#1「露天風呂つきの女子寮 温泉な」(2000年4月19日放送)
脚本:葉月九ロウ 絵コンテ:岩崎良明 演出:須藤隆 作画監督:うのまこと
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◆15年前に、今では名前も顔も思い出せない女の子とした一緒に東大に行くという約束を守るため、
浦島景太郎(20)は東大を目指して二浪中である。
◆予備校から東大合格判定Dが届いた日、景太郎は家を出てバイトすると両親に宣言した。
その直後、旅館を経営する祖母ひなからすぐに来るように電話がかかる。
◆ひなた荘では、ひなが転地療養のため管理人をやめることを住人たちに告げていた。
でも慌てた住人はなるだけで、素子は合宿に、スゥはニョロニョロ、キツネは二日酔いと頼りにならない。
◆ひなは、はるかに見送られて旅立つ。
◆景太郎は予備校で、全国模試下から数えて27番目の結果に妄想モードに入り、
全国模試トップの女の子に殴られていた。
◆祖母の旅館のあるひなた温泉にやって来た景太郎は、
道端で泣いている少女(しのぶ)を見つけ、笑った顔を描いたスケブを残していく。
◆旅館には誰もいなかったので、景太郎は露天風呂に入ってくつろぎながら、ここに住むことを考える。
そのとき、入浴しに来たなると遭遇してしまう。
旅館は女子寮「ひなた荘」へと変わっていたのだった。
◆痴漢と間違わられ、なる・キツネ・スゥの3人に建物中追いかけ回される景太郎。
その場を助けてくれたのは、叔母のはるかだった。
◆はるかは、景太郎を現在東大生で、ひなが指名した新しい管理人であると紹介した。
猛反対するなる!東大と聞いて喜ぶキツネ!東大を知らないスゥ!
とりあえず住人たちの間で話し合いが行われることになる。
◆景太郎は東大生であるという嘘に苦悩し、誤解を解くことをはるかに相談すると、
「世の中には良い嘘と悪い嘘がある」と諭されて、更に悩むことになる。
◆そんなとき、なるが景太郎の正体に気づく。なんと全国模試トップの女の子は、なるだったのだ。
◆しかし、景太郎はひなた荘を出て行くことを決心していた。
一転して慌てたなるは、景太郎の嘘に荷担して、キツネとスゥの前でかばう。
景太郎は、東大生の管理人としてひなた荘にとどまることになる。
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#2「ひなた荘の新住人しのぶ 矢印な」(2000年4月26日放送)
脚本:葉月九ロウ 絵コンテ:岩崎良明 演出:杉谷光一 作画監督:倉島丈康・青山正宣
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◆「ひなた洋食」の一人娘・前原しのぶは、引越しの準備を母親に急かされていた。
彼女は引越しには反対だったのだが、それを言い出せずにいた。
たまらず家を飛び出し、湯煙橋の袂で泣いていた。
その姿を偶然目撃した景太郎は、彼女の笑った顔を描いてスケブを残していく。
◆しのぶは、中学1年生。
学校には話す友達もいない超消極的な女の子だった。当然、引越しのことも誰にも言えずにいた。
彼女は、あらゆる矢印の示す方向とは、反対方向に歩む少女なのだ。
◆しのぶは、 スケブを返しにひなた荘にやって来たが、
住人たちのテンションに驚き、泣きながらその場を去って行く。
◆その夜、ひなた荘では、スゥの作った夕食のひどさに、みんなで「ひなた洋食」に食事に行くことになる。
しかし、店は閉店を知らせる張り紙とともに閉まっていた。
◆はるかは、しのぶの両親が離婚のために店を閉めて、どちらが彼女を引き取るか揉めている最中であることを語る。
◆引越し当日、街を彷徨っていたしのぶは、景太郎に出会い、お別れ会に招かれる。
◆ところが、ひなた荘のキッチンは、料理ベタな住人たちのせいでメチャクチャになっていた。
その場を見て、しのぶは料理の指揮に立ち、あっという間に豪勢な料理をいくつも作り上げる。
しのぶは久しぶりに楽しい食事をする。
◆しのぶの両親が、彼女を連れ戻しに乗り込んで来る。
しのぶの表情を察した景太郎は、彼女を連れて逃げる。
◆「私は何もできない」と嘆くしのぶに、景太郎は「何だってできるよ」と励ます。
◆しのぶは両親に、ひなた荘に住むことを宣言する。
「友達も作らずに逃げ出すのは嫌なの」と。
◆翌日、しのぶは勇気を出して、学校の女の子たちに手作りのクッキーを差し出す。
太地亜紀子という女の子が食べてくれた。
◆スケブを返しに行くことをまだ躊躇しているしのぶ。
でも、もう一人のしのぶが現れて、ひなた荘に誘う。
彼女は、矢印の方向に歩み始めたのだった。
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#3「恋する!?ケンドー娘 剣劇な」(2000年5月3日放送)
脚本:稲荷昭彦 絵コンテ:錦織博 演出:佐藤修 作画監督:永田正美
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◆青山素子が参加していた雷華女子高校剣道部の3日間の合宿は終わった。
◆予備校では、景太郎・灰谷・白井が模擬試験のひどい結果に落ち込んでいた。
3人は気分転換のため、雨の中、街へナンパに出かける。
◆そこで声をかけたのが素子と取り巻きの3人の女の子たちだった。
景太郎たちは、素子の剣技で吹き飛ばされてしまう。
◆ひなた荘に戻った景太郎は、洗濯場で半裸の素子と鉢合わせする。
ストーカーと勘違いして斬りかかる素子だったが、住人たちがやって来て新しい管理人とわかる。
◆素子は景太郎が管理人をすることに猛反対する。
景太郎は素子を説得しようと近づくが、逆にボロボロにされてしまう。
◆一方、素子は、景太郎と目が合っただけで頭がボーッとして息苦しくなり、見ただけで動悸が激しくなる自分に戸惑っていた。
これは、初恋ではないかと考える。
素子の脳裏に、子供の頃、姉が男と去って行った映像がよぎる。
◆景太郎は、管理人室の天井に開いた穴を発見する。
覗いてみると、そこはなるの部屋で、ちょうど素子が来ていた。
景太郎を叩きのめす素子。他の住人たちが景太郎をかばう中、
素子は姉を思い浮かべながら、景太郎を絶対に認めないことを叫んだ後、倒れる。
◆素子は風邪をひいていた。恋ではなかったのだ。
ほっとする素子だったが、一転して、自分の心をもてあそんだとして景太郎に怒り、
管理人を賭けて、景太郎に勝負を挑む。
◆ひなた荘を逃げる景太郎。追う素子。
屋根まで追い詰めたところで、素子は熱で気を失い、落ちていく。
助けに走る景太郎。
景太郎は素子を腕をつかんだ状態で屋根からぶら下がる。
助けを拒み、手を放すことを求める素子に、
「俺はひなた荘の管理人だ」と言って、素子を引き上げるが、自分は露天風呂に落ちる。
◆その夜、ひなた荘の女の子たちは、露天風呂に浮かぶ景太郎の予備校生徒証を発見する。
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#4「東大の約束は15年前 日記な」(2000年5月10日放送)
脚本:石川学・葉月九ロウ 絵コンテ:桜美勝志 演出:井硲清高 作画監督:中田正彦
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◆東大生でないことがバレてしまった景太郎は、土下座して謝り、
今年必ず東大に入ること、当然、来週のセンター試験の足切りに引っかからないこと、
管理人としての仕事もすることを条件に、住人たちに許してもらう。
◆だが、炊事・洗濯・掃除と扱き使われて、ますます勉強ははかどらなくなる。
景太郎は勉強を教えてもらおうと、なるの部屋を訪れる。
◆なるは景太郎の学力のあまりのひどさに呆れて、別の大学を受けることを薦める。
景太郎は、子供の頃の約束のために東大を目指していることを語る。
すると、なるは、約束について強く共感するのだった。
◆景太郎は、なるとの部屋をつなぐ穴を塞いでいるときに、偶然、彼女の日記を見てしまう。
「15年前」「東大」「理由」「約束」という文字が飛び込んで来る。
そこに、なるが現れ、弁解する間もなく、景太郎は部屋を追い出されてしまう。
◆なるが口をきいてくれない日々が続き、やがてセンター試験を迎える。
◆予備校で自己採点した景太郎は、その結果に落胆する。
◆その夜、雪が降る中、自己採点がバッチリだったなるが帰宅した。
ひなた荘に別れを告げに来た景太郎がその姿を隠れて見ていた。
◆荷物を取るため、ひなた荘に忍び込んだ景太郎は泥棒と間違われ、
住人たちに追い回された末、なるの目の前で自分の日記を落として逃げて行く。
◆泥棒の正体を知って、追おうとするしのぶをなるが止める。
そこに、はるかが現れて、「このままお別れっていうのは寂しくないか」と問う。
住人たちは一人また一人と景太郎を探しに出かける。
◆景太郎は、雪夜の東大にいた。
そこに、ひなた温泉から1時間半かけて、なるがやって来た。
なるは、景太郎を一発殴って、日記のことを許す。
だが、気の済まない景太郎は、なるが届けてくれた自分の虚飾した日記を読み上げる。
◆なるは、自分も約束のために東大を目指していることを景太郎に語る。
景太郎は、約束の女の子がなるであることを確信する。
◆景太郎は改めてセンター試験の自己採点をしてみたところ、
総合600点で、足切りをクリアしてることがわかった。
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#5「急接近!京都二人旅 ドキドキハラハラな」(2000年5月17日放送)
脚本:西園悟 絵コンテ:小林孝志 演出:成田歳法 作画監督:本橋秀之
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◆二次試験当日の朝を迎えた景太郎となる。
二人で一緒に合格しようと意気込む景太郎に対し、なるは単語帳から目を離さない状態である。
◆間違って本郷校舎に来てしまった二人は、慌てて駒場校舎に向かう。
このとき景太郎は受験票を落としてしまうが、それを車の中から見ている者がいた。
◆駒場校舎に着いて、受験票がないことに気がつく景太郎。
そんな彼を1台の車が追いかけ回す。
◆車から逃げる途中、景太郎は頭に亀を乗せた1人の少女(むつみ)とぶつかり、一時的な仮死状態にしてしまう。
◆車は大破しながら景太郎を追い詰めた。
中から出てきた血だらけの男(瀬田)は、景太郎が落とした受験票を渡すと、すぐに去って行った。
◆景太郎は無事に試験を受けることができた。
◆ひなた荘に帰宅した二人。
手答えのあった景太郎に対し、なるは浮かない表情である。
◆合格発表当日、なんと二人とも不合格になる。
◆居酒屋で、烏龍茶のヤケ飲みをする景太郎となる。
この席でなるは、15年前の約束の女の子であることを否定する。
ショックを受ける景太郎。
◆景太郎もなるも旅に出る。しかし同じ新幹線に乗り合わせる。
二人は列車内で接触した際、眼鏡を壊してしまったため、相手が誰かわからない状態に陥る。
一方、ひなた荘では、景太郎となるが駆け落ちをしたと誤解をする。
◆お互いに顔が見えない景太郎となるは、親しくなり、一緒に京都の旅をする。
途中、一緒にプリクラを撮ったりする。
◆景太郎もなるも同じ旅館を取っていた。
旅館の中で仲良くしていた二人は、恋人と間違われ、一緒の部屋にさせられてしまう。
そこに、修理に出していた二人の眼鏡が届き、お互いに相手の正体がわかって驚く。
◆二人は仕方なく同じ部屋で寝る。
それとなく危険を感じるなるだったが、翌朝、目を覚ますと、景太郎は自分を縛って寝ていた。
◆朝風呂に入る景太郎へ、なるが垣根越しに旅に出た理由を問う。
「もう1度、自分を見つめ直すため」と答える景太郎に、
「私も似たようなものだったけど、もうどうでもよくなった」となるは言う。
「今日も一緒に回らない?」と誘うなるの言葉に、景太郎は微笑んで承諾するのだった。
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#6「景太郎、初キス?の相手 旅路な」(2000年5月24日放送)
脚本:川崎ヒロユキ 絵コンテ・演出:うえだしげる 作画監督:植田実
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◆ひなた荘ではTVに映った景太郎を見て、しのぶとスゥ、キツネと素子がそれぞれ京都に向かう。
◆景太郎となるは京都駅にいた。
景太郎は、なると一緒にいたいということを意識している自分に気がついた。
◆そんなとき、二人は乙姫むつみに出会う。
彼女も二浪で東大を落ちて傷心旅行中ということを知って、景太郎と意気投合する。
そんな二人を見て、なるは無愛想になる。
◆体が弱くてよく倒れるむつみを見て、二人は彼女の実家の沖縄まで送って行くことになる。
◆三人は、何故か名古屋城に着いた。
その頃、同じ城内には、旅費がなくなって大道芸をしているキツネと素子の姿があった。
◆キツネと素子は、トラックに乗る景太郎となるの姿を目撃する。
しかし、そのトラックは仙台行きであった。
◆しのぶとスゥは、何故か仙台にいた。
偶然、トラックに乗っている景太郎となるを目撃する。
◆トラックの最終目的地は、北海道だった。
◆三人は、鹿児島発沖縄行きの船上にいた。
むつみは、景太郎がなるに好意を持っていることを確認し、そのことをなるに伝える。
◆一方、京都に着いて旅費がなくなったしのぶとスゥは、キツネと素子に出会う。
◆むつみの実家は沖縄本島の離島のため、三人はゴムボートで途中下船するが行方不明になる。
そのニュースをしのぶたちはTVで知る。
◆三人は嵐に遭い、無人島に流れ着いた。
◆むつみを介抱していた景太郎は、突然、彼女にキスされる。
その現場を見てしまったなるは走り去り、景太郎が追いかける。
追いついた景太郎は、なるに自分の気持ちを伝えようとするが、
そこに、しのぶたちが船に乗って現れたために中断する。
◆景太郎は「これからのことをひなた荘でのんびり考えたい」となるに言うと、彼女は黙って微笑む。
◆無人島は、むつみの実家の島だった。
むつみは、別れ際に、なるにキスをし、お土産を渡す。
お土産の箱の中には、カメが入っていた。
◆一行は、何故か根室に着いた。
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#7「初デート、景太郎のしたごころ いまどきな」(2000年5月31日放送)
脚本:葉月九ロウ 絵コンテ:木村真一郎 演出:須藤隆 作画監督:河野利幸
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◆なるは、海岸で青年に告白されていた。
その瞬間、みんなの「誰?」という声がかかり、現実世界に戻される。
◆一同が見ているテレビには、なるの夢が映っていて、
なるにはスゥの発明したゴーグル型の機械・ばーちゃる君が被されていた。
この機械は、人間の心の中を映像にすることができるのだ。
あの青年は、なるの夢見る王子様だとスゥは言うのだが、なるは知らない人だと言う。
◆なるは、はるかの一言で、今日が卒業式であることを思い出す。
慌てて着替えるなる。
その時、床を突き破ってドリル型メカが現れ、中から夢の中の青年が現れた。
彼はなるを乗せると空へと飛び去って行った。
◆青年は、なるの同級生・坂田健太朗であった。
金持ちで、K大医科大現役合格、卒業生代表、女生徒の憧れの的だった。
卒業式後、彼はなるを先週オープンした神奈川ネバーランドに誘う。
◆景太郎とキツネは、花見の買い出しを終えて、路面電車に乗っていた。
そこへ灰谷と白井が乗って来た。二人は、神奈川ネバーランドでバイトしていた。
景太郎は、二人からこっそりチケットを入手する。
◆ひなた荘に戻ったなるは、寂しそうな表情をして、部屋に閉じこもる。
◆景太郎は、ばーちゃる君を被されて、なるとデートする妄想をみんなに覗かれる。
そして、観覧車の中でキスしようとするところで、坂田が現れる。
なるをデートに迎えに来て、ばーちゃる君で景太郎の妄想の中に入ってきたのだ。
◆坂田は、高校1年のときになるを見初めて以来、ずっとチャンスを伺っていた。
しかも、なるを「愛されたい症候群」と分析して、攻略方法も心得ていた。
景太郎は「相手によって自分を変えるのではなく、そのままの自分を相手に好きになってもらうべきだ」と反論する。
◆キツネの提案で、ばーちゃる君でどっちがなるを落とせるかゲームをすることになる。
ことごとく坂田に遅れを取る景太郎。
そして、坂田が観覧車の中でキスしようとするところで、景太郎は機械を壊し、ゲームを強制的に終わらせる。
景太郎は「成瀬川の気持ちを考えるべきだ」と言うが、坂田は「誰も他人の気持ちなんかわからない」と言う。
そこに、なるが現れて、坂田と消えて行く。
◆なるが景太郎の部屋に来て、神奈川ネバーランドに誘う。
彼女の目当ては、チケットだったのだ。
景太郎はひなた荘の女の子たちの行きたそうな様子を見て、「みんなで行こう!」と提案する。
なるは「どうして私の考えてることがわかったの?」と驚く。
◆なるは、景太郎とまた1年一緒に勉強して大学を目指すことを決めていた。
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#8「ケンドー娘の竜宮伝説 夢かな」(2000年6月7日放送)
脚本:川崎ヒロユキ 絵コンテ:小林孝志 演出:菱田正和 作画監督:戸部敦夫
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◆なるが物置で見つけた古いTVゲーム機と景太郎が持っていたソフト「竜宮伝説」で盛り上がる面々を、素子は一人離れたところから見ていた。
◆素子は、取り巻きの一人に、最近、平常心が失われつつあることを忠告され、
その原因は、男と一緒に暮らしているためではないかと指摘される。
◆素子は、自分が自分であることを守るために、景太郎を力づくで追放しようと、ひなた荘に乗り込むが、
景太郎はゲームが終わらずにフラフラの状態だった。倒れるように素子に抱きつき、そのまま寝てしまう。
◆その瞬間、なるが目の前にドレス姿で現れ、城の舞踏会に誘う。
躊躇する素子を置いて、なるは一人で城に向かうが、突然現れた竜宮大魔王にさらわれてしまう。
◆その瞬間、素子は海岸に立っていた。
灰谷と白井が苛めていた亀を助けると、その亀は景太郎だった。
景太郎は勇者で、竜宮大魔王にさらわれたなる姫を助けるために、素子を仲間にする。
素子は、ここが景太郎の夢の中であることに気がつく。
◆旅をしていくうちに、スゥ、キツネ、しのぶも仲間になる。
◆白呪い師のはるかの導きにより、一行は伝説のドラゴンを探しに行く。
魔物の灰谷と白井を退け、双子のむつみの協力に得て、
日向池からドラゴンを呼び出すが、それは巨大なたまちゃんだった。
◆たまちゃんに乗った一行は、竜宮大魔王の棲むひなた荘に辿り着く。
◆大魔王に勝負を挑む素子。
素子の一閃は、大魔王の仮面を割るが、そこに現れたのは姉の顔だった。
「どうして?」と戸惑う素子に、姉はなるへと変わり、「素子ちゃんの夢だから」と答える。
◆その瞬間、素子の目の前に、景太郎の約束のシーンが現れる。
そこに加わる子供姿のなる、しのぶ、スゥ、キツネ。
「素子ちゃんもおいでよ」という誘いに、素子は子供姿になって駆けて行く。
◆その瞬間、素子は夢から覚める。
ひなた荘に行ってみると、ゲームの終わった画面の前で一同は眠っていた。
◆露天風呂に入りながら、素子となるは同じ夢を見ていたことに驚く。
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#9「ひなた荘密室現金強奪事件 ミステリな」(2000年6月14日放送)
脚本:堺三保 絵コンテ・演出:桜美かつし 作画監督:中矢雅樹
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◆のどかなひなた荘の日曜日の朝。
窓を開けて、部屋のコタツの上で寝ていた景太郎は、キツネに起こされる。
景太郎はみんなから預かった家賃をまとめている途中で、つい眠ってしまったのだ。
◆キツネに顔を洗って目を覚ますように言われたので、洗面所に行き、部屋に戻ると、
コタツの上に置いたはずの現金入りの封筒がなくなっていた。
◆景太郎の叫び声を聞いて、キツネが飛んで来た。
景太郎の部屋に行くには、キツネの部屋の前を通らなければならない。
部屋に居たキツネは誰も見ていないと言う。
一方、屋根の上に居たスゥも、外から景太郎の部屋に近づく者は見ていないと言う。
景太郎の部屋は、完全な密室だったのだ。
◆3人は、もう1つの出入口である天井の穴に注目して、なるの部屋に行く。
なるは部屋で探し物の最中だった。
彼女も誰も見ていないと言うが、挙動がおかしいので犯人に疑われる。
なるは、この穴は一人で上れないことを指摘して、疑いを晴らす。
◆犯行時刻、屋根の上に居たスゥは、
物干台に居たしのぶや部屋に居たキツネと声をかけ合っていた。
また、素子とはるかが玄関で話している姿を景太郎が目撃していた。
つまり、彼女たちのアリバイは成立したのである。
◆昼食時、はるかは外で拾った家賃の封筒を景太郎に渡した。
一瞬喜ぶ景太郎だったが、中身は厚紙で作られたニセ札に摩り替わっていた。
はるかは、拾ったときのままだと言う。
◆事件の真相がわかったというスゥが、みんなを集める。
スゥが犯人として指摘したのは、たまちゃんだった。
温泉ガメなら、みんなに見られず、部屋に出入り可能だと言うのだ。
みんながたまちゃんに注目したとき、なるが慌ててたまちゃんを遠ざける。
景太郎は犯人がなるであると確信して、彼女を連れてひなた荘の中を逃げ回るのだが、
二人は温泉に追い詰められてしまう。
◆そのとき、はるかが現れて、
「もうそのへんにしておいたらどうだ?お前も十分楽しんだろ、キツネ!」と言った。
犯人はキツネだった。彼女はあっさりと自白した。
◆実は、キツネは景太郎を起こす前に、ニセ札に摩り替えていたのだった。
封筒に釣り糸をセロテープで貼り付けて、その一端を窓から彼女の部屋へ投げ入れる。
そして、景太郎を起こして部屋から追い出し、自分は自室から釣り糸で封筒を手繰り寄せたのだった。
だが、途中でセロテープが剥がれて、封筒は外に落ちてしまった。
スゥが見ていたのは、キツネが部屋に座っている姿だけだったのだ。
すべては、現金を放り出して寝ている景太郎を見たキツネのいたずらだった。
◆キツネは、現金なら景太郎のズボンの財布の中に入れたと言う。
ところが、景太郎は逃亡中にそれを落としてしまった。
再び大騒ぎで探しに走る面々。
◆なるの探し物は、たまちゃんのお腹にあった。
彼女は、それを見られないように、必死で守っていたのだ。
それは、景太郎と二人で撮ったプリクラだった。
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#10「月夜にさまよう美女の正体は? 変身な」(2000年6月21日放送)
脚本:葉月九ロウ 絵コンテ:金子伸吾 演出:杉谷光一 作画監督:高見明男
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◆真夜中、景太郎の布団の中にスゥが潜り込んだために、ひなた荘は大騒ぎになる。
◆その頃、健太朗は、闇の中で笛を吹くインド系の女性に声をかけたところ、彼女のペットのワニに襲われる。
◆次の日の朝、スゥ自身はなぜ景太郎の部屋に行ったのかがわからないでいた。
そんなスゥを見て、健太朗は昨夜の女性がスゥであることを指摘する。
彼は、スゥが夜な夜な街で悪さをしていると言うのだ。
景太郎は、スゥの無実を証明するため、その謎の女性を探し出すことを宣言する。
◆景太郎は、スゥの後を尾行するが一向に手がかりを得られない。
その夜、赤い満月の下、景太郎は屋根の上で弦楽器を奏でる謎の女性を見つけるが見失う。
彼女は、景太郎のことを「兄さま」と呼んだ。
慌ててスゥの部屋に行くが、スゥは眠っていた。
景太郎は、身長も顔つきもずっとスゥより大人だったことを思い出す。
◆翌日、景太郎は街で、謎の女性と遭遇し、ワニに襲われる。
◆その夜、再び赤い月の下、昨夜の女性が屋根の上に座っていた。
景太郎が彼女に近づくと、「兄さま、カオラはやっと大人になれました」と言って迫ってきた。
そこへワニを連れた謎の女性が現れて、景太郎をさらって行った。
◆彼女は、カオラの姉のアマラ・スゥだった。
国を飛び出したカオラは、兄を思い出させる景太郎に出会い、
子供のままで逃げ続けたいカオラと、大人になって国に帰りたいカオラに、心が引き裂かれた。
故郷の砂漠と同じ赤い月を浴びると、無理に体を成長させるようになってしまったため、
無意識のうちに、姉にテレパシーで助けを求めたのだった。
アマラは、景太郎と恋仲になって国に連れて帰れば、カオラも治ると信じて、景太郎に迫る。
◆そこに、なるとカオラが乗り込んで来た。
カオラは姉から景太郎を取り戻そうとして、攻撃を加える。
そんな二人の間に景太郎が入って、「スゥちゃんは大人になんかならなくていい。そのままで可愛いよ」と言う。
カオラの中で、「早く大人になれ」と言った兄の姿が浮かび、変身が解ける。
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#11「目指せ東大生アイドルは予備校生 歌うな」(2000年6月28日放送)
脚本:葉月九ロウ 絵コンテ・演出:村山靖 作画監督:柳沢まさひで
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◆健太朗が大学で所属しているプロダクション同好会主催で、ひなた市アイドルコンテストが行われ、なるが優勝した。
景太郎は、たかが大学の小さなイベントで優勝したくらいで、簡単にアイドルになれるわけないと楽観視する。
◆ところが、ひなた温泉会のキャンペーン中、なるが浪人生であることを発表したことから、現役予備校生アイドルとして人気が出てしまう。
何冊もの雑誌に取り上げられ、CDまで出し、テレビで歌を歌う日々が続く。
景太郎は心配しながらも、ついつい応援してしまう。
◆なるは仕事が忙しいためにホテル住まいをし、ひなた荘に帰って来ない。
景太郎は、なるの東大受験のことを懸念する。
◆ある晩、なるの部屋から明かりが漏れているので景太郎が覗くと、なるが仕事で遅れた分を取り戻そうと勉強していた。
彼女は「来年こそ一緒に東大合格しようね」と微笑む。
翌朝目が覚めた景太郎は、それが夢であったことを自覚する。
◆キツネは、なるが東大を目指しているのは、
現在は音信不通になっている高校のときの憧れの家庭教師が東大生だったためだと教える。
アイドルという新しい目標を見つけたなるには、東大はどうでもよいものになったのではないかと景太郎は考える。
◆ある日、なるが仕事に疲れたために、ひなた荘に逃げて来た。
◆マスコミに質問責めに遭うマネージャーの健太朗は、
偶然居合わせた素子としのぶを「剣と華」という新ユニットとして売り出すことで誤魔化す。
◆なるは息抜きを兼ねて、景太郎とデートをする。
彼女は、母親が再婚して新しい家族ができたために、
実家には戻りづらい状況であることを語る。
しかも、自分が誰にも愛されていないのではないかと考えていた。
景太郎は「愛してくれるたくさんのファンがいるじゃないか」と勇気づける。
◆なるは、自分を受験生として見ていない景太郎の態度に気づき、
アイドルをやめる宣言をする。
しかし景太郎は、ファンのためにも最後までがんばるべきだと制する。
その言葉に怒りを覚えたなるは景太郎を殴るが、その姿を盗撮されてしまった。
◆翌日、なるは暴力アイドルとして報じられた。
周囲がうるさくなったので、なるはアイドルをやめて、ひなた荘に戻ってきた。
素子としのぶも、キツネの使い込みによって、引退してきた。
◆なるは、「一緒に東大合格しよう」という景太郎との約束のために、
最後までがんばることにしたことを景太郎に告げる。
それは、景太郎が夢の中で聞いたなるの約束の言葉だった。
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#12「お色直し?剣豪モトコの晴れ着姿 女の子な」(2000年7月5日放送)
脚本:高山カツヒコ 絵コンテ・演出:うえだしげる 作画監督:植田実
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◆素子は、晴れ着と一緒に届いた姉からの手紙を読んでいた。
だが、彼女は晴れ着を箱に詰め、封をしてしまう。
◆朝食時、台所にゴキブリが現れ、大騒ぎになる。
それを冷静に追い払う素子だったが、その直後に現れた たまちゃんに悲鳴を上げてしまう。
素子はカメが大の苦手だった。
◆素子が入浴中、脱いだ服の中に、たまちゃんが潜り込んだ。
匂いを落とすために、急いで洗濯をするが、
他の服がすべて洗濯中であったために、着るものがなくなってしまった。
◆仕方なく、みんなから提供されたいろいろな服を着させられる羽目になり、はるかの服に落ち着く。
その姿を景太郎に可愛いと言われ、素子は剣を振るうが、白刃取りをされてしまう。
また、近寄って来た たまちゃんにも白刃取りをされ、素子はショックのあまり気絶する。
◆素子は姉の夢を見ていた。
姉は、愛刀の「止水」を素子に渡すと、白無垢を着て去って行った。
目を覚ました素子は、姉なき今の神鳴流の心配をしていた。
◆街に出た素子は、ナンパされたり、路面電車の乗客の視線を集めたりと、注目の的であった。
ついには、取り巻きの女の子たちにまで見つかってしまったため、景太郎の服を借りて着ることにする。
◆一方、ひなた荘では、電化製品が行方不明になるという怪事件が発生していた。
たまちゃんに容疑がかかり、住人たちは巣を探すことになる。
その際、たまちゃんは素子の女らしい格好を好む習性があるとされ、素子はドレス風の服を着させられる。
◆隠し通路を探索の末、電化製品が山積みになっている部屋が発見される。
だが、そこに居たのは、スゥが作ったメカタマゴだった。
メカタマゴは、電化製品を食べ、巨大化していく。
◆素子は、巨大メカタマゴを倒そうと剣を振るうが「気」が出ない。
簡単に白刃取りをされたことも合わせて、女らしい服を着ているせいだと考え、服を脱ごうとする。
だが景太郎が止める。
「ただの服じゃないか。そんな怖がることはないよ」と。
◆素子は、女らしい格好をすることを怖がっている自分に気がついた。
姉が結婚を機に剣の道を退いたことが、トラウマになっていたのだ。
どんな格好をしていても、自分自身が定まるわけではないことを悟ったとき、
素子の一閃は、巨大メカタマゴを倒す。
◆その夜、素子は、姉から送られてきた晴れ着を着て、鏡の前に立っていた。
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