三喬さんは、いつでも高座の上でリラックスしているように見える。 サンケイホールでも、北竹谷福祉会館でも、変わらない自然体の高座だ。 のほほんとした風貌は、たしかに「角刈りのくまのぷーさん」のようであるが、 実は、ものすごく物事にこだわって噺をつくりあげているんじゃないかと思う。 誰もが、ただ「あはあは」と楽しむことができる、現代に通用する無理のない笑い。 それは、どこか「通の人でも初心者でも、攻略本なしで楽しめる人気ゲーム」 みたいなものなのかもしれない。 (という例えは失礼だろうか。わたし自身がそういうゲーム大好きなもので) 去年の大盛況だった第一回目の独演会。ゲストで出演した師匠の松喬さんが 「このひとが、これからの上方落語をしょって立つ人間になるという日が、 ひょっっっっとしたら来るかもしれん・・・という気もする」 というようなことを、おっしゃっていた。 今後きっと、大ネタを見せてもらえる機会も増えることだろう。 そしていつか本当にそういう人になってくれる日を、 わたしたちファンは楽しみに待っているのである。 (文:まさゆみ、2001-06-25) |