『ZZRとFCRの格闘記』 セッティング4
| おおよそ1/2〜全開まではMJが幅を効かせる事になるわけですが、一番実用的な1/8〜1/2開度に影響するのがJNとスロー系です。好みにもよると思いますが、理想的なセッティングはパワフルかつスムーズに回転が上がって行き、そのバイクのピークパワーが発生する回転数(MJの領域)に達したら頭が真っ白になるような加速をするセッティングでしょう。注意したいのは中間域を鋭く(薄く)しすぎるとスロットル操作がとても難しくなってギクシャクしますし、コーナリング時のパーシャル状態で不安定になります。かといって鈍く(濃く)し過ぎると、コーナー前のシフトダウンでスロットルあおっても回転がついてこず、リアが暴れたり加速中にボコついたりしますので、この辺のバランスがうまく取れた時がベストセッティングです。
これらの効果を確認するには実走するのが一番なので、アイドリングが決まったらとりあえず実走してみます。まずは全体的な感触を確かめるために、発進したらキャブレータ内の混合気の流速を感じながらスロットルを開けて行きます(負圧キャブだとこれが感じとれない)。恐らく最初はモコモコした感じでアクセルを閉じても回転落ちが遅かったり、信号で止まるとエンストしたりアイドリングがジワジワと上がって落ち着かなかったりすると思います。これは濃い現象ですので、先ずは径が太いJNに交換してみます。ちなみにJN一式(4本)で1,500円くらいだったと思います。
JNを太っちょに交換したら再度アイドリングの調整を取り実走してみます。すると今度は発進した直後にギクシャクしていかにも血がじゃなくてガソリンが足りね〜って感じです。これはASを少し絞ってあげれば解決しましたが、このASの絞り加減がまた微妙できっと皆さんも苦労する事になると思います。
ZZRの場合エンジン自体のピックアップが結構だるな感じなので、中低速域をある程度薄めにしてやるとシャープな感じになって良いです。でもあくまで個人の好みなのでこの辺りのさじ加減は難しい所でしょうね。とにかく注意したいのはコーナリング時のパーシャル状態とコーナー前のシフトダウンがきっちり決まらないと、走ってて恐い思いをしますし楽しくないという所です。その為にはいろんなコンディションの中で何度もトライして、自分なりのデータを蓄えていかないとせっかくの高性能キャブが意味をなしませんし、セッティングが決まった時のあの幸福感を感じることはできません。逆にこの手間が面倒だと思うのならFCRなんて最初から装着しない事をお勧めします。
とりあえずFCRについてはこの辺で一度完結します。こまごましたセッティング変更は『Scribble』の方で書いて行きますので、そちらをごらんください。また続編に関してはFCRが壊れたりOHの時期がきたらお届けできると思います。
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