GTI for 1/10 RC


Tarek、Race Touaregに続いて、
懲りもせず始めたラジコンボディの制作第三弾は、
Golf V GTI。他のスケールでは人気車種となり
様々なミニカーがリリースされていますが、1/10RCでは
現在ベースとなるFFシャシーが生産中止となっているためか、
製品化の気配がありません(多分)。
それでも欲しいとなれば、作るしかありません。
しかしそれは、深く険しいイバラの道でした・・・




自宅の建築現場に、なんだかいい感じのタテヨコ比で
柱の切れ端が落ちていたのがことの始まりです。
ミケランジェロや仏師は、大理石や木材を削るのではなく、
埋まっている像を掘り出すそうなのですが、なんの
素養もない私は一思いにザックリ切ってみます。
スライスです。切ってみても、やはりGTIは出てきません。
 

Tarekの時は、ボディを縦に何層にも重ねてクルマの
中心から左右へと形成していきましたが、
これは予め何枚かの板が圧着されているカタマリの角材
なので、無謀にも「一刀彫」に挑戦です。
左右対称に作るのは、ハナから難しいと
予想はしていましたが、なんとかなるべ、という感じで
荒削りしてゆきます。
 
角材から切り出してゆく訳ですが、今回は、写真の
ような型紙をつくって、それを表面に写し取りながら
大雑把に切り落としてゆきます。ちょっとした厚紙に印刷して、
要所要所をカッターで切り抜き、角材に線をいれて
いきます。最初は角材も平面なのでいいのですが、
だんだん角が落ちて立体的になってくると
正確には写し取れないので、フィーリングで
切り抜けます。後で考えると、このフィーリング戦法が
左右対称の狂いの序章だったように思います。

 
ポリゴンで出来たクルマのようです。
ボディ先端のRなどは、けっこう急な絞込みが
されており、図面どおり切り落としたはずでも、
ほんとうにこれがあのGTIになるのか、と
不安をかき立てるブツが出現します。スパッと
切れてるように見えますが、実際は分厚い
角材なので、最後は握力があんまりなくなります。
ここまでは、ノコギリの独壇場ですが、
この次の工程からはヤスリの登場です。
ヤスリも、握力を消耗します。

 
ひたすら角を落としてゆきます。
これは紛れもなくGTIだ、と自らを鼓舞します。
自分でもやってみよう!と思う方のために、ここでアドバイス。。
先にAピラーの位置を決めてしまうとフロントグラスの
丸みを出すのが難しくなります。こころゆくまで
フロントグラスを削ってからAピラーを造形してゆく
方がよいです。私は失敗したので、この順序は要注意です。
あと、部屋の中は、木屑だらけになります。
こまめに掃除機で吸っておかないと、翌朝、雪が降ったように
すべてが、うっすら白くなります。
 
このクルマ、リヤのこの部分が難しかったです。
Golf1のような四角いクルマと違い、実車を見てもどこで
ボディ面が折れてるのか曖昧で、内側へ入りながら
膨らんで、なおかつ絞られていて・・・のように素人泣かせの
曲面ボディです。角材の中心線から曲線定規で
左右の任意の点までの長さを測りながら目安の
線を書いてゆくのですが、対称にするのに
最後まで手こずりました。

濃い色の背景に置いてボディラインのチェックで す。
うーん・・・ボンネットのふくらみがありすぎて追加ヤスリ決定。

意外に、フロントグリルが寝ているんですね。
フェンダーのラインは、もっとシャープに下降しているようなので、
またひたすら削ります。
削りすぎるとややこしいので、このようなラインのチェックを
たびたびやります。なかなか「らしく」キまりません。。


なんとなく見えてきたので、表面を綺麗にするため
紙やすりをかけます。つるつるになったら、デザインカッターで
ドアや窓のラインを描いていきます。(切込みを二ついれ、
▽に彫ってゆく感じ)。サイドモールやドアノブは、削り残して
表現するのはとんでもない過ちなので、あっさりと
別パーツを後付しています。
はい。全然一刀彫になっていません。。
・・・実は、この段階で、一度真空成型をしていた だきました。
どんなもんかなー、と思って。。
ピンボケてると、良さそうに見えますが、これがなかなかどうして、
フロントグラスのラインやテールゲート周りが思いっきり
歪んでおり、また、ボディの裾がちょっと足りず、特にリヤの
眺めが平べったくって全然GTIっぽくない!
そして、どんなにスベスベに磨いても、やはり
木型の木目が写ってしまっています。
・・・ここで妥協してはイケナイ。
 
・・・型の手直しを決意すると同時に、クオリティ アップを目指して、
樹脂型の製作にトライ。この方法は型を二個つくることになります。
気が遠くなります。
木型で一度成型したボディに、樹脂石膏を流し込み、
そこからとった型をひたすらヤスれば木目がすっかり消え、
もう一度その樹脂型でボディを成型すれば、ツルツルお肌の
GTIが手に入る、というわけです。しかし、このツル肌エステコースには、
最後にものすごい落とし穴が・・・(^^;







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