GTI for 1/10 RC

(第二章) 


工程は、第一次木型の修正から
樹脂型制作へ。樹脂型からの
真空成型で、めでたく完成、の
はずでしたが・・・






初回の真空成型でわかったボディ(木型)の歪みを修正しました。
主に、テールライト周りを左右対称にするのと、ちょっと膨らみ
の足りなかったフロントフェンダーをパテを盛って再成型。

この木型が出来たら、樹脂型製作用に
ちょっと厚めのポリカーボ板で少数成型していただきます。
 

上の木型から作った、厚めのポリカーボ板の成型ボディを、
大きさを合わせて作った木箱にはめ込みます。ここへ、
水で溶いた樹脂型の原料を流し込むのです。

その際、水圧でボディが膨らんでしまわぬように、
このポリカーボ・ボディと木箱のスキマを砂で満たす
ことにしました。フチを両面テープとネジできっちり留め、
側面の四角い穴から砂を流し込んでゆきます。
 
砂を流し込んだところです。砂は近所の海岸からちょっと
借りてきました。
しかし、実はここで大失敗しています。
この砂の重さというか圧力で、屋根とフロントグラスが
逆に内側へへこんでしまっていたようです・・・あぁ。。
 
屋根が凹んでいるとも知らず、水で溶いた
樹脂石膏を流しこんでゆきます。全部を石膏にすると
信じられないくらい重くなるので、発泡スチロールの
ブロックを沈め、すこしでも石膏の嵩を減らしています。

水圧で屋根が戻ってくれれば良かったのですが、
砂の圧力のほうが勝っていたようです。
 
この樹脂石膏(Kazさん提供)は、水を入れると熱 を出しながら
化学反応で固まってゆきます。普通にホットケーキの
材料みたいにトロトロだったものが、大体30分から1時間で
写真のように固まります。写真の段階では、まだ外側に
ポリカーボのボディがかぶっています。
これがまた、文字通り「密着」しており、奮闘むなしく
あっさり切開して型を抜き出しました。
 
ポリカボディをはずして、樹脂石膏の型が出てきました。
実車の丸みが出てますか?
まだ湯気がたっており、できたてホヤホヤ感に満ちていますが、
爪で叩くとすでに「キンッ!」と陶器のような音がします。
カチンコチンです。

ポリカボディに写っていた木型の木目は、
この樹脂型にもしっかり「転写」されています。
これをヤスリで磨き、ツルツルにします。

ボディを磨き(フロントグラスの凹みは、パテを 盛って
修正しました)、フェンダーやウィンドウのモールをケガいて
ゆきます。矢印の箇所のような要所要所に、下から空気を
抜くための穴を開けます。
これは、素人には出来ないので、成型工房での作業になりますが、
ここで、またまた問題発生。ピンク矢印のほうはボディ底まで
貫通していますが(これが直径1mmほどの恐ろしく小さな穴なんです)
赤い矢印部分が
樹脂型の厚みと強固さで底まで達せず、
極細ドリルが折れてしまったとのことでした。
(ドリル刃、数本ダメになってしまったそうです。ごめんなさい・・・・)


そんな訳で、屋根に近い部分の真空引き穴を、数箇所断念 した
状態で成型していただいたのですが、どうしてもてっぺん部分に
空気が残ってしまったようで、出来上がったボディの
ルーフ部分に
は(わかりにくいですが)
写真のように
微妙な凹みが・・・・パッと見はわからず、他の部分は
完璧に成型されていたので、相当悩みましたが、
ここで妥協しては何にもならん!ということで、
ドリルの通らない樹脂型はスッパリあきらめ!工房の皆様と協議し、
木型を使うことで三度目の成型に臨むことになったのです。
よよよ。




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