四月に鳳楽さんの「百年目」を聞いた。 素晴らしい高座に出会えたことに、 嬉しくて涙が出そうになった。 優しくてちょっと涙もろい旦那もよかったが、 前半の貫禄十分の番頭が特によかった。 番頭がよいのは、 鳳楽さん自身が円楽一門の大番頭だからだろうか。 あれだけの貫禄を出せるから、後半の情けなさが引き立つのだ。 実はけっこう噺の途中でかんだり、不自然に間が空いたりする。 しかし、そんなことは傷どころか、 魅力を引き立てるアクセントに思えてしまう。 それくらい鳳楽さんの芸はスケールが大きく、包容力があるのである。 いずれ落語界のセンダンになるのは間違いない。 もっともっと注目されていい噺家である。 (2001-07-23) |