高座に上がり、思いっきり猫背な感じで“ちんまり”とおじぎをして、 頭を上げたきょんきょんこと、喬太郎さんである。 さぁ今日は新作をやるのか、古典なのか。 どこでコワレるのか。 主任を務めている寄席や企画モノの落語会での ファンの期待はそれは大きいものである。 客席の高揚感が違う。どよめいている。 でも喬太郎さんはそんな思いをふっと軽くかわしてしまう。 どんな風に裏切られても、楽しみなのである。 すんなりと古典に入っても、 師匠のさん喬さんゆずりの的確な人物描写でそれぞれの場面を楽しめるし、 新作となれば・・・!! 女子高校生、大学生、おばさん、彫師、板前、噺家、サラリーマンは 言うに及ばず、アメリカ人もクラゲも。 思いっきりデフォルメして、喬太郎ワールドになくてはならない キャラクターに仕上げている。 世の中にいろいろなことがあって、 喬太郎さんもいろいろなことを見ていて、 また新たなキャラクターが増えていくのだろう。 意表を突くような思わぬ展開を、私は心待ちにしているのである。 (文:ちゃーりー、2002-05-13) |