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鷹尾山(263m)・荒地山（549ｍ） 芦屋市 25000図＝「西宮」「宝塚」 芦屋川から岩と遊んで荒地山へ
午前８時３０分、休日の芦屋川駅は、たくさんのハイカーで賑わっていた。高気圧のうしろに入っていたが、まずまずの天気の明るい朝だった。
短い石段から山道に入った。道は、雑木林の中をつづらに上っていた。射しこんだ薄日が地面のコシダを照らし、木の上ではツクツクボウシがにぎやかに鳴いていた。 小さな谷には、木橋がひとつ架かっていた。ひと登りしたところに展望台があった。ベンチの横に立つと、眼下に市街地と大阪湾が広がった。大阪の高層ビル群は、雲の底から降りてきたガスに白くかすんでいた。 道は、またつづらになって続いていた。ときどき、石段や石垣が現れた。歩き始めて40分、鷹尾山の山頂に達した。 山頂は、真ん中に大きなヤマモモの木が立ち、西端にベンチが置かれていた。高座谷の向こうには、ロックガーデンや中央稜……。神戸の市街地は、朝の薄日を浴びてあちこちが白く光っている。クレーンと海に浮かぶ船体の赤が、港の風景に暖色のアクセントをつけていた。
２．荒地山へ 鷹尾山を北西へ下り、高座の滝分岐を見送ってコルを過ぎると、尾根には角が丸くなった岩が重なっていた。道は、それらの岩を縫うようにして続いていた。ネズミモチの実が、だいぶんふくらんでいた。 鷹尾山から三本目の鉄塔を過ぎ、西に進んでひと登りすると、荒地山の山頂が間近に見えた。緑の山肌のあちこちに、薄褐色のボルダーが飛び出している。 荒地山は、花こう岩でできている。角が丸くとれた四角い岩は、花こう岩の風化のようすをよく表していた。いくつかの岩の上には、人が座っていた。その姿が岩山の猿のように見えて、おかしかった。
積み重なる岩の間を縫って急登すると、岩梯子に達した。ここは、花こう岩の節理が板状になって立ち、割れ落ちたところがチムニーになっている。 節理の走向を測っていると、4人のパーティが登ってきた。下ですれ違ったときに、歌を歌いながらにぎやかに歩いていた若い男女のパーティである。彼らが岩梯子を登っているところを、下から撮らせてもらった。
岩梯子の上には、巨大な岩が積み重なっていた。岩の間をよじ登っていくと、すき間の狭くなったところに一枚の岩が屋根のようにかぶさって、洞穴をつくっていた。この洞穴は、新七衛門嵓と呼ばれている。
洞穴を抜け上がると、岩の上に出た。4人のパーティや、あとから登ってきた人たちと一緒に、岩に座って休憩した。海からの風が吹き上がり、気持ちがいい。 「こわい。こわい。死ぬかと思った。」 若者たちの会話が楽しい。岩の間に生えたヒサカキやコナラの幼樹が風に揺れていた。 その上も花こう岩の大岩が重なっていた。大岩の間を腕力を頼りによじ登った。 「楽しいところですねぇ。」 「うん、楽しいなぁ」 そうしているうちに岩場も終わり、土の道に変わった。リョウブやアカマツの林を抜け、ササを縫って続く登山道を進むと、荒地山の山頂に達した。 そこはアカマツに囲まれた広場で、真ん中に小さなケルンが積まれていた。
山行日：２０１１年９月２５日
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| 阪急芦屋川駅～鷹尾山（263ｍ）～327ｍピーク～岩梯子～荒地山（549ｍ） |
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| 阪急芦屋川から荒地山へ向かう一般ルートである。岩梯子やその上のボルダーを登るときは注意が必要だが、そのそばに安全に登れるコースがある。 | ||||||||||||||||||
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| 山頂の岩石 後期白亜紀 六甲花崗岩 |
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| 鷹尾山や荒地山は、六甲花崗岩でできている。ピンク色のカリ長石が特徴で、岩石全体もピンク色に見える。主要鉱物は、カリ長石・斜長石・石英・黒雲母である。 全体的に粗粒であり、各鉱物の結晶の大きさは、3～4ｍｍ程度のものが多いが、カリ長石は15ｍｍに達することもある。 花崗岩には、３方向に節理が発達し（方状節理）、四角く割れる。この割れ目から風化してマサ化が進む。このマサが雨で流されると、大きな岩塊が積み重なったように残る。荒地山のボルダー群は、このようにしてできた。 ※マサ 花崗岩が風化してできた砂。 |
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