Renaissance 2


 少し前から再結成の布石か?みたいな風評がありましたが,ついに待ちに待ったニュー・アルバム「TUSCANY」が発表され,さらに夢にまで見たRenaissance の初来日が実現!夢のような来日公演のレビュー,new CDのレビュー&新生ルネサンスへの期待などなど...個人的な来日記念特集です.

4.「TUSCANY

tuscany.JPG - 7,069Bytes1. LADY FROM TUSCANY 
2. PEARLS OF WISDOM 
3. EVA'S POND 
4. DEAR LANDSEER 
5. IN THE SUNSHINE 
6. IN MY LIFE 
7. THE RACE 
8. DOLPHINES PRAYER 
9. LIFE IN BRAZIL 
10. ONE THOUSAND ROSES 

 再結成Renaissance の初のアルバムにして,約20年ぶりの新作.
 大好きだったグループの再結成による新作を聴くのは,とてもワクワクする体験であると同時に,大きな不安と背中合わせの行為です.過去に無残な姿を見せつけられたり,似ても似つかぬ姿がそこにあったり(これはnegative な場合ばかりではありませんが)したことも数多くありました.
 では,このアルバムはどうだったのか.そこには期待以上のものがありました.もともとわたしは,壮大な叙事詩を思わせる「SHEHERAZADE & OTHER  STORIES」などより,ややこじんまりした印象のある「A SONG FOR ALL SEASONS」が一番のお気に入りでした.しかし,”こじんまり=単なるスケール・ダウン,肩の力が抜けた=安易な音楽性”へと流される危険をはらんでいたことは事実で,「A SONG FOR ALL SEASONS」以後のアルバムはパッとしなくなり,ついに盛り返すことなく解散となりました.結局「A SONG  FOR ALL SEASONS」はRenaissance というバンドの転換期に一瞬だけ生まれた微妙なアルバムだったようです.
 しかし「TUSCANY」を聴くと,けっして壮大なスケールを持っている訳ではないが,かといって安易に過去の遺産を繰り返しているわけではない”現代版”Renaissance の姿がそこにありました.そうです,わたしが一番聴きたかった頃のRenaissance がちょっと衣替えして帰ってきてくれました.
 多くのRenaissance ファンはわたしと違った感慨(やはりこれぞRenaissance!という方向性とはずれていますから)をもっているとは思いますが,わたしは目いっぱい期待しつつ来日を待ちましょう.再結成された音が自分の好みと一致するなんて,わたしは幸せなファンですね.(2001/03)


ながらく滞っていたアルバム・レビューなぞ...^^;

1. LADY FROM TUSCANY
 タイトル・ナンバーでもあり,来日公演の演奏曲のひとつです. 大曲というわけではありませんが,ルネサンスの魅力を楽しめる曲です.目一杯力の入った一大叙事詩というよりは,いくぶん肩の力を抜いた洒落たクラシカル・ロック!まさにわたしの好きな雰囲気.この曲を聴いた瞬間”「A SONG FOR ALL SEASONS」に似てる!”と 感じて,内心小躍りしました.
2. PEARLS OF WISDOM 
 この曲も来日ライブ演奏曲.哀愁を含んだメロディー&ソプラノ・ヴォイスが支配的ですが,美しいピアノの音色が絡み音に厚みがあって,同じ哀愁系の3,8より遙かに素敵な仕上がり.名曲です.
3. EVA'S POND 
 
どことなく憂いを含んだAnnieのボーカルが印象的.雰囲気としては「8. DOLPHINES PRAYER」と似ています.ただ,わたしのモロ好みとは違うので印象が薄目.
4. DEAR LANDSEER 
 この曲もライブで演奏されました.2曲メロディー&天使の歌声(笑)が命!みたいな曲が続いたが,これはアレンジも絶妙でルネサンスのグループとしての魅力を楽しめます.
5. IN THE SUNSHINE 
 
フォーク調(?)の明るい曲.個人的にはとても好み.一聴してすぐ気に入った曲のひとつです.
6. IN MY LIFE 
 
美しいピアノに導かれ,ほんとに美しいソプラノが流れてきます.シンプルなアレンジですが,それがかえって美しいメロディーを引き立たせています.
7. THE RACE
 
耳当たりのいいアップ・テンポのメロディー.ルネサンスらしくないとも言えますが,上品なポップ・ソングではあります.アルバムのアクセントとしてはなかなか良いのではないでしょうか.わたしはけっこう好きです. 
8. DOLPHINES PRAYER 
 Annieさんが切々と歌い上げる哀愁のボーカル・ナンバー.いい曲だけどわたしの好みとはちょっとズレているのが残念.ちょっと切なすぎます^^;
9. LIFE IN BRAZIL 
 Annieさんのブラジル好きが垣間見える曲.サンバっぽいアレンジは新鮮な魅力があり,彼女のキャリアが新ルネサンスにも反映されていて興味深い曲です.
10. ONE THOUSAND ROSES 
 この曲をライブで聴いてぶっ飛びましたね.CDで聴いたときは,たしかに楽曲も変化に富み往年のルネサンスを彷彿とさせる大作だとは思いましたが,ものすごく感動したとか大好きだと言うほどではなかったんですよね.
 その時の感激はライブ・レポにも書きましたが,まさに圧巻と言うほかありません.往年の名曲たちに一歩も引け劣らない仕上がりでした.聴き込むほどに味が出てくる曲.現在では一番のお気に入り.アルバムのラストを飾るのにふさわしい力作です.


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