北海道ツーリング・6日目
留萌〜旭川〜富良野〜日高・220km('99.8.26)


雨上がりの朝に
留萌から旭川へ
丘を越えゆこぉよぉ
美瑛の丘、富良野の平野、日高の峠
ムーミン谷は賑やかに
「ライダーハウスムーミン日高」の夜


留萌から旭川へ

 さて、今日は頑張る日なのだ。200km走るのだ。峠も登るのだ。

 というわけで昨日は入念にコンディションを整えることに専念。短めの行程も、ゆっくりなお風呂も、早めの睡眠もすべては今日のためである。今回、渡道してから1日200kmoverな日はすでに3日目にあったのだけれども、そろそろまたやりたい。ばこばこ漕いで漕いで漕ぎまくる一日。今から思えば「そんな旅の何が楽しいんなら!?」と思わなくもないが、この日のちんたは起きた時から燃えていた(?)。

 朝3時半に起床。なんだか夜中のうちに大雨が降っていたらしい。幸いなコトにとりあえずやんでいる。天気予報もおおむね大丈夫だろうとの予報。おーけーおーけー。身支度を整えるちんた。4時半にライダーハウスを出ようとすると、同じく早朝から出ようとする女性ライダー。ライダーは良いよな、エンジンかければぴゅーと行っちゃえて。ちんた、まだ身体が寝ているのでうまいこと進みまへん。

 この時点でこのあたりです。
左上が留萌市街です。ここからR233を右下の方に向かうと深川・旭川方面です。

 そう、なんだか思うように進まないのである。雨がタイヤにまとわりつくせいか?などとも考えてみるが、どうにも足の回りが悪い。大丈夫か200km!?走り初めて1時間で早くもたれ込める暗雲。おまけに早朝なのに北海道人は仕事熱心、ダンプが傍らをぼこぼこすり抜けていく。この時間に限って言えば都心を走るよりも状況的にきっつい。大型車の割合がやたら高いんだもんな〜。

 かといって逃げられるようなバイパスも無し。あきらめて半泣きになりながら国道を走る。

 あまりのダンプの多さに業を煮やし、国道233号線から国道275号線に切り替える。同じ国道といえどもずいぶん車の通行量が違う。よかった〜。やっと人心地が戻ってきた感じ。国道の両側はなんかの畑(いいかげんな・・・(^^;))。北海道は農村のようなところでも道路だけはやたらに立派。ありがたいと言えばありがたいこと。道が広くて綺麗だから妙にからっとした雰囲気の農村になるんだよな。朝の農場はとても気持ちがいい。早起きは三文の得(^^)。

 ちなみに本日の行程は最後に日高に入る前に金山峠、日高峠とダブルで峠越えをやることになっている。どんなに避けてもこの峠は通らざるを得ないようなのだ。で、とにかくその峠に備えて余計な体力は消耗したくない。本日の前半戦、これがコンセプトである(^^;)。そんなわけで、旭川まではとにかく体力温存体力温存日々是決戦親身の指導である。

 と、いうわけで前日から地図を眺めながら(特に等高線)、入念に入念にコースを練った旭川までの道のり。これで良いはずだ道道98号。

 ・・・って、なんだか登ってるじゃん(泣)。

 最初はいわゆる北海道的おおらかさで言うところの平らの範疇で、ちょっとした丘、すぐに下るさ、と思っていたのだけれども、行けば行くほどどんどん上の方に放り上げられていってしまう。時折見える下界の景色の良いことといったら・・・ってそういうのを望んできているわけじゃないんだ(^^;)。うぇぇんいつのまにかヒルクライムだよお(^^;)。

 この時点でこのあたりです。
左のダムの方から進入。空知支庁と上川支庁の境界に向かって走ります。
特に峠の名前はついていないので峠じゃないのかもしれませんが、ちんた的には「峠」です(^^;)

 なんか「なんにもせえへんから」といわれついていったら結局襲われてしまった女の子の気分である。こんなはずでは無かったのに・・・。またも北海道にだまされひいひい言わされるちんた。おっかしいなぁ、あんなに入念に地図読みしたのに(^^;)。

 峠のピークが上川支庁と空知支庁の境界で、同時にここを超えると旭川市に入ることになる。しかし、道民でないちんたには**支庁と言われてもいまいち実感湧かないんだよなぁ(^^;)。TVの天気予報なんかはこれが単位になっているみたいだけれども。そんなわけで旭川へは峠下りから進入。なんか旭川といえば札幌に次ぐ超都会というイメージがあったのだけど、こんななんにも無いところがあるというのが意外。東京に青梅から入ってしまった人もこんな風に思うのかな?(^^;)

 でも、石狩川なんか渡ってみると、おお、旭川だね、と実感。


石狩川です。まだ午前中は天気がいまいちでした。
石狩川を渡るとちゃんと旭川市街に入ります。

 旭川市街はやっぱり都会でした。どこにこんなにあるんだろうというくらいに車がたくさん。なんか今までの北海道とは違う北海道です(^^;)。やはり都会だからしょうがないのか、走りにくいんですよね。路上駐車の車がたくさんあって(ただ、まぁ、旭川の名誉のために書いておけば、後日東京に戻ってから旭川でもぜんぜんましだったということに遅ればせながら気が付きました(^^;))。

 旭川は道が広くてまっすぐ。つらつらと走るうちに、旭川空港のそばを抜け、旭川競馬場のそばを抜けていきます。だんだん天気が良くなってきたので、だんだんちんたはうきうきしてきます。ここまで約70km。まだ1/3しか走っていません。



美瑛の丘、富良野の平野、日高の峠

 おか〜をこぉえ〜ゆこ〜ぉよお〜♪

 美瑛は丘の町。ガイドブックなんかでも連なる丘にパッチワークのように色とりどりの花や野菜の畑があって・・・みたいな写真を見たことがある人も結構多いのではないだろうか?美瑛、はっきりゆって、そのイメージそのまんまであります。旭川を過ぎてから朝方とはうって変わって良いお天気に恵まれ、青い空、白い雲、畑、丘。青色、白色、茶色、緑・・・・いろいろなカラーの狭間を抜けていきます。

 ま、丘の町というからにはまぁそれなりにアップダウンもあって、登らされちゃったりするわけですが、一つ一つの丘がそれほど大きくないので、へばる前には丘のピークにたどり着き、下り始める・・・といった感じでしょうか。


そのパッチワークのような丘の間を縫うように下っていくのがとてもキモチイイのです。
下りに入る丘のピークで写真を一枚。

 途中でマイルドセブンの丘と呼ばれる丘にも登った(狙っていたわけでは無いんだけれども、上がったり下がったりしているうちに、看板が見えた。ラッキー)。確かマイルドセブンのCMに使われていたのは雪景色・・・だったっけ?なんか木が一本立っている辺りがそうだというコトなんだけれども、う〜ん全然思い出せない。看板があって多くの観光客が居なければ、美瑛に佃煮にするほどある丘の一つ・・・というだけで取り立ててなんちゅうこともない(これこれ)。

 マイルドセブンの丘を越えて、下って登って下ると国道38号線に出ます。別名富良野国道といわれている38号線。旭川から美瑛を通って富良野、帯広に抜けていく国道。さすがにこの国道にはいると脇をすり抜けていく車が圧倒的に観光バス。とにかくバス。まぁね、そりゃそうかもね。ダンプよりゃマシだけどやっぱり恐いのである。

 国道に入っても相変わらず登ったり下りたり。大して疲れを感じるようなアップダウンでも無いんだけれども、まぁアップダウンなのである。登り切ったところでパッと視界が開けると、左側には十勝岳が見える。でっけ〜なぁ、十勝岳。

 そんな丘を何度もアップダウンしているうちに、いきなり「深山峠展望台」なる看板が現れる。あり?峠?峠登っちゃってたの?という感じ。地図見てもそんな峠はなかったと思うけど・・・あり?そりゃ登りが多いとは思っていたけどさ。美瑛の丘を上り下りするうちに登りに対する意識が麻痺してしまったのだうか。なんとなく拍子抜けしてしまった感じ。ちなみに、この丘、反対側の富良野側に下る時は一気に下るという感じで、ああ、確かに峠だったのねということを認識させられた。これ、富良野側から抜けようとしたらちょっときつかったかも。

 峠を下りきるといよいよ富良野である。が油断してはならない。まだ上富良野なのである。富良野と名前の付く市町は多く、上富良野町、中富良野町、富良野市、南富良野町と連なっている。なんだか埼玉県浦和市に東浦和駅があって南浦和駅があって・・・というのを思い出させるが、なんといってもこちらは北海道、スケールが違う。市町単位で並んでいるのだからだからね、上富良野から南富良野まで距離にして約70kmず〜っと富良野なのである。東京都一個分くらい富良野(^^;)。

 だからまぁ、上富良野町を入ってから、いつまでたっても、どこまで漕いでも富良野なのである。行政界が違うとは言っても、いちおう富良野つながりなわけだし、いつまでもいつまでも「まだ富良野〜」という感覚が続く。

 上富良野町では陸上自衛隊の横を通る。これまた北海道的スケールで、でっかいね〜というくらいとても大きな駐屯地。練馬あたりの駐屯地と比べると雲泥の差。自衛隊は牧場でもやろうとしているのか?と思うほどに広い。フェンス越しに戦車なんか置いてあったりする。お好きな方にはきっとたまらない光景なんでしょう。練馬の駐屯地なんかではそういうの見えないもんね。とにかくでかい。

 いわゆる富良野、であるところの富良野市の真ん中辺りに着いたのは午後2時半。コンビニにて小休憩。少々時間が押しているし、ここから先は峠越えが残っているのでちんたも時間はちょっと気になるところ。

 そうそう、富良野といえばやはり話として避けて通れないのが黒板五郎の家。純と蛍の家ですね。富良野をしゃこしゃこと走っているうちに、やはりそのロケ地への方角を示す看板が立っています。「黒板五郎の家 15km→」

 15kmも行けるか!!(^^;)

 往復30kmも寄り道してられるか、ということで5秒も考えずに素通り。とことん観光地に冷たい今回のツーリングである(^^;)。

 この時点でこのあたりです。
国道38号線を富良野(北)の方から南下しています。
真ん中あたりにある「東山やなぎ」という交差点を南(R237)へ折れ、金山峠、日高峠に向かいます。

 午後3時半頃、いよいよ金山峠、日高峠の二つの峠越えを含む本日の最終コース、国道237号線に入っていきます。残り40km弱。ちんたの登坂スピードから考えて日没との競争・・・という感じで結構やばいかな、という思いも。が、越えないことには先に進めないわけで、泣き言言わずにとっとと進まなくてはいけません。これまでの国道37号線と違い、道路の両脇がそこはかとなく寂しくなってきたところもまた、気分的に不安倍増。

 まずは一個目の金山峠です。事前に高さの書いてある地図が手に入らず、また等高線を読むのもめんどくさかったので標高何mまで登るのかいまいちよくわかりません。やはりそういう事前準備はさぼってはいけないのです。とりあえず、標識からピークまでは4kmらしいという距離だけわかったのでとりあえずえっちらおっちらと登ります。ゆるゆると登ってギヤもインナーローまでいかされているのですが、のろのろと登っているおかげでそれほどめっちゃめちゃに疲れるということもありません。意外にイケるじゃん。こりゃ、日没前までにはたどりつけるか、少々の安堵感。この峠はトンネルがピークとなるトンネル峠。

 トンネルを抜けると、そこは夕立だった。

 どうしたというのだ。山の天気は変わりやすいというのはマジホントらしい。トンネルを抜けて200mも走らないうちにいきなり猛烈な土砂降りに襲われてしまった。それこそ雨具を用意する間もなくあっという間に全身、荷物、すべてがびしょぬれ。今更遅いがとりあえず防寒のためにレインコート(コンビニの安いやつ)を着用。雨具はいいが、とにかく土砂降りで50m先の視界も無い。下りなのに恐くて15km/hくらいでのろのろとしか走れない。めっちゃめちゃに恐いんだもの(^^;)。やばい、やばすぎ。半泣き気分でのろのろと峠道を下る。ただでさえ下りが下手っぴぃなのに雨。もうタイヤには溝なんてほとんどないのでヤバすぎコワすぎ。泣きそうっちゅうか、心の中は大泣きだよお(;_;)。

 とろとろと30分ほど下り、占冠村にたどり着いた頃、ようやく雨が上がった。ふう。全身びちょ濡れ、荷物もびちょ濡れ。まだ峠は日高峠が一個残っている。雨は上がったが半泣き気分継続。

 それでも文句を言わず我慢の子で登らなければならない。金山峠のような峠なら、おそらくもう一本なら登れるだろう。とりあえず、進む。

 

 実際、日高峠は金山峠と同じような峠であった。すごく似ている印象の峠。もうだんだん暗くなってきて、リアのフラッシャーは点けた方がいいでしょ?というくらいには暗くなってきている。さくさくと下りなければ。

 ところで、この日、二つの峠を上り下りしている間、やたらに救急車とすれ違いました。何台も何台も。なんがあったんじゃろ〜とのんきに見ていたのですが、どうやら、日高峠を下りきったところにある町、日高(そのまんまやね)でトレーラーと観光バスの事故があってかなり大量の負傷者が出たとのこと。日高の大通りがそのために通行止めになっていた。この日、北海道では夜のニュースでもこの事故のことが大きく取り上げられていました。

 とりあえず、ちんたは18:30、すっかり日が暮れてしまってはいるけど無事に日高に着きました。走行距離220km。長い長い一日だった。a big day。そんな気分。よくやった、よく走った。自分も、自転車も。



「ライダーハウスムーミン日高」の夜

 「あの川を渡って右に折れてずっと下っていった所だよ」

 そんなふうに教えてもらった、今日の宿、ライダーハウスムーミン日高。時刻は7時近くになっていて、陽もすっかりくれて真っ暗。街灯一つない谷間の道を下っていく。びしょぬれ&疲労困憊のちんたはだんだん心細くなる。日高の町から4kmほど下っていったその先に、ぽつんと一軒だけ暖かな光のともって、湯気の出ている家が見えた。

 「ほんとにムーミン谷みたいだぁ」

 第一印象そんな感じ。ただ、ここ本当にライダーハウスなんだろうか?見た目ホントに普通の家といった感じ。道を教えてくれたガススタンドの兄ちゃんは「一軒家だからすぐわかりますよ」と言っていたので、おそらくこれだろうというか、これじゃなかったらやばい、と思うのだけども・・・・。

 「ごめんくださぁい」

 ドアを開けると、普通の玄関に中もなんだか普通のリビング。あり?ホントに良いのか?(^^;)、中から女の子がこちらを見てる。あうあう、ここ一般家庭だったらどうしよう(^^;)。  しばらく逡巡していてやっと、中からおやじさんが出てきた。はぁぁ、良かった、ここ、ちゃんと、ライダーハウスらしい。
 とにかく、疲労困憊、疲労困憊。ホントにマンガのようにドサッと崩れ落ちるちんた。はひ〜やっと今日一日が終わりそうだぁ。
 着替えのほとんどもびしょぬれだったのだけれども、その中でもとりあえずまだ状態のいいシャツを選んで着替える。やっと人心地着く。走りきった満足感。

 「兄ちゃん、どこから走ってきたんだね」

 ライダーハウスのおやじさんに話しかけられるちんた。

 「あ、今日は留萌から富良野を回って・・・・」
 「留萌!?何km走ったのよ?」
 「えーと、200kmくらい・・・・」
200km!?自転車でしょ?だめだよ〜そんなに走っちゃあ
 え!?ダメっすかぁ?え?え?。
 「ダメだよ〜、だめ、だめ」

 

 う〜むむむ。この後、ちんた、おやじさんと話すたびに「200kmはダメだよ〜」と言われ続けた。

 「兄ちゃん、それじゃあ、風呂入れよ、風呂。こないだできたばっかりだから」

 へ?できたばっか?そういえば建物もライダーハウスにしてはやたらに新しい。聞いてみると、このライダーハウスは、このおやじさんが手作りでこつこつと作っている途中(まだ外壁なんかは剥き出しだった)なんだそうな。去年から建物はある程度できたので、ライダーハウスとして使っているのだけれども、風呂は今年ようやく完成したんだそうな。それも五右衛門風呂だそうで。なので、ここ最近のこのライダーハウスの自慢はこの五右衛門風呂なんだそうな。

 そりゃあ、まぁ、早速、行くしかありまへんな。行きましょう行きましょう。五右衛門風呂は建物の外に出て、10mほど行ったところ(ぜんぜん庭の中だけれども)にある。

 「ほれ、今、ちょうど湯加減いいところだからさ」

 薪を入れて火をくべていた、おやじさんが手招きする。おお、それじゃあ入りますかね。


これが自慢の五右衛門風呂。コンクリートで作ってあります。
奥は洗い場。ちゃんと床を作ってあるところがすごい。

 ちんた、なにげに五右衛門風呂初体験。前もっておやじさんが教えてくれるには「入るときには、木蓋をひっくり返らないように沈めて、その上にのっかって入るようにしなよ」とのこと。ふーむふむ、やってみましょう。五右衛門風呂の縁に座って両足で蓋を踏んづけます。ゆらゆらと沈んでいく木蓋の上に乗って、ちんたも見事、湯船に沈む。ふうむふむ、こうやって入るのね〜。
 五右衛門風呂は極楽気分(^-^)。す〜っと疲れがとれていく。ムーミン谷の五右衛門風呂。とってもキモチイイ。

 風呂に入ったらようやく元気が出た。あらためて見回すと本日の泊まり客は、名古屋から来た女子大生チャリダー二人組、大阪から来たライダー二人組、千葉から来たライダー三人組、カップルライダー一組。

 カップルライダーは、彼氏が前で彼女が後ろ、一台のバイクにタンデムで北海道を回っているらしい。
 「いや〜、後ろはで良いよ〜。私はきょろきょろして写真撮る係りなの」
 あはは、それはとても楽ちんだ。話してて、五右衛門風呂キモチいっすよ、とか話していたら、
 「え?五右衛門風呂?行く行く、行こうよ」
 と彼氏を引っ張って行ってしまった。ちょっと待て(^^;)、あの五右衛門風呂に二人で入るのはいくらなんでも無理だろう!?む〜それとも五右衛門風呂、狭いからこそ面白いのだろうか?ちんたの心配をよそにカップルライダーは五右衛門風呂へ(^^;)。

 名古屋から来た女子大生二人組はチャリダー。そういえば玄関にMTBが2台置いてあったっけな。

 「もう、貧乏旅行で貧乏旅行で・・・」

 と言いながらジャムを塗った食パンをかじっていた。聞いてみれば、この二人は大学の自転車部の先輩、後輩の間柄の二人なんだそうな。自転車部の合宿が北海道ツーリングだったので、合宿終了後も足を延ばして二人で北海道を回っているんだそうな。

 「でも〜、辛くなったらすぐ輪行って感じでぜんぜん乗ってないですよ〜」

 乗ってないと言いつつ、今日は、占冠から日高峠を越えてきているのである。ぜんぜん乗ってるじゃん。

 「あ〜、十勝岳も登りましたよ」

 めっちゃめちゃ強いじゃん(^^;)。先輩の方が後輩をさしてこういう。

 「この子、ホントに上り坂速いんですよ〜、ぴゅ〜っと行っちゃう。あっと言う間に置いてかれちゃうんです。しかもチェーンホイール(前のギヤ)はアウター(苦しくて速い方)に入れたまんまなんですよ〜」

 うひ〜。メカニカル娘だぁ〜(←かなり古いけど知っている人は知っている(^^;))。後輩曰く、

 「いや、私、坂は遅く走ると逆に辛いんですよ〜、でも先輩だってめっちゃめちゃ早いじゃないですか」

 なになに?こっちも速いの?

 「早いですよ〜輪行輪行袋に自転車詰めるのがあっという間なんですよ。いっつも私がホイールとフレームを縛った頃にはもう袋に包み終わってるんですよ〜」

 そ、それも技やね(^^;)。
 女子大生、さすが女の子なのか日焼けがとても気になるらしい。が、悲しいかなチャリダー、足にはくっきりと日焼けの跡。うーむー、それは見事にお嫁にいけない身体になっているね(^^;)。

 「そういえば・・・・」

 女子大生の後輩の方が話し始める。そういえばなんだい?

 「今日の夕方のTVニュースでやっていたんですけど、今、北海道をトラクターで回っている人がいるみたいですね〜」

 今日も出たかトラクター(^^;)。しかし、今日はついに北海道のニュースで紹介されたとのこと。これでダックもいよいよ有名犬だ。ちんたがライダーハウスに着く直前にそのニュースをやっていて、見ていたみんなで盛り上がっていたらしい。ちんたは昨日会っているのでちょっと鼻高々(^^;)(←やなやつ)。ホントに毎晩話題になるんだな、あのおじさんわ。

 五右衛門風呂と賑やかな夜。ムーミン谷の夜は更けていくのでした。

    =26日のお小遣い帳=
項目
金額
朝食(留萌・コンビニ、おにぎり)
昼食(美瑛・コンビニ、パン)
写ルンです
ライトの電池
給水(富良野・コンビニ、アクエリアス)
夕食(日高・コンビニ、ビール、ザンギ等)
ライダーハウス宿泊費
230円
400円
1000円
400円
220円
1400円
700円
本日の合計
4350円

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