今日こそ自転車漕ぎの日です。行きます。行くのです。 本日の不安事項、国境越え、じゃない、旧国境越えです。 ハンブルグからベルリンに向かう道、ハンブルグから50kmほど進んだ所が、10年前まで東と西に分断されていたドイツを隔てる国境があったところです。順調に進めばお昼時にこの国境跡を越えるはずです。今は同じ一つの国といえども、たった10年前まで社会主義政権下でインフラ整備が行われてきた国です、道路がどんな状況なのか想像がつきません。つーか、宿の状況はどうなんだろう?YHの状況はとりあえずインターナショナルYHガイド(活躍度特A)でわかるのだけど、それ以外の状況はよくわからない。「歩き方」でも旧東独にふれているのはちょっとだけ、ましてや、旧東独の西の果ての田舎(今は地理的にはドイツの中央部に当たる辺りが10年前はそういうことだったわけだ)がどういう状況になっているのかさっぱりわからない。 でも、行くしかないべ。 前夜もビールでそんな不安は追い出したちんた。 |
いい加減食傷気味のハンブルクのYHの朝食だったけど、それも最後。本日はうって変わってピーカンです。行きましょう。 といっても、ちんたさん、もうハンブルグの市街はこりごりです。そして、昨日の地下鉄乗り歩きで一つ勉強をしたことがありました。 地下鉄に自転車そのまま乗せていいんだ 日本では鉄道に自転車を乗せるときには前後輪をはずしてパックして輪行という状態にしなくてはいけないわけですが、こちらではみんな素のままで自転車を電車に乗せています。これを使わない手はありません。地下鉄で行ける所まで行って、郊外の駅からスタートしようと言う目論見です。そうでないとなんだかハンブルクから出られないまま一日が終わってしまうのではないかという・・・・。 |
なんちゃらドルフとかいう駅で降り、正真正銘の本日の自転車旅を始めたのは午前10時頃。銀行に寄って少々現金を補充して(ここから先、どの程度カードが通用するか不安だったので少々多めに)、さぁ出発。8月のど真ん中だというのに風が冷たく、ウィンドブレーカーでは収まらず、まさか走行中には使うことはないだろうと思っていたフリースジャケットを着用してのスタートです。ホントに風が冷たいんだもん。 南東に向かって延びるB5線。これをずーっとずーっとたどっていけばそのままベルリンのブランデンブルグ門に出ます。本日はそこまではとてもじゃないけどたどり着きませんが。道は森の中。木漏れ日がまぶしく、たまにパッと広がる野原では風が吹き込んできます。どちらかというと登っていることが多いのですが、斜度はあまりきつくは無く、だらだら、ゆるゆると登っていきます。 |
途中、一回のGSでのトイレ休憩そして、新たなエリアの地図を買ったりしつつ、ちょうど正午になる頃、チェックポイントチャーリーハウスと大書きした小さな小屋が道の真ん中にぽつんと建っている所にさしかかりました。ここが10年前まで国境だったところです。チェックポイントチャーリーというのが国境の検問所跡だったということを知ったのはずっと後でしたが。今はその小さな検問所跡がある所の片側はちょっとした展望台に、そして道を渡った反対側にはレストランが一軒建っています。 |
さて、本日は早めに宿探しに入りましょう。変に引っ張ってはまると、旧東独圏、街道沿いになんにも無いだけにハンブルグの時とは別の意味でやばいです。 旧東独だからさぞかしホテルも安いんだべな〜と思っていたのだけど、訪ねるホテル訪ねるホテル、いずれも高級なホテルだったらしく、軒並み100DM(約5000円)。大都会ハンブルグで80DMだったのですから、こんな田舎でそれ以上を出すのはしゃくにさわります。そんな感じで、ここもパス、あそこもパスとやっているウチに10km、20kmと進んでいくうちにGrabowという小さな街のYHに着いてしまいました。YHに泊まれるなら・・・そりゃYHにするわいな。 |
5時少し前に森の中にある到着。YHの受付はよくあるように、5時からだとか。それまで前庭で待っていましょうということで、先客のどこやらからの子供会?みたいなガキんちょの集団と引率の大人何人かとベンチに腰掛けて待つ。大人の一人は英語が喋れるようでいくらか挨拶。そのうちに子供の一人が興味示したらしく、ちんた並のつたない英語で「どこから来たの?」と聞いてきました。 「アムステルダムだよ」 と答えると、その子はひっくり返らんばかりにびっくり。周りの子に「アムステルダムからだって、アムステルダムからだって」と大声で、そして周りの子達も「アムステルダム!?アムステルダム!?」と大騒ぎになり、ちんたさんちょっとした子供達のヒーロー。 |
YHに無事チェックインし、シャワーを浴び、さぁてメシ・・・と思ってはたと気がついた。この森の中のYH、周りにぜんぜんレストランがないじゃん!町中まで8kmもあるのです。往復16km。まぁ自転車なので行けないこともないけれど。行かないことには食べ物がありません。行くしかありません。だがしかし、町中に行ってみたはいいが、ここは実に小さい街、午後6時を過ぎると、まだ日は明るいにも関わらずキンコンと鐘の音とともに商売をやめてしまいます。もうどこの店も開いていないのです。 ・・・く、食いもんが・・・無い とぼとぼと(自転車で)YHに戻る。YHの受付の片隅ではちょっとだけジュースと菓子類を売っており、ちんたさん本日のディナーはスニッカーズです。0.8PF(40円)。財政難には天の恵み・・・ってちゃうわい。 |
そしてもう一つ困ったことが。 例の子供会?の子供達が、これまたスーパーウルトラスペシャルうるさい。あっちへどたどたこっちへどたどた。きゃー、とかわー、とかいいながら所狭しと騒ぎまくる。おまけに誰が持ってきているのかCDラジカセもフルボリューム。中華航空の中でもそうだったのですが子供ってなんでこんなにうるさいの?布団を頭からかぶって、空腹を抱えながら無理矢理に寝るちんたさんなのでした。 |