極星神殿

「極星(PolarisもしくはPole Star)とは」?
グローランサの「天蓋Firmament」(季節の運行と共に南北に振れる)の中心軸にある白色の恒星。他の星が天蓋の回転に応じて一日で一回転するのに対し、極星は軸にあるために移動しない。現実世界における北極星に役割は似ているが、グローランサは平面世界であり、天蓋は仮想上の存在ではなく世界の中心を核として広がる球状の世界を区画している。
宗教が精神性以上の物質的実体を持ち、人々の想像力が魔法として存在するこの世界において、極星は他の主だった天体と同じく崇拝の対象となり、さまざまな性格を付与されて共同体に相応した魔術を提供する。

概論
「第三版ルーンクエスト」グローランサ極星カルトの詳細については、いくつか日本語でなされた翻訳があるのでそのアドレスを挙げることに留める。原典はNikk Effingham氏のサイトにあり、アドレスはこちら

http://members.nbci.com/_XMCM/wakboth/polaris.htm

ダラ・ハッパ帝国
基本的に「極星」は光と天空の神殿で崇拝される神性だが、これはきわめて複雑かつ幾たびとなくゲーム的にも背景的にも幾度となく改変された歴史を持つ地域、ダラ・ハッパ(Dara Happa)社会を母体とする。ここでは極星は「天界の将軍」として崇拝されており、集団的な軍の指揮を主体とし、副次的に古代社会に有用な階級である戦士団に武術を授ける相を備えている。(その実例としてはサプリメント”TARSH WAR”を読むこと。)「神々の壁」においては比較的重要な小神として列に連なった姿を表している。昔のWyrms Footnote誌に紹介されていたダーゼイターの一族としての重要性はペローリア三部作などによるイェルム神話の改良と構築によって弱められてしまった。日本語版のライトアップはこれらのサイトでなされている。(「下品な」シャーガーシュとの関係はあまり良くないらしい)

Rune Quest Japanese Edition:
http://www.imasy.or.jp/~yelm/rq/polaris.html
White Elf Shrine:

http://www.ne.jp/asahi/sat/lodril/cult/polaris.html
http://www.ne.jp/asahi/sat/lodril/zatubun/aboutPolaris.html


しかしほかの地域においては、その地方の文化及び必要性に応じたカルトの変更がなされており、具体的な社会の成員としてのカルトの役割はより儀式的なものにも純軍事的なものにもなりえ、また精霊崇拝や他の神殿の信仰形態との相関関係を小さいカルトであるとしてもそれなりに姿勢を固めている。

イムサー及びヴァンチ地方
Harald Smith氏はHWの担当管轄区域として、彼が十年以上のもの間、個人的に世界を展開してきた南ペローリア地方の管理をイサリーズ社に任された。GloranthaConUCompendiumによると、彼は地理的条件から孤立したイムサー王国Imther Kingdomという小区域からはじめて、New Lolon Gospelという同人誌を使って自らのアイデアを他のグローランサ共同体に広めた。彼は多くの昔の廃棄されたアイデアを新しく構築されたダラ・ハッパと昔ながらの構造を比較的保っているオーランスの世界の橋渡しを務めるものとして用いている。

イムサーの宇宙論によると、イェルマリオに相当する神性(ケルマルKhelmal)が北方のイェルム(エレムYelem、神話学的には「隠棲した高き神(デウス・オティオスス)」)や南方の「嵐の神」(オーランティオOrlantioトリックスター)をおしのけて主神として持ち上げられている。極星はアラハルAraharと呼ばれ、舞踏の女神テリスカTeliska(イサリーズと関係があるのかどうかは不明)と結婚して星の国の舞踏を統率する。彼の息子である先駆星ラガヴァルLagavarはケルマルの妹でもあるカラーナKalana(チャラーナ)やトリックスターのオーランティオと組んで「光持ち帰りし者の探索行」を達成する。

犬の神ジャジャガーパはRedline Historyにおそらく初出した犬頭の神性だが、セアード地方の地界の神としてイェルマリオ(ヘリアカルHeliakal)と同じく重要な役割を占めている。ヘリアカルは土着の大地の女神(アーナールダに対応する)と結婚し、「黄金の丘Hill of Gold」の神話で主役として活躍する。ゆえにこの地方でもダラ・ハッパとは違った形で天空の信仰が隆盛となっていると思われる。

イェルマリオ信仰についてはこちらを見ること。詳しい論考がなされている。
てんがい
http://homepage1.nifty.com/sundome/
また、イェルマリオ信仰形態が行きつくところまでいってしまうとどうなるかはこちらを見ること
(ただし英語)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~BLUEMAGI/tearyelmalio.htm


蛮族ベルト地帯及びプラックス
蛮族の光の神々、イェルマリオ及びイェローナとの関係で極星(オーランス信者にはリグスダルRigsdalと呼ばれるらしい)や先駆星も信仰の対象になっているらしい。(Drastic Resolution: Praxでは「蛮族の地」における天空の崇拝について多く語っている。それによるとかつてイェローナは極星の神だったが、他の神に譲って今度は先駆星の神になったのだという。)「ドラゴン・パス年代記King of Sartar」のオーランス人の神話でも極星はオーランスが混沌の軍勢から逃げるのを助けている(ゆえに少なくとも尊敬は受けているらしい)。Tales of the Reaching Moonによるとプラックスでは精霊崇拝の形で「極星」は信仰されているらしい。

東方世界
太陽の神マルラーヤMalurayaと「夜空を支配する輪(オーランスの輪)」の女神ファルサンラーナFarsanranaから生まれた天界の賢者ケンダラミンKendaraminについてはわずかしか言及がなされていないが、あまり軍事的な要素をもってヴィセラでの信仰がなされているとは感じられない。東方世界の神秘主義は天空の信仰と交わって独特の魅力ある世界を作っているらしいが、ヴォルメインやクラロレラでどのような違いが見られるのかは明らかにされていない。

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