ちょっとしたコラム      
               
05.4.23付


得点

 通算記録では自分の本塁打だけで868得点を稼いだ王貞治(巨人)が断トツ。逆に2位の福本豊(阪急)は通算208本塁打と王の4分の1以下。ベストテン内の他の9人が400本塁打以上の打者であるのを考えると、凄い得点数である。通算1000得点達成者は04年まで30人いるが、自己の本塁打数を引いた得点数が1000を超えるのは福本1448、王1099、広瀬叔功(南海)1074、柴田勲(巨人)1029、張本勲(ロッテ)1019とわずか5人。その中でも福本の数字は図抜けている。史上最高のリードオフマンと言われる所以だろう。

 現役では清原和博(巨人)が歴代ベストテン入りにあと14得点と迫っている。長期欠場した昨年でも18得点しており、10傑入りは時間の問題か。54得点すれば長嶋茂雄(巨人)を抜いて単独9位に浮上する。続く立浪和義(中日)はこのところ50得点台が多かったが、昨年は98年以降では最多の68得点をマークした。平均60得点ペースでも10傑入りは3年後というところ。

 今季開幕早々に史上31人目の1000得点を達成した石井琢朗(横浜)。1000得点達成時で本塁打以外の得点は919を数え、この記録の6人目の達成者となる事が有望である。本塁打以外の得点はこのところ01年73得点、02年70得点、03年43得点、04年70得点と、大不振だった03年を除いて70前後でほぼ安定している。このペースなら3年後には「自己の本塁打を除く得点数」で福本に次ぐ2位となりそうだ。その頃には通算では1200〜1250得点に到達し、歴代ベストテンも視野に入っている可能性が高いと思われる。

 プロ10年目時点では石井の509得点を上回る550得点をマークしていた前田智徳(広島)だったが、ここ5年間は最高で50得点とペース的には大差が付いてしまった。通算では728得点で現役12位。他に江藤・田中・野村らも近年のペースダウンが著しく、1000得点に近付きながらも大台到達はまだまだ先の事となりそうだ。
 現役ベストテン圏外では10年目を終えた城島健司(ソフトバンク)が527得点と快ペース。ここ2年は101得点、91得点で共にリーグ3位の好成績。11年目を終えた大村直之(ソフトバンク)も593得点といいペースで、平均80得点でもあと4年ほどで1000得点到達となる。

 ちなみにメジャー入りした松井秀喜(巨人)は10年間で実に901得点。王貞治(巨人)の10年目時点が833得点であり、それを上回る史上最速ペースだった。9年で渡米したイチロー(オリックス)は658得点で、同時点の王がマークしていた726得点には及ばない。最初の2年で13得点というのが響いている。松井は2年目までに97得点、王は67得点をマークしていた。

 00年に当時パ・リーグ新記録の126得点をマークした小笠原道大(日本ハム)もここ3年間は平均80得点とペースダウン。それでも通算576得点まで数字を伸ばしており、1000得点達成は当確と言えそう。高橋由伸(巨人)も入団7年で544得点、シーズン80得点以上4度と安定しており早い段階の1000得点達成が有望である。

参考 1000得点までのペース比較

<通算得点ベストテン>
歴代 選手名(最終所属) 記録   現役 選手名(所属) 記録 04年実績
1 王貞治(巨人) 1967得点   1 清原和博(巨人) 1217得点 18得点
2 福本豊(阪急) 1656得点   2 立浪和義(中日) 1092得点 68得点
3 張本勲(ロッテ) 1523得点   3 石井琢朗(横浜) 996得点 80得点
4 野村克也(西武) 1509得点   4 古田敦也(ヤクルト) 961得点 72得点
5 衣笠祥雄(広島) 1372得点   5 江藤智(巨人) 956得点 14得点
6 山本浩二(広島) 1365得点   6 田中幸雄(日本ハム) 938得点 7得点
7 落合博満(日本ハム) 1335得点   7 野村謙二郎(広島) 916得点 27得点
8 門田博光(ダイエー) 1319得点   8 金本知憲(阪神) 908得点 92得点
9 長嶋茂雄(巨人) 1270得点   9 T・ローズ(巨人) 848得点 95得点
10 秋山幸二(ダイエー) 1231得点   10 堀幸一(ロッテ) 825得点 70得点

 年間記録は1949・50年の記録が上位を占めていたが、2000年以降の選手が4人食い込んでいる。00年の小笠原道大(日本ハム)は15年ぶりにリーグ記録を更新したが、1年でタフィ・ローズ(近鉄)に破られた。ローズは140試合で137得点。日本タイ記録の55本塁打も効果的だった。
 04年の1位はパが松中信彦(ダイエー)の118得点で歴代9位に食い込んだ。セは仁志敏久(巨人)の106得点。試合数増の効果もあって、00年以降は両リーグとも100得点以上で得点王となっている。

 昨年90得点以上を記録した赤星憲広(阪神)、岩村明憲(ヤクルト)、金本知憲(阪神)、城島健司(ソフトバンク)、嶋重宣(広島)らの100得点突破も期待したい。

 今季の得点数を見ると、4/22現在でセは19試合で18得点の赤星、パは21試合で20得点の小笠原がトップ。赤星は本塁打ゼロで両リーグトップの11盗塁。小笠原は盗塁ゼロで両リーグトップの9本塁打と対照的な二人の得点王争いも面白い。

参考 年度別リーダーズ(得点)

<年間得点ベストテン>
歴代 選手名(当時の所属) 記録 年度   現役 選手名(当時の所属) 記録 年度
1 小鶴誠(松竹) 143得点 1950   1 T・ローズ(近鉄) 137得点 2001
2 T・ローズ(近鉄) 137得点 2001   2 小笠原道大(日本ハム) 126得点 2000
3 藤村富美男(阪神) 130得点 1950   3 松中信彦(ダイエー) 118得点 2004
4 別当薫(阪神) 129得点 1949   4 緒方孝市(広島) 111得点 1999
5 小笠原道大(日本ハム) 126得点 2000   5 鈴木尚典(横浜) 110得点 1999
6 千葉茂(巨人) 121得点 1949   6 野村謙二郎(広島) 109得点 1995
6 岩本義行(松竹) 121得点 1950   7 石井琢朗(横浜) 108得点 1999
8 松井稼頭央(西武) 119得点 2002   8 小笠原道大(日本ハム) 108得点 2001
9 落合博満(ロッテ) 118得点 1985   9 小久保裕紀(ダイエー) 108得点 2001
9 松中信彦(ダイエー) 118得点 2004   10 福留孝介(中日) 107得点 2003

ランキングの記録は2004年まで

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