第3回 伝統を生ける

次の写真をご覧になって下さい。1)落ち着いて素敵2)古臭いのどちらでしょうか?

ハラン11枚 キク一色

現代の感覚ではやはり新鮮には感じられないかもしれません。池坊には「一種生け」という、「生花」の中の生け方があります。これは草木の自然の風情を最も大切にする形式です。したがってシンプルですが難しいです。少し見ただけでは味気がない反面で、ハランの緑の葉に自然の美しさを感じませんか。菊に簡素な土地植えのような美しさを感じませんか。他に、紅葉・千両・万年青・桜・桃・紫陽花・カキツバタなどを用います。たとえだカキツバタの花と葉の組み方により、四季を表現できます。花の自然の様子を良く観察し、それを理解してはじめて出きる生け方です。マスターすべき道しるべのような気がします。ところで生け花であまったハランの利用法を紹介します。これは、ユーリさんによると、1)おすしを乗せると豪華に見える、 2)焼き魚の下に敷くとお皿も汚れなくて楽である、 3)大きめの葉を笹舟のように作り鮪や蛸のカルパッチョを入れる、などが素敵です。 【参考文献】生花 瀬島弘秀(講談社)

【洋子の生け花レッスンバックナンバー】

第1回 立花の歴史のミニ知識

第2回 生け花の中の洋花

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