平成12年度 第1回 「土器づくりの会」
加曾利貝塚博物館の学芸員が総出し、土器づくり同好会の人々の応援を得て、土器づくりの講習会が行なわれました。
T. 2000/4/9 <素地土作り>
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乾燥させたClay と Soil を 3kg/2kg の割合で混合する。講習会では、水との混合率を明確に把握するために、乾燥したClay
を用いる。 縄文時代に加曾利で作られた土器は、武蔵野ローム層の下の常総粘土層の上部を使った。今回のClayは八千代で掘り出したもの。 |
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| 0.準備 | 1.粘土と砂を混合する | 2.充分に混合する | |
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| 3.水を500g加える | 4.混合する | 5.さらに水を500g加え、混合する | 6.さらに水を500g慎重に加える 場合によったら400gでやめる |
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| 7.混合する | 8.全体重をかけて練る | 9.体重をかけ、そぐようにして練る | 競争率3倍をクリアーして参加した人達。 |
Clay と Soil の割合を 3kg/2kg としたのは、常総粘土層の Clay を使用した場合について、加曾利貝塚博物館が最適として採用してきた比率。使用する
Clay と Soil が異なる場合は比率が異なるとのこと。(”粘土”や”土”という言葉があやふやに使われるので、”Clay”と”Soil”と書きました。”Clay”は常総粘土層から採取した粘土、”Soil”は粘土に比べると平均粒子径が大きい土を意味しています。)
U. 2000/4/16 <成形>
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| 0.1週間前に練成した粘土をポリエチ袋から出し、そぐようにして練る | 1.底部の円盤を作る | 2.円盤の縁を盛り上げる | 3.直径約2cmの粘土のヒモを縁に載せながら接合させる 註1 |
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| 4.試験的に2段作り、糸で切って、接合を調べる | 5.上段まで積んだ時に、下段の接合の悪さを発見。 補修 | 6.粘土の輪を積み重ねていく 註2 粘土のヒモの長さは直径の約3倍。☆ |
7.縄文をつけるためのヒモとハマグリ |
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| 8.縦の線模様を竹べらで描く 竹べらは寝かせて浅く | 9.細い粘土のヒモをつける ヒモの上下を細い棒で土器に接合させる | 10.底部を台から離す時は斜めにならないように | 11.縄文は長さ5cm位の色々なパターンのヒモを強く押して転がす |
☆ : 縄文時代は多くの土器が作られました。ここで紹介した輪積み方法で土器を作っていたとしたら、縄文人は円周率を知っていたと思います。土器を作るときに必要な、簡単な技術です。一段分の粘土のヒモを土器の直径の上に持ってきて、だいたい3倍にして新しい段として積み重ねればちょうど円の一周になります。丈夫な土器を作るには、連続的な粘土のヒモを輪積みした方がいいのです(外観だけでいいのならツギハギでも問題はありませんが)。
V. 2000/4/23 <みがき/つぶし>
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| 1.暗所で乾燥させた土器を磨く。 口縁部は竹ヘラ、貝などで平坦にする。口縁部の磨きが最重要。 |
2.内面を曲率が同じハマグリの端部で磨く。凹凸をなくする。 | 3.ハマグリの背中(現代はプラスティックの容器)等で”つぶし”を行なう。根気よく行なう。光沢が出るようになる。この人の磨きはすごい!もしかして縄文人? | 4.外面に無地の部分がある場合は磨き、つぶしを行なう。粘土のヒモをつけた部分も同様。 |
W. 2000/5/14 <焼成>
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| 9:00前。焚き火を始める。 ∵ 野焼きを行なう地面の水分を蒸発させる。おき火(炭火)を作る。 | 10:00。3週間博物館の会議室に置いて、室温で乾燥させたものを、焚き火の周りに置いて、熱で乾燥させる。5〜10分間毎に、土器を回転させ、熱せられる面を変える。 | 12:00。土器づくり同好会の人が作った土器で、あさり、しいたけ、野菜のスープを作り、土器の料理を味わう。 |
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| 12:55。おきびに乾燥させた土器を並べる。数十分かけて、土器の温度を上げる。 | 13:20。薪を一気に並べ、本焼きをはじめる。割れるものはこの段階で割れる。 13:35。土器を寝かせ、底を焼く。 |
13:40。取り出し開始。 |
この段階の、乾燥具合、焼け具合は経験者でないと何とも判りません。
参考書 : 「縄文土器のつくり方」 加曾利貝塚博物館友の会
発行 ¥100 (博物館受付で買えます)
| 左:新井氏製作縄文式土器 (強い磨きです) 右;新井氏製作時の写真(2001年夏休み展示) 加曽利貝塚博物館が創設時期に縄文式土器作成研究を後藤和民氏が中心となり計画していたところ、群馬県桐生市で縄文式土器研究をしていた新井司郎氏に巡り会いました。 新井氏は、加曽利貝塚博物館に設けられた「縄文土器製作研究所」に所長として招かれ、素焼きで漏水のない縄文式土器の製作方法の研究を博物館と共同で行なうに至りました。 単なる外観の復元ではなく、機能性/構造の復元を行なうために、製作中の土器と寝食を共にしたことは、感銘を受ける話です(上記¥100の「縄文土器のつくり方」に書かれています。この冊子は10倍、100倍の価値があります)。 |
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独り言
常総粘土は青白い。
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