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51〜60巻

「大回転」(51巻)
◇あらすじ
 G国の大使がマリネラ王宮をたずねてきて, 「五百万ドル返していただきたい」と言った. G国がマリネラに大使館を建てたとき, パタリロは一年たったら返すという約束で五百万ドルの保証金を預かったのだが, それを返してもらいに来たのだ.
 ところがパタリロはその金をダイヤの海底鉱山を掘るのに使ってしまっていた. しかもダイヤはいくら掘っても出なかった.
 パタリロが困っているところに, 海外での情報収集を任務としている影タマ3号が帰ってきた. 彼の話によると, ある国が核廃棄物の処理で困っていて, 引き受けてくれたら五百万ドル出すという.
 パタリロはその核廃棄物を海底鉱山に埋めることによって処理した.
 五百万ドルが届くのをパタリロが待っているところにG国の大使が再び訪れた.
 実は核廃棄物の処理を依頼したのもこの男だった. 影タマ3号によれば, 処理で困っているというので, 金さえ出せば何でもやってくれる人物に心当たりがあるといって引き受け, パタリロに話を持ってきたのであった. 彼はパタリロから受けとった五百万ドルを核廃棄物処理の費用に当てるつもりでいたのだ.
「待てい!すると何か
 ぼくが大使に五百万ドル払ってそれを大使がお前に渡してさらに
 おまえがそれをぼくに渡して…
 どうどうめぐりじゃないか!」
「ああこれがほんとの金は天下の回りもの」
「金は天下の回りものどころじゃない
 これじゃ金は天下の大回転だー!」

「持参金」が元ネタでしょう.

「不運クジ」(53巻)
◇57ページ
「登録所の連中にはヘンリーが
 現われてもだまって現金を
 への一三六五番というクジを
 渡すように言ってある」

「宿屋の富」([5] [12])で一番富の当たる番号が「子(ね)の千三百六十五番」です.

「怪盗からす小僧」(53巻)
◇75ページ
「あそこのしながきの
 とせうけってのは?」

‐「どぜう汁(どじょう汁)」を「とせうけ」と読むギャグは「煮売屋」や「居酒屋」([19])に出てきます.

「妖刀「村正」」(56巻)
◇10ページ
「足元を見やがって」
「いーえ手元を見ています」
「えっ?」
「「道具屋」の落ち」

‐セリフの通り, 「道具屋」([20]) の何通りもある落ちの中のひとつです.

「雪の王国」(57巻)
◇160ページ
「いい景色だなあ」
「殿下でも雪景色を見ると
 ロマンチックな気分になりますか」
「これが全部砂糖なら
 大もうけできるのになあ」

「雑俳」(別名「雪てん」)([21])で八つぁんが「初雪やこれが砂糖なら金もうけ」という句を読んでいます.

「美しきエレーヌ」(58巻)
◇96ページ
「粗茶ですが
 おや
 これはどうも」
「粗茶菓子は出ませんか」
(中略)
「ありあわせのクッキーですが」
「これはおいしそうな
 粗クッキー」

「道灌」([22]のご隠居と八つぁんのやりとりに同じようなセリフが出てきます.

「食堂のオバちゃん」(58巻)
◇129ページ
「ガタガタぬかすんじゃねえ
 この丸太ン棒が!!」

「たがや」([4] [5])や「大工調べ」([4] [10] [17])に出てくるタンカが元ネタでしょう.

◇138ページ
「しょーがねーから
 朝は納豆売り 昼はアメ売り
 夕方は二八そばの屋台を
 かついで 夜になったら
 いなり寿司を売って歩いた」
「古典落語の
 世界ですね」

「鼠穴」([23])の, 兄から借りた金で弟が商売を始める場面で同じような言い回しが出てきます.

「海亀のスープ」(59巻)
◇17ページ
「いや 空を飛ぶ物なら飛行機以外
 四足の物ならテーブル以外はなんでも食べます
 ああ炬燵(こたつ)も食べませんね
 あれはあたるから」

「饅頭こわい」([5])に出てくるギャグです.

「美少年大江戸男色絵巻」(59巻)
◇135ページ
「ところが小紫には客があると
 いうのでNo.2の深草を呼ぶ
 ことになった」
「浅草?」
「深草!」
「ああ
 しょうしょうの
 ちがい」

‐「浅草」と「深草」とを間違えて「しょうしょうの違い」というギャグは「野崎詣り」([24])に出てきます. ちなみに「しょうしょうの違い」というセリフは, 平安時代, 小野小町に恋して九十九晩通ったという深草少将(ふかくさのしょうしょう)に引っかけたものです.


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パタリロ調査報告(落語編) 2001-09-06 21:41:07 GMT+9:00