2−09.LANCard不良?
ある保守対応している人の話。
突然、通信できなくなったということで、お客様に出向いたところ、LANカード(PCカード)が怪しいことが分かった。
お客様が使用していたLANカード(1)を隣のパソコンで使用していた同一LANカード(2)と交換したところ、通信できるようになった。
早速、交換用のLANカード(3)を取寄せ、取付けて動作させたところ動かない!
更にLANカード(4)を取寄せたが、これも通信できない。
引上げたLANカード(1),(3)を購入メーカで調査したところ異常が見つからなく、普通に通信できると言う。
さて、困った。何が不良であるのだろう。
そう、答えは、初めのLANカード(1)で使用していたパソコン側に問題があったのである。
普通現在のPCカードは、電圧3.3Vまたは、5Vで動作する。案の定、そのパソコンのPCカードに供給する電圧を測定すると約3.5V程度しかない(そのLANカードは5Vが仕様であった)。
ノート型のパソコンはバッテリー駆動を想定しているため、不要な電力の出力は抑えたい。従って、PCカードに供給する電圧はトランジスタ(専用LSI)を使用してPCカードのON/OFFを行っている。
このトランジスタが中途半端に壊れると0V、5Vの出力ではなく電圧が出てくる可能性があり、今回はこれにあたる。
LANカード(2)はたまたま、その電圧(3.5V程度)でも動作してしまう「実力」があったためであり、切分けを難しくした要因でもあった。
交換して直ったと簡単に判断してしまうとこのようなことがある。
なお、パソコン側PCカードに電力を供給するためのトランジスタを交換して正常に通信できることになったことは言うまでもない。