真打になって三年目とまだ若いが、 本寸法の江戸落語を堪能させてくれる噺家である。 二ツ目の頃から噺の巧さや持ちネタの多さでは定評があった。 古典落語に真っ正面から取り組んでいるが、そのことに対して、 照れて引いてみせたりすることはない。 かといって、ことさら「一所懸命やってます」と力むこともない。 まるで、高座に上がって落語をやることが、 平治さんにとっては、食事をしたり寝たりするのと同じくらい、 生活の一部となっているかのようだ。 だからどんな大ネタをかけても、見ている者に不安を感じさせない。 私たちは構える必要もなく、スッとお江戸の世界に連れていってもらえるのだ。 平治さんのおかげで、 あと数十年は落語が滅びるという心配をしなくて済みそうだ。 (2001-07-09) 関連ページ: 「平さんがゆく!〜噺家・桂平治の部屋」 |