八千代市保育園父母会

連絡会ニュースNo.46

2002年 8月15日(木)発行

八千代市保育園父母会連絡会広報部

[7/28定例運営委員会&全国合研報告]

8月25日[日]「2002年度保育士さんとの懇談会」を開催します。

〜8月度の定例運営委員会を兼ねて。第3回手話勉強会もあります。〜

カアちゃん特製やきそばだよ。

 7月28日(日)、2002年度第3回定例運営委員会が福祉センターにて開催されました。先月のアンケート回答を元に本年度要望書案を検討し、又、各園父母会の情報交換をしました。7月は、茶々おおわだみなみ・八千代台南・村上北・村上南の4園が夕涼み会や夏祭りを実施したそうです。父母会主催ながら、職員がボランティアでコーナーを持つ園もあったそうです。いずれも盛況で親子で楽しめたとのことです。高津西では、例年秋に実施していたバラ園での親子レクを7月に実施し、17家族50名ほどが参加し、暑さにも負けず盛り上がったそうです。八千代台西では、9月に親子祭りを計画しているとのことです。又、高津西保護者堀篭さんからは、7/13「公立保育園の民間委託・民営化を考える学習会」[保育園を考える親の会主催]の参加報告がありました。

 保育園支部と連絡会共催の第4回「あそぼうよ みんなよっといで。」を10月か11月の第4日曜日実施の方向で検討しています。実行委員を募集中です。

 8月度の定例運営委員会は、昨年度初めて実現した「保育士さんとの懇談会」に充てます。いつもと同じ第4日曜日(8月25日[日])で場所も福祉センターです。

 7月度会合でも会合前の30分を使って第2回「手話勉強会」を行ないました。名前の表現の仕方などを習いました。子どもも参加OKです。ぜひ、お気軽にご参加ください。

 

「配置基準を改善し、正規職員を新規採用し増員を。」(2002連絡会要望書)

〜 8月5日、本年度要望書を児童支援課経由で市長に提出しました。〜

 連絡会会長が、今年度の連絡会要望書を8月5日、市長宛に児童支援課経由で提出しました。その際、1時間ほど担当の佐々木児童支援課長と話しましたので、次回会合にて内容を報告します。尚、この要望書に対する回答を含む児童支援課との懇談会は、9月議会終了後に予定しています。

 八千代市の公立保育園においては、新規の正規保育士は5年前の1997年に3名採用したのを最後に不補充の状態が続いています。その間、毎年少しずつ退職者がありました。その結果、今年4月から、保育士の配置基準が実質的に変わったように聞きましたのでこの点を明らかにしたいと思っています。〔担当課は、「職員の配置基準については昨年と変わっていない(児童の定数に対しての配置基準)」と言っています。〕

 昨年度までは、4月当初の各園各クラスの定員に併せ正規保育士が配置されていました。そのおかげで、定員未満のクラスがある場合、保育士の数にいくらか余裕ができ、年度始めで子どもが落ち着きにくい時期、ゆとりある保育が期待できました。ところが今年4月からは、年度始めの入園児分の保育士配置となり、途中入園で増えた分に対しては、臨時職員を充てる体制になっています。年度が替わっても担任が継続できることは、子どもにとっても保護者にとっても重要なことです。その意味で、クラス担任が必ず正規職員になるよう、退職者不補充ではなく、新規採用を強く要望します。アンケート回答にもあったように、若い保育士が新規採用されることは、元気な子どもたちにも嬉しいことですし、ベテラン保育士にも良い刺激になるでしょう。

 又、「連絡会ニュースNo.45」で速報した、2004年に学童保育所併設で新開設される保育園について、担当課から詳しい説明を求めることにしました。運営する「あすみ福祉会」(茶々おおわだみなみ保育園運営法人)からは、連絡会と懇談したいとの電話を近藤副園長より事務局宛にいただきました。

2002年度連絡会要望書です。

2002年 8月 5日

八千代市長 大澤一治 様

                        八千代市保育園父母会連絡会会長  

要 望 書

 日頃より、保育行政の発展のためにご尽力を頂き、また、各保育園の父母会・保護者会、そして保育園父母会連絡会の活動に対し、ご理解とご協力を頂いていることに感謝申し上げます。

 さて、私達、子供を持つ親の思いや願いの多くは、「子供とのふれあいを大切にしたい」「子供の健やかな発達と安心して預けることができる保育環境を充実してほしい」ことにあります。

 しかしながら昨今の社会情勢を見ましても、相変わらずの景気の低迷による高失業・就職難が続いていることに加え、医療法の改悪、有事法制の整備など、この先どうなるのか将来への不安を掻きたてる状況にあります。また、保育環境でも、規制緩和による措置制度の廃止や定員枠の拡大、経費削減を目的とした民間委託など、子供や親、働く職員の方々にとっても環境悪化の方向にあると言えます。

 このような状況から、経済的・精神的にも親が親としての子育てができず悩んでいる家庭も少なくないと思います。このことを解消するためにも、公的責任において子育て支援を実効あるものにするための体制づくりが必要だと考えます。この点からも公立保育園の役割は一層重要になっていると思います。

 私達は、将来を担う子供たちが、安心して暮らせ、のびのびと健やかに育つ環境を作り上げるために、行政と市民が共に力を合わせて改善して行きたいと考えております。

 つきましては、今回実施したアンケート結果や運営委員会で出された意見を下記のとおり集約致しましたので、是非ご理解の上、改善されますようお願い申し上げます。



  

1.子どもの発達の保障や公立保育園の維持・発展のため、職員の配置基準を改善するとともに、正規職員を増員してください。又、担任には必ず正規職員を充ててください。

2.時間外保育は無料のまま継続してください。

盆踊りの季節です。3.休日保育実施園を増やしてください。

4.2004年新設の保育園について具体的な内容を聞かせてください。また、市全体の今後の保育園の整備計画を聞かせてください。

5.2004年新設の学童保育所について、及び既設学童保育所との関係について、具体的な内容を聞かせてください。

6.各保育園からの要望を実現してください。                          
以上

 

秋葉先生の迫力に感動し、園児虐待に怒り、米倉さんの話に泣きました。

〜全国から7307人[千葉県からは106名]の保育に関心のある父母や保育士さんたちが、8月2〜4日静岡保育合研に集まって学びました。〜

雷鳴轟き、秋葉先生の怒りに天の声。

 8月2日(金)、合研オープニングフォーラムで6人の基調報告がありました。その中で、香川県香川町の藤島夫妻が、生後1歳7ヶ月の長男ひとき君を亡くされた話が印象的でした。ひとき君は、小鳩幼児園という地元の保育園に預けて10日目、今年2月19日に園長の虐待で殺されてしまったとのこと。その際、死体検案書に「SIDS[乳幼児突然死症候群]の疑い」と書かれ、事故死の扱いで、当初警察はまともな捜査をしませんでした。その後両親と「赤ちゃんの急死を考える会」等の努力で真相が明らかになってきました。現在園長は逮捕起訴され公判に入っているそうです。

 続く秋葉英則先生(大阪教育大学)のお話では、国会で有事立法が継続審議になっていることにも触れながら、最近の新潟無認可施設小林乳児園でのベビーベッド事件や町田無認可託児所「ポップコーン」での浴槽転落事件と絡めて、藤島ひとき君事件に強い憤り感を示しました。ゆっくり淡々と話すだけでなく、時には大声でストレートに怒りをこめた話しぶりに強い迫力を感じました。会場がしーんと静まりかえる中、突然の雷鳴が鳴り響き、まるで天も怒っているかのようでした。

「日常保育の把握に保護者会は不可欠」

 8月3日(土)、第4分科会「子どもの人権と虐待問題」に参加しました。前日の藤島夫妻に加え、東京都豊島区ちびっ子園で子どもを窒息死させられた北條さん、「赤ちゃんの急死を考える会」の小山さんが、子どもの虐待問題について、又、八千代台保育園の須藤保育士が「子どもの権利条約と保育について」の園内研修について、それぞれ報告しました。

 分科会会場は静岡グランシップ10階の大会議場でしたが、大勢の参加者でぎっしり満員でした。小山さんは、SIDS[乳幼児突然死症候群]の診断名が、保育施設や病院で寝返りできない乳児をうつぶせ寝にして窒息死させたり、虐待死させているにもかかわらず、真相を隠すために悪用されている実体と社会的弊害について話しました。

 須藤保育士は、日常保育で子ども一人一人を本当に大切にする保育には、「子どもの権利条約」の共通理解が欠かせないとして、職員研修を実施したことを話しました。これらの話を受けて、分科会世話人の浅井春男氏(立教大学)は保育園の善し悪しの判断項目として、

@保育者に笑顔があるか?

今日は保育園に行きたくない。

A保護者会として、保育の中身を問い、意見を言えるか?

B日常的に密な連絡があるか?

C子どもが保育園に行きたがるか?

D地域でどう評価されているか?(悪い噂等無いか?)

   の5つを挙げました。

 とりわけ、父母会や保護者会が存在していることの重要性を強調しました。良くない保育施設では、保護者同士の情報交換をさせないように、父母会をつくらせなかったり、電話連絡網を作らせないそうです。又、日常の保育内容を知られたくないため、子どもを玄関で受け取る傾向があるそうです。そのような心配がある場合は急用を装って、突然一番忙しい時間帯に保育室を見るべきだとのことでした。関連して、母と子のための幼児虐待保育研究会のHP(http://www.d1.dion.ne.jp/~ho_iku/)を紹介しました。又、もし、保育園で子どもが亡くなったら原因を正確に解明するのが専門家(保育士等)の使命であり、医者も死亡原因にSIDSと記載してはいけない。と強調しました。

 参加者からの発言が相次ぎました。伊東市で定員10名の共同保育所に勤める保育士は、自分が勤め始めた頃のひどかった状況を語りました。

一緒に保育にあたっていた保育責任者は、保育中ずっと携帯メールをやっている状態で、窓には一面ポスターを張り中が見えないようにし、子どもは玄関で受け取り、保育室は決して見せない。地域でも悪い噂になっていたそうです。2ヶ月後、父母が相談しあって当該保育責任者をやめさせた。それから4年が経過しているが、信用を取り戻すのが大変だった。現在は、保育室で子供を預かり、突然の訪問もできるようになっているとのことでした。

 浅井氏は分科会のまとめで、子どもの育ち・安心できる保育体制のためには、政治が密接に関係すること、父母と保育士が協力して質の高い保育へレベルアップを図ることなどを話しました。最後に「笑顔を大切に。学ぶことを忘れずに。」との言葉で締めくくりました。

役に立たない人間は本当に役に立たないのか

8月4日(日)、俳優・演出家・画家である米倉斉加年さんが記念講演をしました。夫婦で劇団生活を送りながら、殆んど収入が無く、子育てが非常に難しい状況下、たまたま駆け込んだ公立保育園の園長が、手続きは後回しにし、翌日からすぐに入園させてくれて救われた話に5000人を越える聴衆は、引き込まれました。

 目が不自由な人たちの前で演じた経験から、いわゆる健常者よりも障害者といわれる人たちの方がどんなにすばらしい観劇をしてくれるか、ユーモアを交えながら話しました。

戦争は人を不幸にするだけです。

 話の締めくくりに自著「おとなになれなかった弟たちに…」(1987年より中学国語教科書に採用)を朗読してくれました。太平洋戦争終結直前に栄養失調で死亡した弟の話に、会場の参加者は皆、目頭を押さえていました。本編に続くあとがきも読み上げ、加害国日本の戦時中の悲惨さ以上に、被害国アジア諸国の大変な実態に目を向ける言葉が印象的でした。 

(高津南S記) 

『保育制度改革、どこが問題か?』〔杉山隆一さん[大阪保育研究所]講演〕

9月14日[]14:00〜船橋市勤労市民センター 秋の運動スタート学習会〜秋の大運動

 

 今こそ、国、自治体に保育責任を!国は昨年11月に児童福祉法を一部「改正」し、公立保育園の民営化、民間委託を自治体に誘導し、保育の市場化を一気に進めようとしています。保育の市場化は、国の言うように、競争により多様な保育要求に応えられる保育園になりうるのでしょうか?何よりも、保育の市場化のなかで、子どもたちが豊かに発達する保障があるでしょうか。

 国の大きな動きをしっかりと学習することが、この秋、国と自治体に保育責任を求めた取り組みをするために必要です。今年の学習会は、大阪保育研究所で活躍されている杉山先生を招いて、「市場化の問題点と今後の運動の視点=公的保育制度をどう発展させていくか」などお話をしていただく予定です。講師をお呼びしての学習会は今回だけですので、大勢で参加しましょう。



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