鼻炎・・その2
(エレキ7歳11ヶ月)
改善ならず。なんの病気だ!?検査が続く


'06年10月某日。その後のエレキ。

じつはエレキ、
飲み薬や点鼻薬でいったん良くなっても、次第にそのお薬が効かなくなり、鼻水が復活していました。
お薬は決して弱いものではなく、どちらかというと強いものです。
なので、長期にわたって使い続けてはいけないのですが(肝臓や腎臓に影響があるらしい)、
使い続ける云々ではなく、それが全く効かなくなってくるなんて予想もしていないことでした。
これ以上使える薬も無くなりました
鼻水を吸い込んでゲホゲホする逆くしゃみも頻繁になってきて、呼吸困難になることもしばしば。
なので、ちがう病気を考え、検査の日々に突入しました。

まずはレントゲン。



いろんな角度からレントゲンを撮りました。これは真下から写したもの。
ちょっとわかりづらいですが、鼻くうが写っているところに丸をつけました。
右側が黒く写っていて空洞になっているのですが、左側は真っ白に写ってます。もう左の鼻くうには隙間すら無いのです。
これじゃぁ、常に鼻水(とか膿)が詰まっていてかなり辛いはずです〜
しかしこれだけでは原因はわからず、もっと設備が整っている病院で検査することになりました。
大学病院で、CTとMRIを撮ることに。予約がいっぱいで、検査はかなり先になってしまいました。
一日も早く治してあげたいのですが・・・。
鼻が辛いのか、エレちゃんはしょっちゅう上を向くクセがつきました。
写真を撮っても、何枚かに1枚は上向き写真。

こんなかんじだったり

こんなふう(涙)。

なんとかしてあげたいけどできない。こんな歯がゆいことはないですね。
お友達から漢方の病院も教えていただきました。ありがとう!
原因がわからない場合、漢方にチャレンジしようと考えています。


'06年10月某日。大学病院での検査

大学病院の循環器系の専門医が見てくれるのは月曜日。

診察室がたくさんあって、待合室も広々。順番がきたらマイクで「えんどうエレキくーん。7番診察室にお入り下さい」と告げられます。
待っている飼い主さんたちから「まぁエレキくんていうのねー」などと言われつつ7番診察室に入ります。
エレは悪い子なので、いろんなわんこにワンワン吠えるものですから、あのわんこダメ子ねぇーとたぶんみなさんに思われています(泣)。
そこにきて「えんどうエレキくーん」なので、なにげに目立ってしまうというしくみです。はははは。

またまたレントゲンと血液検査をします(いちおう最初からやらないとCTとかに進めないみたい)。
レントゲンでわかる範囲(骨の変形や硬いモノが詰まっている)の異常はありませんでした。
そしてやっと次の段階に進むことになりました。CTとMRIでの撮影です。
少しでも動くと写らないので、全身麻酔で挑みます。
MRIの予約が入れられたのが11月15日。
全身麻酔のための検査は11月6日に行います。
ふぅ、道のりは遠いぞ。
病院までも遠いぞ。

幸いなことに診察台でエレくんがくしゃみをして、長い鼻水を一本出してくれたので、
それも病理検査に出すことになりました。菌を調べるそうです。

麻酔を乗り切れますように〜


'06年11月某日。大学病院での検査その2

エレ君(とまめちゃん)、この間、雑誌(こちらを参照)のお仕事もこなしました。
くしゃみをしながら、鼻をたれながら。
えらいぞ!

そして本日はエレキだけをつれて、朝早くから大学病院にいきました。

前回、病理検査に出したエレキの鼻水の検査結果がでました。
鼻水にはやっかいな菌がいませんでした^^よかったよかった。
MRIは15日に撮影されますが、そのためには全身麻酔が必要なので、今日は麻酔ができるかどうかの検査をしました。
血液検査はすぐに出て、大丈夫とのこと。
ただ、もうじき8歳になるので、万が一のことは考えておいてくださいと言われます。
それはきっとみんなに言うセリフなのでしょうけど、心臓をぎゅっと握り締められたような痛みを感じる言葉です。

検査ごときで万が一の事態になったら私のせいだ。
でも、鼻水がやがて器官に入って苦しみ抜いて万が一の事態になるのを防ぐために検査するんだ!と
自分に言い聞かせます。

検査が終わって、武蔵境の駅前のカフェでエレとお茶します。
エレは道行く人達を目で追って、とても楽しそうでした。

検査はイヤだけど、カフェは楽しいなぁ(エレ)


'06年11月某日。大学病院での検査その3


今日はエレキのCTとMRI検査の日です。
長時間になりそうなので、今日はまめも連れて行きました。

昨日は、早めに夕ご飯を食べたらそれ以降はごはんもお水も禁止だったので(全身麻酔をするため)
朝、ごはんのマットの前におすわりして待っている姿を見てかわいそうになっちゃった。
まめだけ食べさせるのではエレがかわいそうだったので、まめにも空腹と乾きを付き合ってもらいました。
お水入れを手でひっかきながら「ないですよ〜。からっぽですよ〜」と私を見ながら教えてくれるのですが・・・。
ごめんよ〜。ちょっとの我慢だよぉ

朝9時に病院に着いて、エレをあずけます。
「麻酔は吸引式のですか?」と聞いてみます。
「最初は点滴の麻酔でグッと眠らせてから、その後ガス麻酔に切り替えます」とのこと。
麻酔から覚めるのは約2時間半後。
「目は覚めますが、体の機能はまだ麻痺しているので、呼吸がうまくできないようなら、酸素室でしばらく休みます」ということです。
夕べからお水を飲んでないのが心配でしたが、点滴で水分補給はできるから大丈夫なのだそうです。
手術とかではないので、麻酔から覚める時間も早いです。軽い麻酔なのかなぁと勝手に思い、ちょっと安心。

車に戻り、お腹ぺこぺこのまめにごはんをあげます。お水もガブ飲み。
いつもはカリカリフードだけど、今日は特別市販のウエットフード。

おいしいらしく、すごい勢いで(ベロを駆使して)食べます。
おかげでこんなお顔に・・・

これじゃぁエレが帰ってきた時に、まめだけいい思いをしたのがバレバレです。
急いで顔を拭きます。いや、でも、きっとバレるな(泣)。

時間がきたのでエレを迎えに行きます。
目が覚めていました^^
「まだ体内の動きが正常に戻っていないので、お水を飲むことができませんからね」
とお医者さん。
「お水は夕方6時を過ぎて。ほんの数滴から初めて下さい。むせるようなら、すぐ止めて下さい」とのこと。
お水が器官に入ると大変なことになるからです。
ごはんは夜10時くらいからちょっとだけ試すことになりました。

で、検査の結果です
今回はMRIとCTを両方撮りました。
MRIはちょっとグロテスクなので、

これは↑CTの画像です。
2mmづつ移動して写された鼻まわりのスライス画像。

↑アップにします。
左のほうを見ると、本来空洞であるべきところに鼻水らしきものがびっしり詰まってきます。
右にも詰まり始めているらしいです。
そして問題なのが、本来軟骨があるべきところに骨が写っていないということです。
左は完全になくて、右も無くなりかけているらしいのです。
犬歯の歯根の付け根のあたりが炎症を起こしていて(犬歯はとても長いので、歯根は限りなく鼻に近い位置にある)、
膿が溜まっており、それが軟骨を溶かしてしまっているのではないかとの診断。
それが原因の炎症で次から次へと鼻水が止まらないらしいのです。
膿は鼻からは出てこない構造になっているので、鼻水だけが出てくるのです。
溶けた軟骨はどうしようもないので、
この膿を取り去って洗浄をして様子をみるそうです。
そのためには、まず犬歯を抜いてその付近を切開して鼻くうにたどり着き膿の除去と洗浄を行います。
聞いた感じではけっこうハード(泣)。

これは、老犬が歯槽膿漏を悪化させた時などにおきる症状とよく似ているそうです。
けれど、エレの歯は歯石も無いし歯茎もキレイ。歯がぐらついてもいない。
だから気がつかなかったのでした。
なんらかの原因でばい菌が入ってしまい、犬歯の歯根のまわりの組織だけが腐ってしまったらしいのです。
見診だけではわからない症状だそうです。こんな例もめずらしいそうです。初めて見たとおっしゃっていました。
そういえば、今までいろんな病院で調べていただいたのですが、
かならず歯と歯茎を見て「歯じゃないみたいだなぁ」とおっしゃっていました。

手術は29日。
また全身麻酔です。今度はちょっと長時間です。
でも、原因がたぶんこれだろうとわかっただけでも良かったです。
これで悪いところが見つからなかったら、どうしたらよいのかさまようところでした。

おうちに帰ってきても、水もごはんももらえないエレキです。
ぼんやりしていて、元気がないエレキです。
でも、時折吠えてみたりします。
いつも吠えるとしかられるのに、今夜は吠えたら誉められたので???なエレキです。


'06年11月某日。かかりつけ病院でセカンドオピニオン
本当にエレの歯を抜いてしまっていいのか。
手術の選択は間違ってないのか。
たぶん、予定どおりにするのが一番いいはずなのですが(他に原因が見当たらないし)、
確信を持ちたくてかかりつけのお医者さんにCTの画像を持って出向きました。
エレも同行して。

じーっと画像をながめて、いろいろ詳しく説明してくれました。
まず、骨が溶けているのは事実。

本来なら赤い線の部分は軟骨でつながっています↑。しかもまっすぐなはずなのです。
青い部分の膿の部分が多くなって骨を押しているために骨は右側に歪みながら途切れています。
右(緑の部分)にも膿らしきものが溜まりつつあります(本来なら空洞で黒く写る部分)。
あ、黄色いところは管が入っているので丸く写っています。決してエレが指輪を飲み込んこんだのではありませぬー。

同じ写真がこれです↓

しっかりと骨が途切れています。
↑この輪切り写真はけっこう根元(目に近い部分)のものですが、
もっと鼻先のほうの輪切りでは↓真ん中の軟骨が全然つながってなくて、しっかり溶けているのがわかります。

これを見る限りには、
歯を抜いて膿を出す手術をしても無駄はない。というのがかかりつけ医の見解。
ただ、この画像からだとどの歯の根元に原因があるかがわからないとのこと。
正確に位置を確認して、確実な1本を選ばないと、無駄に歯を抜くだけでなく病気jの原因を絶つことにはならないそうです。
レントゲン撮りながら(歯医者さんみたいに)手術を進めるのがいいね、とおっしゃっていました。
「犬歯よりもっと奥の歯のように思えるなぁ」「えー、だって犬歯を抜くって言ってましたよ」「うん、犬歯っていうのはね・・・・」
と説明を受けたのが、以下の内容。
犬歯は他の歯に比べてうんと根が深く、抜くことによって鼻くうに近づくことができるから、
犬歯を抜いて鼻くうを洗浄するのが一番確実と考えるのが普通だといいます。
でも、悪い歯根が違う場合はその悪い歯も抜かないといけないそうです。
そして、悪い歯はもっと奥歯ではないかと言うのです。
何本抜くのかなぁ(泣)。
犬歯の説明をしてくれた時に見せてくれた模型はこれです↓

歯茎に隠れている部分に点線をつけました。
ピンクの点線が犬歯の歯根。確かに深い!鼻の近くまで根っこがあります。
緑の点線が前歯。それなりに深いけど、犬歯に比べると浅いです。
青い点線は犬歯より奥の歯。小さいし浅いです。
もっと奥歯になると根が二股にわかれていて抜くと歯茎のダメージが大きいようです。

歯もキレイで、歯茎も腫れてない。口臭もない。全く不思議だと言います。
それは大学病院でも言われました。
でも膿が溜まって、骨が溶けているのは真実。
歯根の腐敗以外に腫瘍も考えられるとのこと。
まだMRIに写らない大きさの初期の腫瘍ということもあり得ると。
じつは大学病院でもそれは言われたのです。
「腫瘍は写ってません。まだ小さすぎて写らないことも考えられますが、ほぼ原因は歯根でしょう。問題ないと思います」と。
どうか、今後、腫瘍が育ってきたりしませんように。

ところで、この溶けてしまった骨ですが、無くても問題はないのか心配で聞いてみました。
大学病院では「問題ないです」と言っていたけど、どう問題ないのか知りたいじゃないですか(その時に聞けよ!ですが^^;。
問題ないものがもとから備わっているのはおかしいですもんねぇ。
するとやはり「問題ないよ。むしろ鼻の通りが良くなっていいんじゃないかな。ただし、嗅覚がかなり落ちる」ということでした。
それでも人間よりは嗅覚が優れているんだって。わんこはすごいねー。

大学病院での手術の予約は29日に取れています。
私は29日に抜歯と洗浄手術をすることを決心して病院を後にしました。

つづく、なの〜