今回は少し趣向を変えて、私の所有してるプラレールのセット物に入っている情景部品をご紹介いたします。
ほとんどは単品では販売されなかった物です。
その分、大仕掛けな物が多く、プラレールの醍醐味を味わえる逸品ぞろいです。とくとご覧あれ!
複線自動ステーション
初登場はプラレールの創生期、複線システムが発売された約30年前です。
3両編成を両側に停車させ、交互に発車させるギミックを持つ、今は見られないような大仕掛けな物です。
発売当初は、左のカタログ写真に見られるように、ホーム上の人形が回るギミックも付いていました。
その後、人形のギミックが廃止され、色も多少変更されたのが「ふくせんプラレールステーションセット」の中央の物です。
カタログによれば単品販売もあったようですが、販売数は少なかったと思われ、見たことがありません。
右は、それから15年くらいたって、「複線自動ステーションセット」としてリバイバルした時の物です。
ホーム売店などが追加され、色が変更されていますが、このセット自体が生産数が少なく、その後は全く作られていません。
また、ホームが黄色のものもあったようで、下段の写真が確認されています
左:まちの駅、右:フェリーボート
まちの駅はふみきり駅とも呼ばれ、一昔前の私鉄などでよく見られたホームの端に踏切のある駅をモチーフにしています。
車両がさしかかると踏切が閉まり、車両が一時停止してホームの人形達が動くという楽しいギミック付きです。
これも生産数は少なく、「まちの駅セット」に入っていたのみで、単品販売があったかは未確認です。
右は、情景部品と言うよりは、「フェリーボートセット」の主役であるフェリーボートです。
半周分の専用のレールを持ち、機関車が乗り込むとその動力伝達で自走し、半周回って機関車をおろすと、
灯台に仕込まれているバネの力で出発点に戻ります。カモメもいっしょに回ります。
あまりにも大仕掛けなためか、セットとして1回生産されたきりで終わってしまったのが残念です。
ふみきりえき
上に紹介したまちの駅の原型になったもので「近郊型でんしゃふみきりえきセット」にのみ入っていた情景部品です
生産数は極めて少なく、今回初めてその存在が確認されたものです
ベースの色が緑のものとオレンジのものがあります
くわしくはこちらとこちらのページを参照してください
左:ターミナルステーション、右:全自動ふみきり
左はターミナルステーション、情景部品でも超弩(ド)級のアイテムです。
長さでは上の複線自動ステーションに少し負けますが、高さでは文句なく1番!
ギミックも車両の自動停止、発車の他、ベルが鳴り、エレベータが上下し、時計と展望台も回転するという多彩さです。
ただ、そのおかげでコストが上がってしまい、これの入った「ターミナルステーションセット」は
当時定価約5000円になったため、比較的近年まで売れ残っておりました。
右は全自動踏切で、当時のハイウェイシステム用のものでモータートミカ自動踏切の元祖です。
ギミックは殆ど現在の物と同じであり、車の自動停止→列車通過→車の発進を自動で行います。
トミーの技術力には驚かされます。車のサイズが大きめのため、踏切自体もかなり大きめです。
そして何と!この2つが一緒に入った「ハイウェイふみきりステーションセット」というのもありました。
当時定価約7500円!きっと買ってもらえたのは裕福な家の子供だけだったことでしょう。
左:チンチンふみきり、右:エレクトロふみきり
チンチンふみきりは、初の電池式ギミックを仕込んだ物で、警報の点滅とチンチンというベル音がなります。
ただし、電子オルゴールではなく、実際にギアを回してベルをたたくというアナログな仕組みのため、作動音が大きめでした。
それから、実は列車の通過とは連動しておらず、前面の黒いスイッチの入/切で動かすので、オンにすると鳴りっぱなしです。
このあたりを改良したのが右のエレクトロふみきりです。チンチンという音は電子音になり、見た目も踏切らしくなりました。
こちらは今でも発売されていますが、発売当初の物は写真のように色がちがいました。
左:新国際空港、右:コンテナ積みおろし駅
新国際空港は、当時開業したての成田空港(新東京国際空港)をモチーフにしたもので、「新国際空港セット」に入っていた。
ジャンボジェットとDC10が入っているが、航空会社が今はなきパンナムになっているのがマニアック。(もう1機は日航)
この当時は単品販売はなかったが、後年、「アクションエアポート」として色替えされて単品で販売されたがすでに絶版。
コンテナ積みおろし駅は、プラレールとしては最も高度なギミックを持つもので、「コンテナ積みおろしセット」に付属。
コンテナ貨車をひいたEF15が駅に停車すると、フォークリフトが移動、コンテナを貨車よりおろしてバック、90度回転してトラックの後ろに置く。
もう1周して停車すると、今度は逆の動作で、コンテナを持ち上げ貨車に積み込み発車…という素晴らしいものだ。
しかも、駅自体にはモーターは入っておらず、すべてEF15からの動力伝達によりこれら一連の動作を行う。
あまりに高度なギミックが災いしてか、生産数は非常に少なく、これまた入手が非常に困難な逸品となっている。
モノレール駅
これも初期プラレールの傑作と言えるモノレール駅で、「ひかりごうモノレールセット」に入っている。
通常のプラレールのレールの他に、モノレール用のレール1周分と駅ビルが入っている。
モノレール車両も小ぶりなものが1両入っており、ひかり号が駅の部分を通過するときに、レバーでモノレールを押し上げ、発車させる。
ひかり号がもう1周して駅にさしかかる頃には、モノレールもスロープになっているレールを下降し駅に戻っており、同じ動きをくり返す。
上のコンテナ駅でもそうだが、この時代のプラレールは、車両の動力のみで複雑な情景部品を動かすことをポリシーとしており、
ある意味では、職人的なこだわりが強く感じられる。今は見られない大仕掛けな情景部品達が素晴らしい。
上:ホッパー、下:立体積みおろし駅
最後に、往復系の情景部品を2点、紹介したい。
上は、「往復プラレールりったいつみおろしセット」に入っていたもので、鉱石をイメージしたプラ球を積みおろすギミック付き。
ED70の往復機能を活かし、上段の投入口から入れたプラ球を、ホッパーの下から積み込むという動作をくり返す。
専用の貨車が付いており、実物のホッパー車さながらに、荷台を90度転倒させ、プラ球をホッパーに投入するさまがとてもリアル。
下は立体積みおろし駅で、ギミック的には似ているが、積みおろす物が材木になっており、スケール的にも大ぶりで「駅」の形をしている。
この駅が入ったセットは2種あり、左が「森林鉄道つみおろしセット」で右が「立体積みおろしセット」で色が変更されている。
いずれも、往復EF66が入っており、貨車は上のホッパー車と少し形状の違う物が入っている。
これらのセットは、往復機能をうまく生かして積みおろしをくり返すように設計されておりそれこそ電池が切れるまで手を触れる必要はない。
往復プラレールそのものが生産されていない今では、再現が不可能な情景なのが残念である。。