広峰山(Ca.260m)〜増位山(259.0m) 姫路市 25000図=「姫路北部」 |
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雑木林を縫って、広峯神社から増位山へ
姫路城天守閣から、姫路の街が一望できる。広峰山から増位山への山並みは、その市街地の後背に、稜線を小さくゆるく波打たせて屏風のように連なっている。広峰山の山上に、褐色や黄色に色づいた木々に埋もれるようにして小さく見えるのが広峯神社である。双眼鏡で見ると、随神門、拝殿、本殿と、それらの屋根が三層に重なるようにして建っていた。
広峯神社横の大きなケヤキの木を見て、東へ随願寺をめざす。道は、小さく浅い谷を三つ横に渡るようにして続いている。一部ヒノキ林もあるが、多くが豊かな自然林である。晩秋に色づくヤマウルシの赤、コナラやアベマキの赤褐色、タカノツメの淡い黄などに、アラカシ・ソヨゴ・ヒサカキなどの常緑樹の緑が混じる。木の葉を透かして降り注ぐ陽の光が、それらの色をさらに明るくまだらに染めている。道の谷側には、石積みが長く続き、その石はしっとりとコケにおおわれている。麓の山陽道を走る車の音は、いつか小鳥の声に変わっていた。 随願寺から南東になだらかに上ると増位山である。山頂の三角点は真新しくなり、東側が伐り開かれていた。正面に高御位山が見える。北に遠く、笠形山がぼやけている。姫路の街並みを、市川がゆるく蛇行して流れている。午後の空気は、その街並みの上に青白い靄をうっすらとかけていた。 山行日:2002年11月16日
※ 山名は、広嶺山、広峯山などとも表されるが、地元では広峰山が一般的である。神社は、広峯神社の字が使われている。 ※ 今回は、『山と溪谷 2003年1月号』の特集「御利益のある山」の取材のための山行でした。広峯神社への初詣のあと、随願寺、増位山と、落ち葉を踏み分けながらの新春の山歩きはいかがでしょうか。 「広峰山系の峰と谷を歩く」(2010年5月30日)」へ |
奥白国登山口から、広峯神社への旧参詣道が北へ明瞭に残っている。ドライブウェイを一度横切ると、傾斜が急になり、やがてハイランドビラ姫路にぶつかる。ここからドライブウェイを少し進んだところが大鳥居。大鳥居の前に広い駐車場があり、ここまで車で入り込むことができる。 |
■山頂の岩石■ 白亜紀 広峰層 含異質岩片流紋岩質凝灰岩
この凝灰岩の特徴は、2・3cm〜数10cmの異質岩片を大量に含んでいることである。岩片は、頁岩もしくは千枚岩がもっとも多く、その他にチャートや珪質シルト岩を含んでいる。また、数m大のチャートや頁岩・千枚岩をブロック状に取り込んでいるところもあった。これは、火山が爆発したときに火山の周辺にあった基盤の岩石の破片を大量に巻き込んで固まったためである。 |