東京〜栃木〜東京・250km('99.7.24〜25)




 某所の仲間内で、「夏の暑い日にカートレースやるオフやりましょうやぁ」というコトになった。ちんたはカートライセンスを持っていないし、今更ライセンスを獲る時間的+金銭的余裕が無いので走れないのだけれども、とりあえず飲みに行こうということで、参加することにした。目的地は栃木。ツーリングにはまぁちょうど良い距離ではないか。要はこれが大きく作用して行くこと決定(^^;)

 とりあえず、単にまっすぐ栃木に行くと国道4号線をひた走ることになり、あまりおもしろくなさそうだ・・・というかちんたの記憶では国道4号線はバイパスも旧道も車がばひゅんばひゅん通ってておっかない。行き帰りのどちらかは4号線だとしても、せめて行きくらいは別の道で行こう・・・。
 ということで地図を眺め、少々大回りではあるものの、荒川沿いに熊谷まで駆け上がり、熊谷から群馬県の桐生市に入り、桐生川ダムを回って老野越峠を越えて栃木に入る・・・おお、完璧だ。なんとなくおもしろそうなコースではないか(^_^)。

 朝5時に出発する。とりあえず荒川に出るまではちょっとした苦行だ。環七を駆け上がらなくてはならない。土曜の早朝だからそれでもまだ交通量は少ないとはいえ、自分の横30cmくらいのところをダンプカーがごんごん走っていく、こえ〜〜〜(^^;)。練馬区に入る辺りまでは環七でがんばるものの、時間とともに増えていく交通量にびびって離脱、離脱したはいいが、今度は練馬の住宅街の中を彷徨うことになる。どっちにいけば川に出るんだ〜。「北に行けばいい」という、まるで北極点を目指すときと同じくらいのいい加減な方向感覚で住宅街を走るちんた(ゆえに、北に向かう道路がないとさらに迷う(^^;))。

 悪戦苦闘の末、荒川にたどり着いたのは6時半であった。まだ、世の中のふつうの感覚で言えば早朝だよね。とりあえず彩湖(荒川調整池、戸田の辺りにある)から荒川でGOである。彩湖の周りは彩湖道満グリーンパークとして整備されていて、自転車でとても走りやすい。まだ早朝なのでそれほど人はいないが犬の散歩、ジョギング、水辺に座って読書としゃれ込む人などなど。

 彩湖を巡る周回路の北端からはずれてさらに北上すると秋ヶ瀬公園である。ここはつい4日前の荒川自転車ツーリングでのスタート地点だ。

 つい4日前に走ったばかりの記憶も鮮やかな荒川サイクリングロードを北上する。まだ朝が早いこともあって、追い抜いていく自転車、すれちがう人々などがとても少ない、らくちんらくちん。

 らくちんは良いが、陽ものぼり、時計の針が8時を回るようになるといよいよ本格的に暑くなってきた、う、うおお、あっついよお。汗がぼたぼた落ちてくる。そんなときにあれである。

 ぷしゅう!

 ・・・パンクである。4日前の荒川に引き続き、またも荒川でパンク。前回は前輪であったが、今回は後輪だ。あうあうあ。炎天下の中、タイヤ交換作業。これがまた、パンクした後輪タイヤが実に完璧にリムに接着してあり、なかなかタイヤがはがれてくれない(いや、これはこれで誉めてあげるべきかもしれないが(^^;))。炎天下、どこにも日陰の無い直射日光ばりばりの下、筋力トレーニングにいそしむちんた。汗は走っているときよりも流れまくる。とりあえず20分程度で交換完了。その後、パンク補修の疲れをとるのに10分かかってしまった。ま、とりあえずスペアタイヤを持っていたからいいようなものの、タイヤ切れだったら大変なところだった。

 さて、気を取り直して北上だ。勝手知ったる荒川の道。9時頃に熊谷着。

 熊谷からは群馬県桐生市に向けて国道をひた走る。にしても、あっちいなぁ。国道を走るようになってから気分的に暑さ倍増。なんだかスピードも出ないなおいおい・・・みたいな感じでへたれる。  へたれたところにガスト。ガストと言えばドリンクバーである。とりあえず・・・入って食事とがぶ飲み。いや、文字通りがぶ飲みしたくなるときなのである。結局なんだかんだで1時間近く和んでしまう。それでもそんなに疲れがとれたわけでもないわけで・・・。

 11時を過ぎるようになると、日差しは一層きつくなる。栃木県と群馬県の県境を貫く県道を走りながらもすでにへろへろ、かなり終わっているちんた。かなりこまめにコンビニストップをかける。

 桐生市に入り、中心市街地にたどり着いたところで、自転車を桐生川ダムの方に向ける。とりあえず、桐生川ダムで休憩だ。ところが、この桐生市街から桐生川ダムに向かう県道66号線、最初はゆるゆると登っていくものの、次第にジャンボな坂が待ち受けているようになる。そりゃ、まぁ、ダムに向かおうってんだからそうなることはそう不自然ではないのだけれど。上り坂であること以外はとても気持ちのいい道だ。周りは山に囲まれ、その狭間を川の流れが気持ちいい音を立てている。いっそのこと自転車ごとその流れの中に飛び込んでしまいたい気分だ。こういう道を通ると、遠くまで来た〜という実感がある。なんとなくツーリングの喜び・・・みたいな。

 ま、そういう喜びはあるにしても坂はジャンボだ。前方を見据えると「うええ」と思うほど上の方に道が連なっているのが見える。「うう、あれは自分が行こうとしている道ではありませんように」と一抹の希望をかけるものの、結局はそこまで登ってしまうことになるわけで・・・・。

 お昼になって桐生川ダムにたどり着く。なんだか周辺の公園だかなんだかの工事で少々うるさいが、とてもいいところ。
 ダムのそばには小さな売店があり、かき氷ののぼりがひらひらと揺れている・・・。か、かき氷〜〜。これほどかき氷食べたいと思う瞬間などあろうか?とにかく猛暑と登坂で体のあらゆるところが熱しきってしまっているのが自分でわかる。とりあえずおなかの中から冷やそう。

 かき氷ができるまで、ぜはぜはと息を切らせているちんたに、売店のおばちゃんがなにげに声をかける「おにいちゃん、どこから走ってきたの?」、とりあえずちんたは他に答えようがないので、「ああ、東京から」と言うと、

ええ〜〜〜?!!

 と、いくら何でもそんなにおどろかんでもええやろ、と思うくらいに驚いていた。驚くだけでなく、近くにいた家族に向かって、「なぁなぁこのおにいちゃん東京から来たんよ!」そうすると今度は奥の方から「なになに〜?」とわらわらと人が出てくる。おいおい、ちょっと待て(^^;)。なんだか、絶対にわけわかっていないであろう1歳児くらいの子までにこにこしてこちらに歩み寄ってくる。こらこら(^^;)。

 結局、かき氷を食べながら、なんやかやと一家と話をするちんた。例の1歳児は店の奥から勝手に品物を持ってきては「はい(^^)」と言ってぼくに差し出す。いちおう「ああ、ありがとう(^^;)」といってもらうふりだけしておばちゃんに返すのだが、この子次から次へと持ってくる(^^;)。しまいにはテーブルの反対側に置いていたちんたのヘルメットを持ってきては「はい(^^)」と渡してくれる。いや、それはぼくの・・・。

 「へ〜大変だねぇ、ここから今度は栃木まで?しばらく登りは続くよぉ

 例の1歳児の母親であろうねぇちゃん(でもちんたよりずっと若そう)に励ましとも引導ともつかぬ言葉をもらい、ちんたは老野越峠に向かって出発したのであった。

 

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