染二さんの売りはハイテンションな高座だけ、 と思っている人がもしいたら、ぜひ独演会に足を運んでほしい。 確かにこの人の「牛ほめ」や「寝床」はすごい迫力だ。 落語をかなり聞いた人でもきっとカルチャーショックを受けるだろう。 しかしその一方では芝居噺も得意で、 見得を切ったときのカッコよさは何とも言えないし、 上方の大ネタ「立ち切れ」や、 江戸落語から移植した「富久」でホロッとさせたりもする。 ただ、最近の発言を聞いていると、 「脱ハイテンション」みたいなことを考えているようなのがちょっと気になる。 芝居噺や人情噺にも大いに期待しているし、 がんばってほしい。 でも、どんな大看板になっても、 あのパワフルでエキセントリックな落語は続けてほしい、 とも思うのである。 (2002-01-19)
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