス語による資格を持ち、さらに少なくとも3分の2が蘭仏二ヵ国語能力試験の合格者でなければならない。ところが現在まで、二ヵ国語試験の合格者が全体の3分の2に達したことはなく、不足分はいずれかの言語で業務認可を受けた司法官が補っていた。
 ベルギーのデ・クレルク法相は2年前から語学研修実施や試験回数の増加でこれに対応しているが、最近の試験では合格率わずか14%という結果で、目立った成果は見られない。
 事態を重く見た法相は現在、難易度の低い新二ヵ国語能力試験の導入を含む、現行法の見直しを検討中だ。

『狂牛病対策を強化へ』
−英国に準じる徹底管理 EU−
 欧州連合(EU)の農相会議は、すべての加盟国が英国に準じる狂牛病対策をとることを決めた。
 狂牛病禍で英国産牛肉が輸出禁止となって以来、英国は屠殺した牛・羊・山羊から脳や脊髄を除去するなど、徹底した管理を実施。公平さと消費者保護を目的を理由に、ほかのEU諸国にも同水準の管理を要求し、EUからの牛肉輸入差し止めも辞さない構えを示していた。
 すでに厳格な屠殺管理を行なっているアイルランド、フランス、オランダは賛成したが、ドイツなどは強硬に反対。しかし、議長国のルクセンブルクが新しい規則の施行を来年に延期すること、ミンクの飼料は対象外にすることを盛り込んだ妥協案を出したことから、ポルトガル、フィンランドが賛成に回り、賛成8、反対7の僅差で可決された。
 カニンガム英農相は、今回の勝利は狂牛病対策における労働党政権の協調路線の成果と胸を張るが、英国産牛肉の禁輸措置が緩和される兆しは依然としてみられない。

『熾烈なビール戦争』
−ライバル会社の空き瓶隠す フィリピン−
 ビール会社のシェア争いが激化しているフィリピンで、同国最大大手のビール会社サンミゲル醸造所が、ライバル会社の空き瓶を隠していたことがわかった。
 今月中旬警察の手入れで、サンミゲル醸造所で同国第2位のアジア醸造所のビールの箱30万ケースと空き瓶540万本が見つかった。
 瓶は再利用せず新調するとコスト高になるため。アジア醸造所はただちに1億1200万ペソ(400万ドル)の賠償金を求めて、サンミゲル醸造所を提訴した。サンミゲル側は「高性能の銃やショットガンで武装した警官隊の投入はやりすぎ」と反発し、逆提訴の構えを見せている。
 90年代に94%だったサンミゲルの国内市場シェアは現在では80%に低下。国内ビール消費量が90年より10%減ったこともあって、巻き返しに躍起になっている。先月もトップブランドの「ペール・ピンゼン」を10.5ペソから9ペソに値下げしたが、それでもアジア醸造所の人気ブランドより2ペソ高い。アジア醸造所が89年にペール・ビンゼンにそっくりのビールを発売して以来、両社の関係は険悪になり、92年には3年続いた空き瓶の相互交換システムも廃止された。

『中東でポルノを放映』
−仏TV局うっかりミス−
 フランス国営放送(CFI)が7/19、「技術ミス」で子供向け教育番組の放送予定時間にハードコア・ポルノをアラブ諸国の衛星放送にオンエアした件で、フランス政府が関係者に謝罪した。
 CFIは海外向けに教育番組を提供している。アラブ諸国21カ国共同経営するアラブサット(本社、サウジアラビア)も提供先の一つ。
 ところが、同日子供向けの教育番組の枠に「ポルトガルのプライベート・クラブ」と題するポルノ映画が30分放送されてしまった。この映画は別会社が太平洋の仏領内の有料ケーブルテレビで毎日放送されているもの。アラブサットは「イスラム道徳に対する攻撃」と激怒し、CFIとの契約破棄を発表した。
 アラブサットの視聴者は約3300万人に及ぶ。オイルマネーで潤う中東市場への参入努力が水泡に帰しかねないとあって、フランス外務省は「論外の事態に衝撃を受けているのはわが国も同じ」と平身低頭。伝送ミスの責任があるとされるフランス・テレコムは内部調査を開始した。