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2−0B.オート・ネゴシェーションとは?


1.オートネゴシェーション機能

最近のHUBやLANボード/カード(以下LANボード)は、オートネゴシェーション(以下Auto-Nego)と言う機能がある。これは、接続先が10Mbpsであろうが、100Mbpsであろうが、勝手に認識しリンクを確立(物理的に接続完了)する機能である。

この機能は、ケーブルが接続されると「ファーストリンクパルス」(以下FLP)を出力します。この信号の中に「私はどのような通信機能をもっています」の情報を持たすことにより、接続先の相手ノードに対しどのような仕様で接続したら良いか認識させる。

1)Auto-Nego機能どうしの接続

最近のノードは「100Mbpsの全2重」通信機能が一般的な一番上の仕様です。互いのFLP中に「100Mbpsの全2重」と言う情報含ませて送ることで、これを受信後リンクが確立する。最近のHUBやLANボード等のノードは、デフォルトでAuto-Negoが設定されています。


2)Auto-Nego機能のノードと100Mbps(半2重)機能だけのノードの接続

Auto-Nego機能のノードは「FLP」を出すが相手側(100Mbpsだけ)は「FLP」認識することが出来ない。逆に相手側が出した「アイドリング信号」を受信することにより、Auto-Nego機能を持ったノードは、「FLP」を止め「アイドリング信号」を送出し100Mbps(半2重)でリンクする。相手側(100Mbpsだけ)もAuto-Nego機能を持ったノードが送出した「アイドリング信号」を受信した後、100Mbps(半2重)でリンクする。

3)Auto-Nego機能のノードと10Mbps(半2重)だけのノードの接続

Auto-Nego機能のノードは「FLP」を出すが相手側(10Mbpsだけ)は「FLP」認識することが出来ない。逆に相手側が出した「NLP」を受信することにより、Auto-Nego機能を持ったノードは、「FLP」を止め「NLP」を送出し10Mbps(半2重)でリンクする。相手側(10Mbpsだけ)もAuto-Nego機能を持ったノードが送出した「NLP信号」を受信した後、100Mbps(半2重)でリンクする。



4)Auto-Nego機能のノードと10Mbps(全2重)だけまたは100Mbps(全2重)のノードの接続

100Mbps(全2重)の機能しか持たないノードは、100Mbps(半2重)機能のノードと同様に「アイドリング信号」を出力するため、相手側Auto-Nego機能を持つノードは100Mbps(全2重)のノードとは認識せず、100Mbps(半2重)のノードと認識するため、最大200Mbpsで使用できるその機能を有効にできない。

また、10Mbps(全2重)の機能しか持たないノードも同様に「NLP」を出力するため、同様に10Mbps(半2重)と相手側Auto-Nego機能を持つノードは認識してしまう。

取りあえずは、通信できるので問題はないが、その最大機能である20Mbpsまたは200Mbpsで使用することは不可能である。もし、Auto-Nego機能を持つノードに10Mbps(全2重)または、100Mbps(全2重)に固定するスイッチなり、ソフトで固定する機能があればそれを有効にすればよい。しかし、設定を固定するということは、その端末が他の場所に移動した場合(特にノートパソコン)、問題が発生することがないとは限らないので注意が必要であることを忘れずに。

2.だぁーいきらい

以前こんなLANボードがあった。

1)某有名メーカの主力LANボードでAuto-Nego機能を歌い文句にしていた。まだ、今のようにこの機能が一般的でない時期だった。
そのLANボードを実装した端末に電源を入れ、しばらくすると他の端末が通信不能となった。HUBは10Mbps専用のものであったが、そのLANボード、何故かアイドリングパルスを数分にわたり出力したため、HUBが誤動作したものらしい。

2)これも同じメーカの違う機種のLANボード。電源投入後一度、「FLP」で相手を認識する。ところが、ケーブルを引抜いたり、何かの要因でリンクが切断された場合、再度「FLP」を送出しリンクし直せば良いものが、何故かその通信状態を保持しリンクし直さないものがあった。
具体的には、ケーブルを10MbpsのHUBから100MbpsのHUBに接続してもLANボードは10Mbpsのつもりで確立しているので、100MbpsのHUBでは通信不能であったというもの(同じセグメント内の移動)。

3)更に2)項のLANボードは、OS上のソフトドライバで「Auto-Neg」「100Mbps-Full」、「100Mbps-falf」、「10Mbps-Full」、「10Mbps-falf」等の、通信速度と通信手段の変更ができるようになっていた。ところが、何を勘違いしているのか、OSの起動する前にリンクが確立後(多分ソフトドライバ関係無くハードウェア的に実行)、OSが起動し、再度OS上で再設定を実行している。ここまでは良い。しかし、リンクを一度切断しほしかった。リンクを切断しないがために、自分の設定が変更されたことが相手HUBに伝わらないのだ。

いずれも、ソフトドライバを変更することで問題はなくなった。いずれにしても、古い環境との組み合わせで問題になるくらいで通常の新しい環境で問題になることはまずないと思われます。

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