喜多八さんはいつもだるそうに肩を落とし、 足をひきずるようにして出てくる。 枕もボヤキ口調で、身体が弱いようなことをよく言う。 それはそれで面白いのだが、騙されないよう気をつけられたい。 実は気合十分の本格派なのである。 寄席の浅い出番では、 「にせきん」「やかんなめ」といったレアなネタや、 出のときのキャラクターそのままの「小言念仏」で楽しませてくれる。 トリをとれば、「らくだ」や「文七元結」などの大ネタで期待を裏切らない。 若手というよりはもう中堅といったほうがいいポジションだろう。 そろそろまたひと化けしてくれるんじゃないかな、 などと思う今日この頃である。 (2001-09-05)
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