FCR SETTING Vol3

『ZZRとFCRの格闘記』 セッティング1


FCRの装着が終わっただけの状態でとりあえず試乗してみる。なんかよく解らんが加速の感覚が全く違う。アクセルとエンジンがダイレクトにリンクしている感覚で、開けたら開けたぶんだけガソリンと空気が送られるから負圧キャブのような操作ではかえって遅く感じてしまう(実際FCRにしたらパワーが無くなったと言ってクレームをつけるお客もいるらしい)。どちらにしても出荷状態のままではセッティングもずれてるわけで、あまり気持ちの良い加速はしてくれません。そこでセッティングを施していくことになるわけですが、これは興味もあったので全て自分の手でやっていく事にしました。
プロにセッティングを任せてベストセッティングを知るのも良い事だと思います。ただし工賃が高いので(カウル類の脱着工賃やパワーチェック費用、その他もろもろで50Kくらいすかね)、ビンボな僕はそれだけあったらタイヤが買えると思ってしまうのが悲しいです。(^^;;

よく使うセッティングパーツの影響範囲を、FCRに添付されてくる株式会社ケーヒン発行「セッティングマニュアル」より抜粋して掲載します。

セッティングパーツ影響範囲+15%基準-15%
メインジェット(MJ)全開付近#135#125#115
ジェットニードル(JN)
[ストレート径]
1/8〜1/42.7652.7752.785
ジェットニードル(JN)
[段数]
1/4〜1/25段4段3段
スロージェット(SJ)スロー系#45#42#40
スローエアジェット(SAJ)スロー系#110#120#130
エアースクリュー(AS)
#1可変スローエアジェット
スロー系1/2回
戻し
1回
戻し
1回1/2
戻し
パイロットスクリュー(PS)アイドル2回
戻し
1回1/2
戻し
1回
戻し
#1:SAJと交換してスロー調整をスクリュー式にするオプションパーツ。

上の表を見ると解るように各パーツにはそれぞれ守備範囲があって、実際に走ってみてアクセル開度のどの付近で調子悪いのか確認できたら、それに見合ったパーツを交換もしくは調整していきます。要は『濃い』『薄い』かしかないのですから、そんなに難しく考えない様にします。(^^;
実際にはこれらの他にもジェットニードルのテーパーや切り上がり、加速ポンプの吐出タイミングなどもありますが、ちょいとマニアックになるのでおいおい詰めて行けば良いと思います(この辺が素人的です)。

では『濃い』状態と『薄い』状態とで何がどうなるのか?これは一般的に以下のようにまとめられるようです。[参考資料:RIDERS CLUB誌]

濃い状態・加減速にメリハリがなく頭打ちが早い。
・エンジンが暖まると不調になる。
・スロットル操作に対する反応が鈍い。
・点火プラグが真っ黒。
・吹け上がりが遅くてパワー不足。
薄い状態・伸びはあるがパワーが無い。
・低速走行時にギクシャクする。
・エンジンが暖まると良くなる。
・エンブレでバックファイヤーが出る。
・点火プラグが真っ白。

これらのセッティングパーツは全部揃えたらきりがありませんし、品揃えが豊富なショップもそうそう無いのが現実です。ある程度セッティングの範囲が判って来るまでは、ショップと仲良くなってセッティング変更の度に現在のパーツを下取ってもらい、他の番手のパーツを装着していく方法がベストでしょう。そしてどのパーツのどの番手が一年に渡って必要か?が判ったら購入すればよいと思います。そんなショップが近くに無いぞ!という不幸な方はある程度の無駄な出費は覚悟しましょう。(^^;;
でも多少セッティングがずれていてもFCRは優秀なので走れます。はっきりいってこれがくせ者なんですが、平気で走ってくれます。これがCRとかだったら走らないと思いますがFCRはその点おおらかです。だから『これはレーシングキャブレータ』といって別段身構えずおおらかな気持ちで接しましょう。すれば道は開けます(本当か?)。

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