虚 空 蔵 山 (592.0m) 三田市・篠山市 25000図=「藍本」 |
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芽吹きの春、酒滴神社から虚空蔵山へ
桜の花が散ったかと思うと、草木の芽吹きがいっせいに始まった。水辺にも山々にも、日増しに若い緑が広がり、一日一日とその色彩を変化させている。今朝は、昨夜までの雨で洗われていっそう瑞々しく映える山の緑を目にしながら、虚空蔵山に向かった。
虚空蔵堂で一休みしたあと、堂の右脇から続く登山道を上る。急坂を上り切ったところに役行者の石像が祀られていた。少しの間ゆるやかに進むと、再び道は急坂となった。標高が高くなったせいか、このあたりのコバノミツバツツジはまだ咲き始めたばかりで、つぼみも濃い赤紫色で残っていたりする。まだ開いていない三枚の小さな葉は、葉裏の純白の毛を巻き込んで、上向きに立っている。タチツボスミレが道の横に咲いていた。 丹波岩の上からは展望が大きく開けている。
八王子山、山上山を経由して油井に下った。山上山を越したところで雨に遭った。車での帰路、雨上がりの空に右脚だけの虹が鮮やかな色彩でくっきりと立っていた。 山行日:2003年4月21日
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酒滴神社(地形図JR藍本駅のすぐ南の神社記号)の境内横に車を止める。ここから、神社北の小さな沢に沿った道に分け入った。初めは明瞭だった道は、やがて沢そのものと区別がつかなくなり、山上の小さな池に行く手をさえぎられた。池の左手の斜面を雑木をかき分けて上ると、道のついた小さな尾根に達した。この尾根を、少し上った所が359mのピーク。ここから、尾根上の道を西へ下ると登山道(裏参道、地形図破線路)に合流した。 |
■山頂の岩石■ 流紋岩質溶結凝灰岩 (白亜紀 有馬層群平木溶結凝灰岩) 岩石は緻密で硬く、帯紫灰色をしている。岩石中には2〜3mmの粒状の石英の結晶片が多く含まれ、これらがキラキラと光ってよく目立つ。石英以外には、白濁した長石の結晶片や、黒雲母・角閃石の小さな黒色の結晶片も多く含まれている。溶結凝灰岩に特徴的なユータクスチック組織が、肉眼で一部に認められた。 丹波岩や山頂の岩体をはじめ、尾根付近でみられた岩体には板状節理が著しく発達している。板状節理の幅は、1〜5cm。節理面は急傾斜であり、丹波岩ではN20°E、70°〜80°Wであった。 写真:虚空蔵山山頂の岩石 大きな粒は石英と長石。石英は、無色透明だが写真では黒っぽく見える。白い粒は長石。黒雲母や角閃石は、細かく黒い点として見える。 |