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1985年1月6日-1985年12月29日
日本アニメーション制作の「世界名作劇場」は
「フランダースの犬」から数えられると思いますが
「フランダースの犬」から「ペリーヌ物語」までは、今、思えば残念な事に見ていませんでした。
5作目にあたる「赤毛のアン」の第1章を偶然見て
オープニングの背景の美しさと羽佐間 道夫氏の格調高いナレーションにノックアウトされた私。
途中の数話は見忘れていますが、後半は毎週、楽しみに見ていました。
「神は天にいまし、すべて世は事もなし」
あぁ・・・終わった・・・
さて♪来週のサザエ・・・<違う
翌週からは「トム・ソーヤの冒険」・・・。
ひゅうう~
そのまま6作目から10作目までは(何の作品かは調べてね)
それぞれ1話から最初の数話はチェックの為、視聴しましたが
どうもいまいち、のれないものを感じ空白の5年間となりました。
そして
1985年、11作目「小公女セーラ」
(セーラからスポンサーが1社になり「ハウス食品・世界名作劇場」となります)
放映前にアニメ誌でキャラ設定を見て、
その落ち着いた面持ちと黒髪と緑色の目に
「こ・・・これは・・・もしかしたらいけるかもしれない!」と
1話から毎週かかさずに見るようになりました。
こちらはアニメ化に合わせて発売されたバージョンの
新潮文庫「小公女」
これは26刷ですが初版は昭和28年 (^_^;)
文章の表記が古っぽく感じますがそれも時代でヨシです♪
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セーラ=クルーはサアラ=クルウと書かれていますが
私が惹かれたセーラの容姿については
サアラには独特の美しさがあった。
からだは細くしなやかで、年にくらべて背が高く、小さな、くっきりとした魅力のある顔をしていた。
髪は真っ黒でしっとりとしていて、端のほうだけちぢれていた。
眼が灰いろがかった緑色をしているのはほんとうだが、
それは大きくって、長い黒いまつ毛を持っていた。
と記されています。
オープニング
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オープニングはベテラン桜井 美知代さんの作画です。
桜井さんは名作劇場では「小公子セディ」のキャラデザインを担当されていました。
他にも、世界名作劇場ですと「ラスカル」「ペリーヌ」「トム」「フローネ」
他にも「ラピュタ」「火垂るの墓」などでお名前を見ることができます。
CM用
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これはセーラがイメージキャラクターになっていた
「ヤマハ音楽教室」のCM用のセルです。
3話「はじめての授業」
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キャラデザイン・才田 俊次さんが作画監督の回です。
才田さんの絵の印象は「セロ弾きのゴーシュ」に代表される
淡々とした風情のある絵と思います。
才田さんは途中までは作画監督としてお名前を見ることが出来ますが
途中で抜けられてしまったようです。
その後は
「山崎 登志樹さん」「大谷 敦子さん」「石井 邦幸さん」の3人の作画監督のローテーションになっていきますが
山崎さんのセーラは目がクリクリとしてとても可愛らしい印象があります。
石井さんのセーラは、ん~・・・ん~・・・ (^_^;)
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上のセルのレイアウトです。
セルを入手してこういったレイアウトやタイムシートやカット袋がついていると
保存には多少、場所をくいますが
「本当に使ったもの」のリアル感が増して・・・ん~たまらないです♪
42話「雪の日の追放」
大谷さんが描かれた回であり、演出も盛り上がる全46話中で一番好きな話です。
ダイヤモンドプリンセスとしてミンチン学院内でも特別の扱いをうけていたセーラでしたが
お父さんが亡くなり、破産して無一文となってしまいました。
体面を気にするミンチン先生は学院内にセーラを小間使いとして残す事にしました。
屋根裏部屋を与えられたセーラですが
そこも追われ馬小屋で暮らすことを余儀なくされます。
馬小屋に様子を見に来た
セーラの事をセーラ・ママと慕うロッティは
セーラに敵対心を燃やすラビニアに脅かされロウソクを下に落としてしまいます。
結果、馬小屋は全焼し・・・
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「この学院に火をつけようだなんて!お前という子はなんて恐ろしい事を!正直に白状しなさいっ!」
「ち、違うんです、院長先生・・・。駆けつけた時は、馬小屋は一面火の海で、なぜ火事になったのか私にも・・・」
「屋根裏からあそこへ移された腹いせに火をつけたに決まっています!」
アメリア先生(ミンチン先生の妹)「まだセーラさんがやったと決まったわけでは・・・」
「いいえ!この子です!この子は前々から私を憎んでいました。
ほかに犯人がいるはずはないんです!な、何です?その目は!この傲慢なウソつき娘が!」
突き飛ばす
「一体、お前はこれまで誰のお陰で生きてこられたと思ってるんです!
お前をこの家に置いてやった私の親切のお陰なんですよっ!」
やった!セーラ!いよいよ!爆発か!反撃か!とテレビの前で期待する私♪
「先生は私に親切だった事はありませんでした。
それに、ここが私にとってうちだった事もありません」
コレ、島本 須美さんの凛としたお声で演られるので
私ったらあっさり降参。
27話「デュファルジュ先生の帰国」
45話「ミンチン院長の後悔」(アメリア先生がいい味出してます)も、
私のお気に入りの回ですが、どちらも大谷さんが作画監督でした。
なだらかな前髪で、そこはかとない気品のあるセーラや
漫画チックなミンチン先生など
予告を見て次の週が大谷さんとわかると1週間が待ち遠しかったものです。
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これも42話です
(背景は合っていません)
「で、出ておいき!お前のような恩知らずは顔も見たくない!
勝手にどこででものたれ死にするといい。さあ、とっとと出ておいき!」
「わかりました。院長先生がそうお望みでしたら、その通りにいたします。
ごきげんよう、院長先生、アメリア先生」
と
学院を出ることになったセーラは
学院でセーラの馬車の手入れをしていた町の子・ピーターの紹介で
「マッチ売り」をして働く事になります。
有名な話ですので、最後はご存じですよね?
あれだけ言われながら最後には全てを許すセーラ♪
う~ん。
やっぱり「小公女」なんですね。
セーラのセルは欲しかったものの
セル全般をそれほど熱心に集めていない時期でしたし
日本アニメのスタジオが家から遠い事もあり
とうとう1枚も持てずに放映は終了してしまいました。
しばらくして人形方面で知り合った方と
「小公女セーラの人形がありましたよね!」などと話をし
「雪の日の追放って見ました?ミンチン院長を、キッと見るセーラのセルなんてあったらいいですよね~」と話した所
「あ、ボク、セーラのセル持ってますよ!それありますよ!背景違うけどいいですか?」と
実にあっさりと一番欲しかったセルが手に入ってしまったのでした。
言うてはみるもんだ~ (^O^)
セーラの人形「エミリー」
これはどんな人形だったの?!
原作で「エミリイ」がどのように書かれているかというと・・・
サアラがだくと、エミリイはいきいきした表情をした。
大きな人形であったが、だいて歩きにくいというほどではなかった。
髪はしぜんにまき毛になっている金髪で、それがマントのように垂れていた。
眼はふかい、澄んだ灰青色で、まつ毛は筆でかいたのでなく、やわらかい、
濃い1本1本が植えつけてあった。
つらい目にあったある晩のこと、
中略
エミリイのガラス玉の目と、満足しきったような顔を見ているうちに、
サアラはとつぜん胸がはりさけるような腹だたしさにおそわれた。
手をらんぼうにふり上げ、エミリイをいすからたたきおとして、わぁっと泣きだした。
中略
「ただの人形よ-人形よ-人形よ!
あんたなんかどうだっていいんだろう。
鋸屑(おがくず)がつまっているのだから、心なんてあんたにはないんだわ。
何ひとつ感じはしないんだ。ただの人形なんだ!」
エミリイは足をぶかっこうに頭の上に折りまげ、
鼻の頭を少しへこましたまま、床の上にころがっていた。
鼻の頭がへこんだという事はヘッドはビスクではない?
(せーラは1885年の話なので、ビスクであってもおかしくはないです)
まつ毛が植え付けてある?とするとベベ・タイプかな?
ボディには「鋸屑」・・・とするとガセットジョイントのファッションタイプかブリュ?
アニメではビスクドールと捉えている風でしたが
(未確認ですが「お嬢さんは、お目が高い。これはジュモウです」という台詞があったとか~)
私の知る限りでは、なかなか該当するタイプの人形がないです。
どんな人形であったかは、私にはわかりませんでしたが
それがセーラにとって何者にも代え難かった人形である事に間違いはないと思います。
私も人形を集めているモノの端くれとして
人形とそういう関係を築いて行けたらいいな♪と思います。
2001年8月21日作成