8月13日 ベルリンの休日(その2)

 ベルリン二日目だ。本日こそいよいよ予定無しである。
 まぁホテルでぐうたらしているのもなんなので少し散歩しましょうかね。昨日はまだ中心部の方はそれほど歩いていないしさ。
 いつものようにたっぷりと朝食を取り(毎日、三食中、もっとも充実しているのが朝食ではないだろか?いいのか?)、外出。 


 滞在しているホテル・セイフェルトのあるウーランド通りは、レストランやバーが多い、どちらかというと夜になると元気になってくる通りなので、午前中に表に出るとしーんとしている。この通りを北に向かい、ちょっと右に折れると初日にたどり着いたZOO駅(動物園駅)が見える。どうせひまだしね、ということでZOO駅に入り、鉄道の時刻や料金をあれこれ調べる。自動券売機(自動指定席券売機?)は、発着駅と人数を入力すると列車を検索してくれて、時刻と料金を表示してくれる。ベルリンのZOO駅だけでなく、ぜんぜん関係無い地方発着の列車でもOKだ。ホントは表示してくれた中から列車を選択してお金を入れて発券・・・なのだけれども、とりあえずその段階でキャンセルボタンを押すと何回でも時刻と料金を調べることができる。こいつは便利だ。これから行くであろういろいろなところを入力して遊んでいたら1時間ほど経っていた。。。。って俺はベルリンで何をしてるんだ?  


 さてお散歩お散歩。近くにあるオイローパセンター(ヨーロッパセンター)に行って土産物屋を偵察。ここで買いはしないけれども、これから先に向けて市場調査である。結局調査だけで帰国することもありうるわけだけれども。しかし、渡欧以来、どこに行ってもこの手のみやげ物屋で必ず見かける奴がいる。あの日本でも見なれた黄色い奴である。アムステルダムでもハンブルグでも途中のガソリンスタンドでもみかける黄色い電気ネズミ。TVでも人気があるようで、すでにオランダ語版ドイツ語版のポケモンの放映を目にしている。どこで見ても、蘭語でも独語でもピカチュウは「ピカチュウ」と鳴いていた。  


 さらにあてど無く散歩。なんかほんとに無職の人の旅って感じ。
 ベルリン版代々木公園みたいなところを抜けて(どうでもいいが、ヨーロッパの人は公園に入るとすぐに服を脱ぎたがる。どこでもそう。男も女もみんな水着か下着)、戦勝記念塔「ジーゲスゾイレ」の前に着く。塔の周りはロータリーになっていて、その脇にはベンチがある。とりあえずどこに行こうとも何時に行こうとも考えていないのでぼーっとしながら目の前を通り過ぎる車を眺める。と、その時、目の前に一台、パトカーが滑り込んでくる。なんだなんだ?と思っていたら、おもむろに片っ端から違法駐車の車の違反切符を切り始めた。あらまー、ドイツでもやっているのねー。日本にいてもそうだが、自分が違反切符を切られると結構ショックなのだけれども、他人が切符を切られているところは大いに愉快である。今またドイツでそれを目の当たりにしているわけだが、これもまた愉快、さらに見ているとレッカー車まで来てさらに愉快、うーん、なかなかいいものを見せてもらったわい、という感じ・・・・ってドイツに何見に来てるんだか。しかし、この戦勝記念塔、大昔にオーストリアに勝ったのを記念した塔らしいんだけど、よくこんなもの、第二次世界大戦終了後の連合軍が蹴り倒していかなかったな、と思う。  


 戦勝記念塔からまっすぐ歩いていくとブランデンブルグ門である。昨日に続いてブランデンブルグ門。なんだかんだお上りさんがぶらぶら歩いてるとここに出てしまうようになっているらしい。昨日と同じく観光客がいっぱい。マレーシアやらタイやらのアジア系のツアー客が目立っていた。昨日はあまりよく見ていなかった壁のあとをしげしげと見つめる。壁が崩れて10年が経ち、メインの通りの両側はずいぶん都市化しましたよ、という感じがあるのだけれども、一本路地を入ると、まだ東の統治下にあった頃のまま、とか壁があって何も無かったころのまま、というところが多い。これからなのだな、と思う。新聞で聞きかじった話ではなかなか経済的には統一後苦戦しているらしいが、まぁ10年でここまで進んだらよしとした方がいいんじゃないっすか?という感じ。このメインの通りをさらに東に行ったところのなんちゃら広場(失念)ではガンガン、ビル工事の再開発の真っ最中だった。ちょうど今(平成12年)の六本木みたい。  


 結局、昨日と同じようなルートを通ってチェックポイントチャーリーハウスの近くにまた出ていたりするのだからしょうがない。あまり新しい刺激は苦手なのか、単にめんどくさがりやなのか。結局2時頃には一旦ホテルに戻ってきてしまっているのだから、ちんたさんやはり観光街歩きのセンスは無いようである。
ちょうどハンガリーGPの決勝の日で、日本と違って時差が無いので日曜の昼間にやるF1のTV中継を見ようと思ったのだけれども生憎自分の部屋のTVの映りが悪く、断念。とりあえず新聞だけ買ってみて「昨日の」予選の結果だけは知ることができた。決勝リザルトは明日の新聞待ちだな。
 しばらく昼寝して起きたら夕方だった(つくづくなんのためのベルリン滞在だか)。今日はベルリン最後の夜だし、ちょっとだけちゃんとしたメシを食いに行きましょう、できることならドイツ料理で。まぁいつもより700円ほど許容値を上げて1500円位までなら食って良しといたしましょう。そうそう、あれまだ食べてなかったんだよね、あれあれ、アイスバイン。アイスバインを食べましょう。  


 出てきたアイスバイン、実に食べでがありそうな丸のままで「にく」という感じで出てきました。当然ドイツですから(?)肉の周りには付け合せの野菜やらジャガイモやらがこれでもか、とばかりに乗っています。なんだかもう大感激!のボリューム。にくも野菜も非常にビールに合います。・・・がさくさく食べていたのも序盤まで、次第にアイスバインが本来の実力を発揮し始めます。

 「おえっぷ。食い切れねーよー」

 見た目だけでもかなり満足のボリュームがあるアイスバイン、が、食べ始めてみると見た目以上にボリュームがあります。さらにビールとイモがさらに腹を圧迫します。いや、途中から、この食事は「味わう」と言うのとは違う次元の時間となってしまいました。節約旅行なので気分的にあまり食事を残したくないのです。しかも貧乏旅行者は生態として「肉を残す」をいう勇気がありません(みんなそう言ってた)。食わなくてはいけないのです、残したらそれはそれで悔恨も残してしまう・・・しかし、本日のアイスバイン、これはやはりちょっと暴力的なボリューム。周りではドイツ人が老いも若きも男も女もみんな楽しそうに食べていますが、ちんたさん胃袋が悲鳴を上げていてすでに目が寄り気味。後日、ツアーでドイツに行った人に聞いたら口々に「いや、食事はなんか普通っていうか、上品な盛り方だったよ」とのこと。それは絶対にツアー用メニューとかでボラれてるぞ、と思う。ドイツ料理の真髄は「どーんと作ってぼーんと乗せる」ことだと理解したちんた(あれ?どっかで聞いたな?)。もう大和男児の意地で食いきったのだけれども、明らかに食い過ぎで気持ち悪くって気持ち悪くって。腹ごなしに歩こうとか思ったのだけれども、気持ち悪さの方が勝っちゃって早々にホテルに退散、うんうんうなりながらベッドにもぐったのでした。う〜ん、ドイツ恐るべし。  




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