次世代育成支援行動計画策定委員会・中間報告(前編)

「5年後の通常保育定員は2園300人増の19園1830人」

 次世代育成支援行動計画とは、子供の健全な成長と、子育てしやすい社会を築くことを目的とした、05年度から10年間の行動計画(5年後に見直し)です。次世代育成支援対策推進法(03年7月成立)に基づき、都道府県、市町村、事業主は今年度中に策定することが義務づけられています。

 八千代市では昨年度に乳幼児の保護者、小中高校生の親子を対象にニーズ調査を実施。今年4月から学識経験者、関係団体代表(保育園、幼稚園、、福祉関係団体、商工会議所、市民団体など)、市民代表ら25名からなる策定委員会を4回開いてきました。さらに「子ども」「子ども環境」「子育て支援」の3部会でも細かい話し合いを続け、理念や柱、施策などが出そろいつつあります。

 保育園利用者に直接かかわる分野では、この8月6日、策定委員会で、保育事業の5年後(09年度)の目標値が市側より示されました。それに先立つ5日には、保育園利用者(父母会連絡会)の立場で、今年度のアンケート結果を示して意見陳述する機会に恵まれました。従って今回のリポートでは、【1】保育事業の目標量【2】保育園利用者としての意見内容【3】現時点で出ている行動計画の理念と柱【4】それを具体化するための施策、の順でご報告します。(【3】【4】は後編)

【1】5年後の事業目標値(国から報告が義務づけられた特定14事業)

@病後児保育(施設型・派遣型)  03年度1カ所(4人)→09年度2カ所(8人)

 受け入れ病院をもう1カ所増やす施設型で対応。派遣型は実施しません。

 03年度実績は登録2627人、年間延べ利用1369人→09年度推計は登録3230人、年間延べ利用1679人(受け入れ人数ニーズ5.59人)

Aファミリー・サポート・センター事業  03年度1カ所(582人)→09年度2カ所(1223人)

 03年度実績は利用会員・両方会員582人、年間延べ利用2805件、1日平均利用7.68人に対し、09年度推計は利用・両方会員1223人、年間延べ利用5894件、1日平均15.6人

B学童保育  03年度17カ所(790人)→09年度19カ所890人

 「学童保育所の定員数はほぼ充足していると思われるが、地域的に対象児が増加しているため、2カ所(100人)増やす」(市説明)

 実績は03年度利用617人に対し、09年度ニーズ推計は633人となぜか微増にとどまっています。

Cショートステイ  現在0→ファミリー・サポート・センター事業で対応

 親の病気や急な冠婚葬祭などで、一時的に家庭での保育が困難になった子に対して一時的に泊まりがけ保育を行う事業。補助事業として想定される児童福祉施設や乳児院での保育は行わないので、県・国への報告数値は「0」。5年後のニーズは、推計就学前人口1万4609人に対し22人、小学1〜3年6599人のうち0人と、かなり少ない見積もりが示されました。

Dトワイライトステイ  現在0→ファミリー・サポート・センター事業で対応

 こちらは保育園や学童終了後の、夕方から夜の時間帯に保育をする事業。

 ニーズ調査の中で次の3つの条件にすべて合致する人の割合から、推計ニーズを出しています。条件は「19時から22時に子供を保育施設などに預けたい」「勤務形態が9時から17時中心以外か、9時ー17時勤務でも早出残業があり、平日夜間に親族などが見ている」「現在の悩みとして、祖父母など身近な協力者がいないことを挙げている」。その結果、5年後は就学前児童88人、小学1〜3年132人と推計しています。

 CとDをファミサポ事業として安定的に機能させるためには、各小学校区もしくは保育園単位で、預かり会員・両方会員を増やしていかなければならないでしょう。

E一時保育  現在0→09年度は30人ずつ3カ所で計90人

対象は平日昼間、認可保育園の未利用者で祖父母など身近な協力者がいない人。推計ニーズは789人。実施園や方法(通常保育との関係など)は未定。

Fつどいの広場  03年度2カ所→09年度2カ所

G子育て支援センター  03年度3カ所→09年度5カ所

 「つどいの広場」は、子育て中の親が気軽に交流や相談ができる場を提供する事業。地域によっては、NPOなど市民が設置・運営しているところも。目標の2カ所は「すてっぷ21」であり、これで足りているという判断です。

 「子育て支援センター」は現在、高津南、八千代台南、米本南の3保育園で行われている地域解放ルームの事業を指し、さらに2園で同様の事業を始めることを想定しています。

 ただ、今回の行動計画の主眼である、「市民が自らの手で」という理念を具体化するには、現在のすてっぷや保育園地域開放の形だけでいいのか、検討の余地はあります。

H通常保育  03年度17カ所1530人→09年度19カ所1830人

 この人数はあくまで施設定員の合計。実際には待機児童対策のため、年度途中で定員を3割増めまで拡大し、03年度には施設定員より180人余り多い1714人を受け入れています。同じ施設、保育士数のまま割り増し入所すれば、当然何らかの質への影響は避けられません。が、今後の目標値については、児童支援課は「基本的には定員の中で子供を預かりたい」と明言しました。

 また、新設2園のうち、みつわ会新設園以外については、用地などの計画は未定、としています。

 推計ニーズは09年度1792人。03年度の実績1714人との比較では定員拡大は実質80人分となり、待機児解消できると言い切れるか、判断は分かれるところです。

I延長保育  現在0→09年度2カ所

 ここでいう「延長保育」は、八千代では19時を超える部分を指します。2カ所で考えているのは午後8時ごろまで、の想定だそうです。09年度ニーズ推計は44人です。

J休日保育  03年度1カ所(4.4人)→09年度1カ所(9.3人)

 現在実施している第二勝田保育園で引き続き、受け入れるという想定。ニーズ推計は、年間延べ利用が627人1日平均利用が9.3人。ただ、ニーズ調査では、働く保護者(母親)のうち、日曜・祝日の出勤が約半数、というデータも出ており、地域バランスの面でもさらに検討されるべきでしょう。

K夜間保育  現在0→ファミリー・サポート・センター事業を利用

 延長保育を超えてさらに22時ごろまでの保育を想定。09年度の推計ニーズは175人。延長、休日、夜間保育の実施にあたっては、保育園サイドや児童支援課からは、「子供への負担」を考えると園で引き受けるが妥当なのか、という意見も出されています。生活防衛・仕事への責任と、子供のくつろぎと、どうバランスを取るか、父母側も話し合いが必要かもしれません。

L特定保育事業  目標値0

 週に3日以下の勤務の人(八千代の場合、日々保育に欠けない人)を入所させる事業。八千代市は選択せず。

 

 最後に、「これらの事業すべてに予算、財政的な保障はされているのか」をたずねました。これに対し、児童支援課長は「いません。あくまで目標です。ただ、市は5年後の予算までは確保するよう最大限の努力をします」と回答されました。加えて「ニーズが増えれば目標値を見直したい」とも述べられました。

(ここからは感想)

 全国で事業集計をする性格上、これらの事業は「絵に描いた餅」ではないでしょう。ニーズ推計も、対象者の条件を厳しく絞り込んだ低い数値になっている印象をぬぐえません。保育園、学童以外には大きな新規事業はなく、100%達成をにらんだ目標値でしょう。となると、問題はその財源をどう捻出していくのか(人か、施設の統廃合か、新たな利用料設定か、それとも福祉・子供以外の事業からか……)。そして、調査結果から導かれたニーズ推計は、本当に実態をすくいきれたのか。

 実は今回の会議では、この事業の目標数値について、十分な説明・質疑時間をもらえませんでした。事前に依頼してあったのに、その時までデータを提供せず、読み込む間も奪って終わらせるのには、何か意図的なものを感じます。

 確かに、今回の計画は市民が何ができるか、の提案を市民が積み上げて柱やプランを描くことになっています。だからこそ「絵に描いた餅」で終わらないために、どこまでが、市に必要、かつ実現可能な業務で、どこからが市民の自主的活動で広げていく業務なのか、取りこぼしがないように具体的に把握しておく必要があります。それを、財政と公的責任の絡んだ事業の話だけ、市民委員の目から遠ざけようとするのは、逆に、「あなた方は計画策定の構成員ではなく、子育てを巡る親たちの実情を聞かせてもらうだけの協力者なんだ」と伝えているようなものです。八千代の危機的な財政状態は、市民ならだれでも分かっています。あるべき市民参画というのは、すべてのデータを公開したうえで、お互い納得できるプランを描くことだと思います。

 

【2】保育園利用者としての意見内容

 8月5日、子育て支援部会にて、連絡会ニュース66号(父母アンケート掲載)を配り、以下の点を説明させてもらいました。

@アンケートの結果、一人一人を大切にする保育内容に満足度は高い。それを条件に置き換えれば国を上回る正規保育士の配置基準や、無形文化財としての保育の技の継承である。今後も高い水準を守ってほしい

A看護師と栄養士が全園に正規配置されていることも重要。体調管理やアレルギー対応、食育などの面で、助かっている、という声は強い。続けてほしい

B今年度の特徴として、時間外保育を8時まで、というニーズが高い。地区によっては、都心まで通勤する母親も増えている。通常の会社で夕方6時に退社しても間に合わない。

C同じく今年度は特に、安全対策の徹底を求める声も高まっている。茶々保育園の警備員導入に対する反応は上々だ

D就労を希望する家庭の子は、すべて認可保育園で責任を持って受け入れるべきだ。幼稚園の預かり保育はあくまで在宅中心の生活を選択した親が、子供の「午後の居場所」として利用している。教室中心の幼児教育と生活中心の保育は区別するべきだ。

E子供の人権を守れる保育水準は公的責任で守ってほしい。それは、各地域に公立が直営する保育園を残すことだ

F男性保育士への要望も強い

G特別な支援を必要とする子、家庭が増えている。保育園在園児だけではないが、ソーシャルワークが必要な子供の受け入れは行政の責任で行ってほしい。

H計画の主体は親子、地域住民と行政、という議論になっている。市民が自発的に子育て支援を拡大するのは理想的だが、行政が単なるパートナーシップでは抜け落ちる点もある。地域のバランスや事業の継続性、公的扶助が必要な分野などだ。市全体の子育ての質をマネージメントする責任は行政にある、ということは計画の中に明記するべきだ。

続きの【3】【4】は次回ご報告します。

 続きの【3】【4】(作成出来次第アップロード予定)
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