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F−0B.コンデンサの寿命





・パソコンで使用されされている部品でメカ的なもの例えば、ハードディスクやフロッピーディスクのスピンドルモータ(ハードディスク内部の円盤を回転させるためのモータ)やステッピングモータ(磁気ヘッドを円盤の内外周に移動、位置決めするためのモータ)、CPUやケース内部の温度を冷やすための冷却ファン関連は比較的早く寿命を迎える。

ノートPCではバッテリー(電池)が上げられる。また時計機能のバックアップ用に最近はボタン型の電池が良く使用されているこれも1〜2年で寿命を迎える。

その他の部品はでは、パソコンに限らず使用されている「コンデンサ」と呼ばれる電子部品が上げられる。
このコンデンサは、電気を一時的に蓄えることができる電子部品であり、パソコン内部で使用される電源±5V、±12Vその他、電源を安定(平滑回路)させるために使用される俗に言う「パスコン」として使われるもの。サウンド
などのアンプ回路、モデムなどで使用されるフィルタ回路その他様々なところで大量に使用されている。


・この中に「アルミ電解コンデンサ」(以下電解コンデンサ)と呼ばれる大量の電気を蓄えられるコンデンサはがある。その内部に電解液薬品が入っているが、この電解液は時間とともにその密閉された容器から徐々に蒸発していく。蒸発するにつれて電気を蓄える量(容量)も減少する。

電源を安定させるための「パスコン」は電気を蓄えることが難しくなり、これが、「ノイズの原因」となりこのノイズがパソコンの誤動作の原因になる。

アンプの回路として使用されてた場合は、音質の歪みや、劣化、S/N比(信号とノイズの比。高いほど性能がよい)の低下の要因となる。

モデム回路では、必要な周波数以外の信号まで拾うことになり、通信速度が遅くなったり、通信が安定して動かなくなり回線が切断されやすい状態に陥る可能性がある。


寿命が短くなる要因

1.通電時間

通常の使用状態では、4〜5年以上は全く機能的には問題なく使用できることは間違いない。
しかしながら、24時間連続して動作(通電)した場合は、これよりも短くなることは間違いない。パソコン製造メーカは、生産コストや、1年も使用しないしないうちに遅くて使用に耐えない→買替えを想定し10年も20年も使用することが可能なものを設計、製造はしてはいない。

2.周囲温度

周囲温度もコンデンサ寿命に大きく影響する。電解液は、温度が高ければ高いほど蒸発しやすくなる(水の蒸発と同じ)。なるべく低い温度で使用したほうが良い。

3.使用電圧

クロックアップなどの改造により、コンデンサに仕様より高い電圧を常時かけた場合。過大な電圧をかけた場合、電解液が一気に蒸発しコンデンサの安全弁が開(要するにパンク、破裂すること)き電解液が噴出すことがある。

4.設計、製造不良

周囲温度、使用電圧の設計誤り。極性の不一致(プラスマイナスの方向を間違いて取付てしまった)。絶対数の不足によりオーバーシュート・アンダーシュート(異常な信号)が発生しICを破壊する。信号の立ち上がり立下りをコンデンサにより信号を遅延させる回路を作込んだ(同じ容量表示でも誤差があり上に示した理由により容量の劣化が発生し想定遅延時間範囲外になり動作不能に陥る)など。


図F-0B-1.コンデンサ

右端が「アルミ電解コンデンサ」の例。本項目とは関係がないが、左端がトリマーコンデンサ(可変容量コンデンサ)、中央がマイラコンデンサ。 また、本写真と本文の内容とは全く関係がありません


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