8月30日 −Going back to じゃっぱ〜ん!−

 朝、ちょっと早めに起きる。今日はもうヨーロッパを離れる日。14:00発の中華航空で一路日本に向けてGOなのである。これで旅が終わっちゃう物足りない感とやっと日本に帰れる安堵感が7:3といった感じ。確かにもっと居たいと言えば居たいのだけれども、さすがにお財布の中ものっぴきならなくなってきたのもひしひしと感じる今日この頃。
 7時から開くYHの食堂で朝食。どうせ今日は自転車を漕ぐわけでもないし、飛行機に乗ってしまえばこれでもか!というくらい機内食を食べさせられるわけで、いつものようにたっぷりと摂るわけでもなく、適当にコーヒーをすする。このYHは運河沿いにあり、ちょうど食堂が運河に面している。朝もやの立つ運河を眺めながらブレックファスト。ま、正直なところ、日本食が恋しいというわけではないけれど、さすがにもうパンはいいです・・・という感じ。しかし、1ヶ月の旅の間、いつのまにか朝食をしっかりたっぷり摂る習慣がついてしまった。ほぼ毎日、朝食が宿泊費に込み込みになっていることもあって、食わなきゃ損とばかりに食い倒していたからな。 


 朝食の後はいそいそと荷造り。これも1ヶ月の間、毎日繰り返した作業だけれども、強はさすがに少しばかり手順が違う。いつもならば荷造りしながらサイクルジャージに着替えてペットボトルに水を詰めて・・・という所なのだけれども、そんな格好では飛行機に乗るのはちょっと避けたい(^^;)。渡欧初日以来、2000kmの旅をお供してきたペットボトルともここでお別れ。飛行機の重量制限のこともあるし、そもそも持ち帰ってどうするのだ?というモノだけに愛着があってもばんばん捨てる。ペットボトルは1ヶ月の激闘の跡を感じさせ、傷だらけでラベルもボロボロになっている・・・が、確実にこの1ヶ月間の命綱であったことも確か。「ありがとね」と軽く声をかけて3本まとめてゴミ箱に放り込む(←矛盾してないか?おい!(^^;))。
 空港までは迷ったあげく電車で行くことにする。なんだかアムステルダムの街は妙に道に迷いそうだったし、道に迷っている内に上空を過ぎる中華航空をお見送り・・・なんてことになったらしゃれになら無くなるので、慎重には慎重を重ねて電車とする。最後の方になると何かトラブった時にそれをリカバーする時間的な余裕はないから・・・。
 YHから駅まではほぼ一本道。とりあえず駅までは自走。運河沿いにマルクト広場の横を抜けて500mも行くと駅。本日の行程は約600mでおしまいとなる。もうメーターもないし正確なところはよくわからないのだけど。  アムステルダム中央駅からスキポール空港へは約15分。乗車券と同じくらいの値段の自転車持ち込み券を買わされてしまった。どうやらこの自転車持ち込み券、距離にかかわらず12G(約600円)らしい。 


 ところで。出発便の発時刻は14時。それに対してスキポール空港に着いたのは10時ちょっと前。いくらなんでも早すぎるんじゃないですか?という感じだけどさにあらず。ここで大仕事が残っているのでした。

 自転車のパック。

 要は機内預け用に輪行袋に詰め込まなければいけないのだ。普通に輪行するだけならばちゃちゃっとそれこそ10分程度で適当にやってしまうのだけれども、そこはそれ、飛行機輪行、丁寧に・・というか厳重に対衝撃対策を施さないと羽田のバゲッジクレームで悲惨な自転車にごたいめ〜んとなってしまうので、ちょっと必死入って一生懸命パッケージ。日本を出る時にはかなり用意周到に段ボールを挟ませてみたりエアシート(ぷちぷち)を挟んでみたりといろいろできたのだけれども、さすがに帰りはそういう緩衝材が手元に無い。結局、中央駅の売店で買った新聞紙2紙と数少ない衣類、さらに前日ホームセンター?みたいなところで購入したビニールテープを駆使して自転車のあっちゃこっちゃにかぶせたり挟んだりして輪行袋に詰める。これが結構時間がかかって、思った通り1時間以上食ってしまった。果たして羽田で無事に逢えるのか・・・・。しかし、空港というのは便利なところで、普段、電車に乗せるための輪行ならば袋に詰めた後、これをかついでえっちらおっちらと歩かなければならないのだけれども、空港は荷物を載せるカートがあって楽ちん楽ちん。
 チェックインは出発の2時間前から受け付け。旅慣れた人ならばぎりぎりまでチェックインを遅らせてアップグレードを狙ってみたりするのかもしれないけど、旅慣れないちんたさんほぼ先頭でチェックイン。スキポール空港ではカウンターで自転車を預かってもらえず、「あっちに行ってね」と指さされた先の「規格外荷物受付」?みたいなことをかいてあるカウンターの方まで回されてしまった。ちなみに、自転車入りの輪行袋が12.8kg、バッグの荷物の方が4.8kgと荷物の重量制限(20kg)は軽々とクリアー。ここらへんはさすがロードレーサーならではか。
 イミグレを通って、探すは電話。いちおう、飛行機が出る前にメールをチェックしてみたり掲示板に書き込みをしてみたいと思ったわけだ。スキポール空港はなぜかイミグレの内側にだけモジュラー付きの公衆電話がある。しかし、これがまたうまくかからない。かかったと思ったらコンピューターの方が電池切れ・・・となんだかドリフのコントのようなことを繰り返すこと1時間弱、やっとのことで用事を済ます。
 結局、こんなコトしてばたばたしているせいもあって、搭乗の前に一杯くらい引っかけてから行こうかな・・・と思っていたのもあえなくパー。そもそも、中華航空の付くゲートがターミナルの中心から思いっきり遠く歩くと10分近くかかる。さらにその近くにはトイレが無く中央まで戻らないといけない、そんなことを繰り返している内に搭乗時間になってしまった。なんだか朝からバタバタとしたまま搭乗となったのでした。  


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