8月17日 闘え!ギャンブラー

プラハ滞在中。
 同室のオーストリア人3人組は7時頃に起き出して、8時には観光に飛び出して行った。元気やのう。ちんたおじさんはとりあえず二度寝。せっかくの海外旅行なのに、もうプラハなんか二度と訪れることは無いかもしれないのに、この時間の浪費っぷり。だめだめ。さすがプー。  


 さすがにいつまでも寝ているわけにも行かず、10時頃、シャワーを浴びてから外出。とりたててどこに行こうとかいう場所も無いのだけれども、そういえばまだ丘の上にそびえる宮殿には行ってなかったっけな。ということで川を渡った反対側にある宮殿に行ってみることにする。地下鉄で4駅ほど。プラハの地下鉄は結構混んでいて、中心部で乗っているせいもあるけれども、ベルリンやハンブルグの地下鉄よりも繁盛している感じ(みんながちゃんと切符を買っているならね)。どういうわけなのか、プラハの地下鉄はやたらに深いところを走っていて、炭坑並に長い長い斜坑(エスカレーター)を下ってようやくホームにたどり着く。よくもまぁこれだけ掘っくり返したものだ。  


 宮殿に向かうには駅を出てからしばらく長い長い坂道を登らなくてはいけない。自転車でも歩きでも坂道は嫌いだ。えっちらおっちらと登る。途中、何度か休んだりするのだけれども、さすが欧州の宝石と言われるだけの街だけあって、丘の上からの眺めがすんばらしい。百塔の街とも称されるプラハ、上から見ると確かにその通りで百塔っぽい。30位までは数えてみたけどきりがなくなってやめ。
 丘の上にある宮殿やら教会やらの周りをうろうろしていると、日本人のツアー客がいることに気がつく。ツアー客を引っ張っているガイドさんが流暢な日本語であれやこれやと解説している。こいつは便利だとばかりに、つかず離れずして日本語のガイドを拝借。タダ借りしたようなものか。やっぱりガイドは便利っつーか、ガイドがいないとなにがなんやらさっぱりわからずありがたみも8割引という感じになってしまうわけで、やはりツアーというのはその辺、一度海外に出たらしゃぶり尽くすぞ、みたいなところが徹底していてすごい。ヨーロッパに渡って2週間、そのうちの80%の時間を単なる麦畑と牛に囲まれて過ごしているようなへたれとは旅の濃度がまったく違うような気がする。つーか、このツアーの人たち、3,4日すれば日本に帰るんだろ?それがちょっぴりうらやましくあるのはちんたさんすでにホームシック?という感じもなきにしもあらずだけれども、ホームシック以前にどうもヨーロッパに入って以来、いらぬ苦労が多すぎてよわよわになってしまっている自分を否めない。  


 よわよわといえば。

 あまりになので(暇してんなよ)、いよいよ禁断のカジノにも行ってみた。もちろん正装も持っていないし、何より銭を持っていないのでちゃんとしたカジノには行けず、ゲームセンターのコインゲームを現金でやりとりするだけのようなスロットマシンに挑戦。貧乏旅行中なこともあって、少額でも超アツい。100ck札を両替して挑むに至っては「お札で勝負をかけるなんて!」と頭の中は超沸騰、乗るか反るか、一世一代の大勝負な気分になってしまうのだけれども、落ち着いて考えてみれば、そのお札、単なる300円だったりするわけで、300円のギャンブルでこれほどアツくなったのは小学生の時、駄菓子屋でくじ引いてた頃以来っすか?ということで非常に童心に戻ることのできるプラハのカジノ・・・ってそんなわけでもないんだけれども、100ckで勝負かけてる時の沸騰っぷりはパチンコ屋で10000円ほど突っ込んでいる時とほぼ同等であり、頭の中は約1/33のデフレ状態。ただ、周りを見ていると5ck(15円)ずつ張っているようなしみったれはちんただけで、他の人たちはおおむね1回あたり100ck〜500ckを張っている模様。そこから見てもちんたさんはなはだ日本代表として不適格なわけで、へたれっぷり全開。お、こっちのスロットは最小ベットが2ck(6円)から行けるようだ、こっちにしよ・・・・ますますへたれ。2ck入れて15倍の目が出て、そこからのダブルアップで超シビれちゃっているあたり、君はギャンブラーとしてプライドは無いの?という感じ。だいたい2ckや5ckを張って地道に(ホントに地道だな)スロットを叩いているうちはいいのですが、ちょっと浮いて調子こいてポーカーゲームの方に移ったりすると、チェコ語が読めない上にルールも妙だったりしてわけが分からないうちに持って行かれたりする。やはり商いは地道なところからコツコツと行かなければいけません。それでも100ckで1時間近く遊べたわけで、パチスロ屋で1時間過ごすと下手すると15000円くらい持って行かれることを考えてみればずいぶんお手軽な遊びだとも思う次第。ただし、この日は100ck負けちゃってるわけで、チェコ物価で100ckといえばパスタ+ビールの1食分なわけで、そう考えるとめっちゃくっちゃに悔しい。  


 夕食はホテルの近所にあったステーキハウスに入りました。とりあえずプラハももうそろそろ終わりだし、ちょっぴり豪華に・・・と思ったわけです。ステーキとサラダ、ポテト、ビールで250ck(約750円)・・・くらい。相変わらずとても良い国。しかし、プラハ、首都なせいか、イタリアやら中華やら外国の料理屋ばかりが目白押し。チェコ料理なんてほとんど見かけません。結局、ちんたも滞在中、チェコ料理を口にしたのはプラハ入りした日の夕食1回っきりで、それ以降は主としてイタメシ、イタメシ、イタメシという生活。考えてみれば東京だってイタメシ屋は多く、そんな感じだよな、ラーメンを日本食として認定するかどうかにもよるけれど。
 結局、カジノとステーキで財布の中が空っぽになり、夜9時頃にすごすごとホテルに帰還。まだオーストリア人3人組は帰っていないようで朝早くから夜遅くまで元気やねぇ。結局、こいつら、ちんたが夜中に寝入るまで帰ってこないんでやんの。やっぱり誰かと一緒だと夜も楽しいんだろうなぁ、とつくづく思う。  




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