「兵庫の山々 山頂の岩石」  岩石標本室

三田市
虚空蔵山山頂
中生代
白亜紀後期
平木溶結凝灰岩
2003年4月21日
No:03421.2
流紋岩質溶結凝灰岩 rhyolitic welded tuff  (横10.5cm)

 褐色の基質に、白い斜長石とギラギラ透明に光る石英の結晶片が多く含まれていま
す。また、ルーペで観察すると、黒雲母あるいは角閃石の小さな結晶片も見られます。
斑状の流紋岩のようにも見えますが、これは強く溶結した流紋岩質凝灰岩の典型的な
つくりなのです。
 石英の輪郭は丸く、時には湾入しています。これは、火砕流に巻き込まれた石英の結
晶片が、高温によって周囲から溶け始めたことを示しています。標本の上下の平面は、
冷却による板状節理の節理面です。
 芽吹きの春、酒滴神社から虚空蔵山へも参考にして下さい。