FCR SETTING Vol5

『ZZRとFCRの格闘記』 セッティング3


アイドリング時の混合気濃度が大体セッティングできたら、アクセルを数回(あまりやり過ぎるとカブってしまうので注意)スナップさせてみて、回転のつながりがスムーズだったらいよいよ実走テストに入ります。この時ファンネル仕様なら必要ないのですが、パワーフィルタ仕様の場合はパワーフィルタを装着した後は空気の流量が減る事を考慮します。この辺は経験値がものをいいます。

実走テストに入る前に、セッティング状況をメモする筆記用具とアクセルグリップにスロットル開度を現すマーキングをしておくと便利です。

セッティングマニュアルによると、先ずはMJを決めるためにスロットル全開走行をしてみるようです。方法はギアは5速か6速でおおよそ9000rpmを維持して走り、あらかじめ決めておいたポイントで一気にスロットルを全開するようです。この時のフィーリングがシャープで伸びのあるフィーリングになるようにセッティングするわけですが、どこにそんな場所あるんじゃい! (爆) そんなわけで全開テストはサーキットに行くかパワーチェックをやってるショップに行ってやりましょう。くれぐれも天下の公道高速道路でやろうなどと考えてはいけません。 それじゃ僕はどうやったかって? それはここでは書けません。冗談ですよ冗談。ちゃんとサーキットでやりました。といってもMJ決めるためだけにいちいちサーキット行ってられませんし、全開領域は後でも良いと考えたので、MJはしばらくの間出荷状態の#160を入れたままでした。

そういうわけでしばらくはこの次に紹介する中間域のセッティングだけをやってたんですが、ある日筑波サーキットの走行会に参加しまして、初めて?全開テストをやってみました。この日は天気も良く気温も25度くらいで湿度は少し高めといったコンディションでした。筑波で全開にできるといったら第2ヘアピンを立ち上がって最終コーナーまでのバックストレートですが、ここで初めて自分のZZRが直線でめちゃくちゃ遅い事が判明しました。どんな具合なのかというと、コーナー立ち上がって5000rpm辺りからグワッとアクセル開けると、あっという間に頭打ちしちゃってスピードが出ません(パワーが無い)。どのバイクも遥か彼方へと消えていきますが、こっちはレッドゾーンギリギリなのにストレートエンドで速度はたったの160km/hくらい。追突されるのがこわかったので、2ヘアの途中で後続を確認して「どうぞお先に」モード....(涙)。

帰ってからMJを#160から#150へ一気に落してみたら、ちょっと走っただけでその差歴然。今まで何やってたんだろうって感じで、MJの大事さを知りました。一般道路ではたとえ峠であってもアクセル開度はそれほどでもないので、ニードル周りだけのセッティングが出てれば十分だと思ってたんですが、実際には少なからず影響するようです。MJも小刻みに番手があるので今の#150で最高なのかは判りませんが、これは次回の('98.10末)筑波サーキット走行で確認したいと思います。でも一度はシャーシダイナモに乗っけてMJ決めをしないといけないかもしれませんね。

これでMJのセッティングは大変だという事が判っていただけたかと思います。でもMJを交換するのも実は結構大変なんです。FCR本体をインシュレータから取り外し、さらにフロートチャンバーのドレンを外さないといけないんですが、この時片手でFCRを抱えて(結構重い)ドレンを外すとフロートチャンバーに溜まってたガソリンがダバダバっと出て来ます。これを知らないでガソリン受けを置いてないと、悲痛な叫び声をあげてしまう事になります。そしてその悲鳴を聞いた人が「どした?どした?」とくわえタバコで近づいて来たら、きっとFCRを抱えたまま気を失う事請け合いです。ご注意を。

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