水色の長い髪

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「どうしたのですか?こんな所で・・・?」後ろから突然声をかけられ、私はびっくりした。
「あ・・・リュミエール・・・様?」
飛空都市に来てまだ1週間。アンジェリークはやっと、守護聖様方の名前を覚えた頃だった。
私は夕方、公園のベンチに座ってぼんやりしていた。
女王候補、なんて聞こえはいいけれど・・・
慣れない環境は、プレッシャーとあいまって物凄いストレスとなっていた。
確かに、始めの数日は楽しくてうきうきしていた。
初めて出会う雲の上の人達・・・自分が名誉ある女王候補に、期せずして選ばれた事。
そんな期待感と嬉しさで興奮すらしていた。
だけど・・・
気持ちが落ち着いてみると、自分が一体今何をしているのか・・・
何を要求されているのか・・・重大な事に気がついた。
 確かに、美形ぞろいの守護聖様に囲まれて、育成依頼の名の下にお喋りするのはこの役目の特権だとも思う。
 でも、そんな浮かれた気持ちで臨むには背負う使命はあまりにも大きすぎる・・・
 そんな事を考えていた時、リュミエール様に声をかけられた。

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リュミエール様の執務室には毎日通ってた。
落ち込んだ事があっても、自信を無くした時でも、この方は必ず笑いかけてくださる・・・
それがなにより、心の救いだった。
「何か・・・困っている事があるのでしょうか?」
いつものように、穏やかに、 リュミエール様が私に問い掛ける。
「わたくしで力になれる事でしたら・・・」
そう言いながら、顔を斜めに傾けた リュミエール様の水色の髪が、さらりと肩をすべる。
私は、ぼーっとただ、その様子を眺めていた。そして
〜抱きしめて欲しい〜
衝動的にそう、思った。不安を包み込んで欲しい・・・
気持ちがぐらぐらと揺れているのを感じて、 何も、言葉に出来なくなってしまった。
守護聖様に対して、そんな不謹慎な感情を持つなんて!!  そう、自分が情けなくなりながら・・・
リュミエール様は、そんな私になおも心配げな瞳を向けた。
「アンジェリーク。」
ふいに、名前を呼ばれ、私はハッとなって顔を上げた。
「何をお悩みなのかはわたくしには解りませんが、 この頃いつも緊張しておられるようにお見受けします。
大丈夫、もっとリラックスをして自分らしく居てください。」
「リュミエール様・・・」
まるで自分の心を見透かされている様・・・ 毎日、少しお話をするだけなのに・・・

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