朝7時起床。部屋の電気点けっ放し。こうこうと灯りがともった部屋で起きる。日本ではというか関東ではこういう時、でんこちゃんが降臨する。いい気分で部屋に戻ってきてそのまま泥のように寝てしまったらしい。そのまま相部屋となる人もいなくて6人部屋を占拠状態だったようで、誰も出入りがないまま朝になってしまいました。 |
朝食に出てみると、全部で4人しか宿泊者がいなかったようです。ドイツ人とオランダ人の若者、そしてイギリス人のおばあさん。みんなで一つのテーブルを囲んで朝食。お、ここの朝食はシリアルが出るぜ、ラッキー。聞いてみるとドイツ人は自転車で旅行しているらしい。ちんたが一昨日からアムステルダムから走ってるんだ〜、と言ったら、そりゃすげえ距離だと驚いていた。ウルリッヒの国でもこういう反応が帰ってくるものなのか。ちょっと意外。いつのまにかテーブル上の公用語が英語になっておりしばらく歓談。その後、おばあさんがちょっと付いて来てくれというので行ってみると、二階に大きな荷物があり、これを下まで降ろしてくれという。ああ、そんなことね、楽勝っすよと持っていってあげる。 |
さて、本日も出発・・・ですが、その前に朝の儀式があります。空気圧、そして荷物の縛り付けです。そしてこの日からいよいよ3本体制になった空のペットボトルに水(水道水)を詰める作業が加わります。前日、水道水でもぜんぜん何とも無かったので、いよいよ本格的に補給は水道水で・・・ということになります。この朝の儀式だけでたっぷり30分近くかかり、序盤のうちはやたらに出発が遅れました。 つーか、ここまで思ったほど距離が出ないのはどうやら朝の遅さにも原因がありそうです。宿でしっかり朝食を食べてそれから準備して・・・となると軽く10時は回ってしまいます。それからだとどうしても一日に動ける距離は短くなってしまいます。日本で休日に朝5時に出ている時のようにはいきません。 |
さて、出発。とにかくリアホイールが心配なので、自転車屋を見つけ次第、飛び込むことにします。ま、とりあえずだましだまし走り切れてしまいそうでもあるけれど。ちょうどRheineの街を出ようとするあたりで自転車屋があったので自転車ごと入り込んで後輪のスポークが失われた跡を指差すと一発でわかってくれたようです。さすが万国共通の仕組みを持つ自転車。が、なにやら言っているので、聞いてみると「うちは、ほら、こういうママチャリしか扱っていない店なんで、こういうスポークは扱ってないんだ、ここをまっすぐ行ったオスナブルクの街にはちゃんとした店があるはずだから行ってみな」とのこと。行ってみなっつったって、そこまで20km近く離れているんですけど・・・これも一つのヨーロッパスケールの感覚なのか?しかも、今日進みたい方向の反対方向。さすがにそっちに向かうことは出来ません。とりあえず走れちゃうのをいいことに、本来の目的どおり北に進むことにしました。途中で自転車屋があればそちらに寄ればいいでしょう。 |
さぁ、あとはいけいけどんどんです。恐れているのはこの薄暮時に自転車道が無くなって車道を走る羽目になったらいやじゃのう・・・という感じですが、幸いにして、ブレーメンまで自転車道で一直線でした。 ブレーメンの街はさすがにこれまで通過したどの街より一回りも二回りも大きな街です。中心街にたどり着くまでにはずいぶん時間がかかりました。ここでも、YHの場所がさっぱりわかりませんので、とにかく「道は人に聞け」です。本日はラッキーなことに、一人目の大学生のお兄さん風の人に聞いただけで一発でYHの半径100m以内にたどり着くことが出来ました(100m以内に・・・というのはちんたが勝手に地図を読み違えていて大通り一つずれたところでうろうろしていたため)。 今回の旅行中、つくづく思ったのは、やはり「街への入り方」が徒歩&電車のバックパッカーとチャリダーでは根本的に違うなぁ、ということ。チャリダーはどんな街でも、その街の外側から入って中心部に向かうのです。当たり前のことなんですがこれは意外に大変なことでした。まず、どっちが街の中心なのかわからない・・・というところから始まるのですから。その点、鉄道で移動していれば、街へは駅から入るのです、すなわちその街とのつきあいは中心部から始まるわけです。そこにはツーリストインフォメーションも近くにあるだろうし、宿泊する場所も値段はどうあれ、とりあえずあることはあるわけです。地球の歩き方なんかも中心部から街とのつきあいが始まることはもう大前提として編集してあります。チャリダーの場合はまずその中心部までたどり着かなくてはいけない(例えば旅慣れて郊外のYHに直でたどり着けるくらいに器用になればまた話は別ですが、ちんたさん、まだヨーロッパ3日目ですし)。そこに行くまで「中心部はどこですか?」「中心部はどこですか?」と聞きまくらなくては行けないわけです。 さて、とりあえず見つけたブレーメンのYH。が、ここはあっさり「満員だよ」と断られてしまいました。うえ〜ん、まただぁ。やはり午後8時という到着時間がきついのか。が、ここで引き下がらないのが本日のちんた。とりあえず、一度捕まえた芋づるは離すな、とばかりに他のホテルの紹介をお願いします。すると、こういうことはお願いしてみるもんで、近くのホテル?船員会館?みたいな宿泊所をYH会員証を見せれば安く泊まれるように交渉してくれました。おお、ラッキー。ちなみに2500円。例によってまたその宿泊所を探すのに手間取ったのだけれども、何人かの人に尋ねて無事チェックイン。さすがに日没の遅い夏のドイツでも、もう、辺りはすっかり暗くなっていました。 その宿泊所は実にきれいなところ。シングルルームです。大きなバスとトイレ。何はともあれシャワーです。はぁぁ、シャワーを浴びるとやっとほっとするねぇ。へとへとだったこと、雨に濡れて心細かったこと、中心部にたどり着くまで大変だったこと、そんなことも含めて全部洗い流してくれます。とにかく本日は大雨で着ているものがすべてびしょびしょになったので同時に洗濯タイムです(って、洗濯タイムはほぼ毎日あるのだけど)。洗濯も終わって、部屋の隅で干して、さぁ本日も食事へGoです。 YHを探してさまよっていた時に、川沿いにたくさんのレストラン、屋台が出ているのを見かけました。YHのお兄さんは「そこには日本食レストランもあるぜ」とか教えてくれて、実際そこには日本食レストランがあったのだけれども、メニューを一目見てまずベらぼーに高く、また、まだ日本食が食べたいという気分でもないのでパス。他のレストランのメニューを見ながらうろうろ。そのうち一軒に飛び込みます。 なんだかんだドイツ語はさっぱりわからないので、英語のメニューがあるかと聞くと、あるとのこと。さっそくそれを用意してもらったのだけれども、英語でも結局何が何やらわからないわたくし。かといって今更メニューがわからないと引き下がるわけにもいきません。どうもいまいちわからないところがある・・・なんて恥ずかしくて店員には言えるわけが無い。よーく見てみるとシュニッツェルなる文字が目に入ったので、おお、これはきっとあれだろう(なに?)と目論見をつけて、「ビールとこれ」と注文。ビールはいいよね、どこでもほぼ共通語みたいに通じてさ。 現われましたるシュニッツェル、これがまたでかいのなんの。毎日ヨーロッパサイズに驚かされているちんた。付け合せのポテトフライなんかどう見たってマックフライポテト(L)より多いぜ。ドイツ、どう見てもあの広大な農地のおかげでイモは余っているとしか思えません。超満腹。 ご機嫌になって川沿いを歩いて宿に戻るちんた。この日もまた、部屋に戻って即爆睡でした。 |