第2回 生け花の中の洋花

もともと生け花は季節感を大切にすることにより、花材を選んできましたが、園芸品種が多くなり季節に関係なく花材を手にするようになりました。さらに、海外から輸入された洋花が容易に入手出来るようになり、季節感がいっそう薄らぎました。現在ではテーマを決めて主材(メインの草木)を決め、調和のとれた配材を選ぶことが大切といわれます。私自身は、季節を感じさせる花材を入れて洋花を使いようにしたいです。
 シドニーオリンピックのメダリストに送られたブーケをご覧になって解るように、洋花には晴れやかさがあります。花の個性を使うのは和洋を問いませんが、色形ともに個性が強い洋花はそれを活かすように用いています。今回は3つの洋花を例にします。
まずはシドニーオリンピックのブーケにも使われたオーストラリア固有の カンガルーポー(ハエモドルカ科、春)です。カンガルーの前足に似た独特の形の短毛が生えた黄色の花を付けます。形と明るい色を活かし、レザーファン、ユリ、カスピアと生けました。へリコニアと生けると彩りが豪華になります。次に良く使う トルコ桔梗(リンドウ科、夏)です。花色が多く、花色の美しさを活かし、さらに一重・八重・莟と形の美しさも同じに生かすことが出来ます。落ち着いた花なので鮮やかなアンスリューム、カークリコ、ツルウメモドキと生けました。最後に熱帯原産の色鮮やかな ヘリコニア(バショウ科、夏)です。オレンジ色・朱色・黄色の鮮やかなのは「ほう葉」(花芽を覆う特殊な葉)です。ほう葉の色彩を真中に活かして生けるのがポイントです。曲線の美しいタンチョウアリアム、豪華なユリを配し、足元はタニワタリでまとめました。花の個性に自分の感性をミックスして楽しい綺麗な生け花にチャレンジして見て下さい(*^_^*)
【参考文献】新しい洋花 日本華道社

カンガルーポー トルコ桔梗 ヘリコニア


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第1回 立花の歴史のミニ知識

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